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イランを舞台にしたサスペンス映画を観るの巻

 少し前のことになりますがTOHOシネマズ・シャンテにて『聖地には蜘蛛が巣を張る』を観てきました。

 原題はHOLY SPIDERなのでそこから派生した邦題だと推測出来ますが、ちょっと仰々しいタイトルだなと思いました。だからと言って見に行くのやめようかなとはならないと思いますが。

 イランで実際に起こった売春婦の殺人事件が元になっていて映画では1人の女性記者が事件の真相を追求する過程で権力の腐敗構造が見える内容になっている。だからなのか、登場する男性の殆どが女性に対して高圧的な印象。ちょっと過剰じゃない?ってくらい上から目線なので「これは物語上の設定?」と邪推してしまいましたが、実際はどうなんでしょうね。

 犯人が物語の早い段階で判明するストーリーの構成やカメラがフォーカスアウトしたままで芝居を表現しているところなど好きな表現が多く、映像表現的に好きな作品です。放射状に広がるライトアップされた街をバックにタイトルが出るシーンは街のイルミネーションを蜘蛛の巣に見立てている感じもあるし、この作品の暗鬱とした部分を表現してて技アリな演出だなと思いました。

 でも、権力に批判的だからなのか、この映画はヨルダンで撮られているし、監督のアリ・アッバシは北欧を拠点に活動しているイラン人だし、主演のザーラ・アミール・エブラヒミもスキャンダルでイラン国内にいられなくなり移住した女優さんって事で、作るだけでなく公開するのも大変そうな作品。

 3ヶ月以上前に公開されているのでそろそろ配信で観れると思います。ご興味ありましたらチェックしてみてください。

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