TOOWA2

東京でVJ活動と短編映画を撮っています。仕事も映像です。Fashion showの映像…

TOOWA2

東京でVJ活動と短編映画を撮っています。仕事も映像です。Fashion showの映像演出からVJ、Motion graphics、実写まで。2023年はハロウィンを頑張るっ。

マガジン

  • VJ的ほぼネタバレな映画の感想

    VJが観た映画の勝手な感想。割と適当。技術的な視点多め。ネタバレ多め。

最近の記事

W・ヴェンダースが再び東京を描く

 TOHOシネマズ・シャンテにて『PERFECT DAYS』を観てきました。久しぶりにこういう構成の映画を見た気がします。どことなくJ・ジャームッシュ作品やW・ワンの『SMOKE』のような感じというか。映画館を出た後にLou Reedの「PERFECT DAY」が聴きたくなりました。 内容 東京でトイレの清掃員として働く男・平山の日常を描いた作品。東京スカイツリーのお膝元のアパートに住み、早朝に聞こえる箒で道路を掃く音で目覚め、車で都内の公共トイレ掃除に向かう。1日のルーテ

    • 村山槐多の作品を見ながら映画の実験性について考えるの巻

       K`s cinemaにて『火だるま槐多よ』を観てきました。佐藤寿保監督の前作『眼球の夢』が凄く良かったので僕にとっては待望の新作だったのですが今回も実験的な映像美を見ながらこれはどう撮ったのだろうかとアレコレ考えながら見れました。村山槐多という画家の作品は未見だったのですが映画を見終わって興味が湧きました。 内容 大正時代の画家・村山槐多に魅了された女性が過去の声が聞こえる男と出会う。男は過去から村山槐多の声を聞き取ることで神経を侵食され自分が槐多だと言う。その男と超能力

      • 柔らかい光が印象的なダークな映画

         新宿のシネマカリテにて『ポーラーナイト』を観てきました。年末から公開してたのですがタイミング合わず最終日となりましたが何とか見れてよかったです。 内容 生身の人間でありながら血を吸う事でしか生きられない画家の衣良と彼女に魅せられた教え子の少女・真琴が数年後にお互い画家として再会する。 真琴は今もなお血を吸い続ける衣良を彼女のマネージャーや彼女を付け狙う男達から救う為にかつて通っていた絵画教室で衣良と共同生活を始める。 見どころ*劇画的世界観の作品  血を吸う行為、絵画

        • ホッコリしたいならこの映画(ネタバレ有り)

          新宿のシネマカリテにてアキ・カウリスマキの最新作『枯れ葉』を観てきました。正月の3日目にも関わらず客席はかなり埋まっていて相変わらず固定客のいる作家なんだなと思いました。 内容金属工場でブラスト工として働く男性とスーパーマーケットで働く女性のラブストーリー。二人は勤務中の諍いで職を失ったり事故など困難に遭遇する。トラブルが二人を遠ざけるが映画やライブなどを通じてお互いに惹かれ合い再び前を向いて生きていく。 見どころ*労働者3部作、その後 労働者をモチーフにした作品を過去

        W・ヴェンダースが再び東京を描く

        マガジン

        • VJ的ほぼネタバレな映画の感想
          43本

        記事

          2画面構成のトリッキーな映画(ネタバレ有り)

          新宿のシネマカリテにて『VORTEX』を観てきました。 久しぶりにギャスパー・ノエ作品を劇場で観ましたが良かったです。バイオレンスやエロが多い監督が今回はそれらを描かずに老夫婦の映画を撮ったって事なのでどんな作品なんだろうかと公開前から気になってましたが、予想以上に素晴らしい作品でした。 正月なのにお客さんも沢山入ってて人気の高さが伺えます。 ざっくりと内容と見どころを書いてみたいと思います。 内容老夫婦が直面する老いと病気(アルツハイマー、心臓病など)、そして死についての

          2画面構成のトリッキーな映画(ネタバレ有り)

          年末後半に観た映画のレビュー

          2023年もあと少し。 久しぶりの映画レビューになってしまいました💦 今年も色んな作品を観ました。海外の映画も日本映画も良い作品が多かったですね。 と言うわけでレビューいきたいと思います。 『CRIME OF THE FUTURE』 アップリンク吉祥寺で鑑賞。 デビッド・クローネンバーグ作品はあまり馴染みがありませんが、作品に設定とか造形物に独特の世界観(というより独自ルールに近い)が反映されてて「ルール設定の作り方」が面白い作品が多い印象です。ゲームっぽさがある映画を撮れ

          年末後半に観た映画のレビュー

          僕たちはどう思うか?の返答を書いてみた

           TOHOシネマズ渋谷にて『君たちはどう生きるか?』を観てきました。  内容は戦争の余波を受けるとある田舎に疎開してくる男の子と滞在する屋敷に住むちょっと小狡い鷺との交流を通して、この世界の本質的な要素が描かれる。  話がちょっと逸れますが映画を観ていてある演出家のコトを思い出しました。その人とは小劇場で知合ったのですが別の仕事が忙しくなり演劇活動を続けられなくなっていきました。それでも忙しい合間を縫って新作や過去の作品をキャストを変えて上演したりしてたのですが、少しずつ

          僕たちはどう思うか?の返答を書いてみた

          団地、子供、超能力とくれば

           ユナイテッドシネマとしまえんにて『イノセンツ』を観てきました。  22:45開始というレイトショーでしかもその日は雨だったのですが予想以上に観に来てました。映画が2時間近い作品だったのでおそらくお客さんも豊島園周辺に住んでる人だなとかそんなコトを観る前にふと思いました。(作品の内容と関係ないですね…😅💦)  ストーリーは公団住宅に住む4人の子供達による超能力を使った遊びが徐々にエスカレートしていく様子を軸に子供達の家庭の様子や近隣住民とのコミュニケーションが描かれる

          団地、子供、超能力とくれば

          書き手の口調って台本に反映されるんだなと実感した作品

           TOHOシネマズ渋谷にて『怪物』を観てきました。  今までと違って是枝監督が脚本を書いてないのでどんな作品になるのだろうかと観る前から気になってましたが、気になったのはストーリーよりも(勿論今までと構成が大きく違うが)撮り方やキャスト陣の演技でした。ドローンや滑らかに移動するステディカムなどこれまでの作品よりもアクティブな印象があった。  ストーリーは教師から息子がモラハラを受けているコトを知った母親が学校に行くとその対応に不信感を抱く。それがきっかけとなって教師や息子

          書き手の口調って台本に反映されるんだなと実感した作品

          震災とラーメンと親子のお話

           K’sシネマにて『釜石ラーメン物語』を観てきました。  3年前に家を出て行った娘が戻ってきてラーメン屋を営む父と妹との交流を描いた作品。  TOOWA2作品に関わってた方が何人か本作にキャスト&スタッフで参加してて釜石ラーメンをお土産で貰っていたので映画もラーメンの話だと思ってたのですが(ラーメンを作るくだりは映画でも紹介されてるけど)、描かれてたのは震災によって起こった親子や姉妹の葛藤でした。  主演2人のべらんめえ口調の台詞回しがしっくりきてたのが印象的でした。女

          震災とラーメンと親子のお話

          今回も健在な読後感でした

           吉祥寺のアップリンクにて『小説家の映画』を観てきました。  スランプに陥った小説家とリタイヤ状態の女優が偶然出会った事で映画を撮ることになるというお話。と言っても実際に映画を撮っているシーンは殆どなく制作に至るまでのやり取りを中心に会話形式でストーリーは進む。  会話の中に見え隠れする相手との微妙な距離感が長回しやズームによって表現されている。ホン・サンス作品はドラマチックな展開はないけど観終わった後にじんわりとくる読後感があるのは今回も健在でした。  小説家が短編を

          今回も健在な読後感でした

          イランを舞台にしたサスペンス映画を観るの巻

           少し前のことになりますがTOHOシネマズ・シャンテにて『聖地には蜘蛛が巣を張る』を観てきました。  原題はHOLY SPIDERなのでそこから派生した邦題だと推測出来ますが、ちょっと仰々しいタイトルだなと思いました。だからと言って見に行くのやめようかなとはならないと思いますが。  イランで実際に起こった売春婦の殺人事件が元になっていて映画では1人の女性記者が事件の真相を追求する過程で権力の腐敗構造が見える内容になっている。だからなのか、登場する男性の殆どが女性に対して高

          イランを舞台にしたサスペンス映画を観るの巻

          サイレント"的"な映画

          新宿のシネマカリテにて『EO』を観てきました。 これまでDVDレンタルや劇場にてイェジー・スコリモフスキーの過去作を追っかけてきましたが今回も巨匠はやってくれました。何せ主人公がロバですから。 赤を基調とした明滅シーン、4:3の画面構成、イメージカットが多めの編集、役者は出てくるけど物語を進める為の台詞は少ないのである意味"サイレント"的な映画でした。 馬との比較でどことなく頼りなさそうなロバの体躯が可愛らしさを醸し出してて何故か見れてしまう不思議な作品でした。 エピソ

          サイレント"的"な映画

          元ネタとリメイクを見比べてみての感想

          少し前になりますが、 新宿武蔵野館で公開してた『苦い涙』と それを機にリバイバル上映された元ネタとなる映画 『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』を観てきました。 主人公の名前が元ネタはPetra Von KANT、 リメイクはPETER VON KANT。 自由に翻案したとは言え寄せてる所はキッチリ寄せてきてて これはどうしても見比べてみたくなる作品でした。 1棟のアパルトマンで展開する同性愛者のドラマで 若い愛人が中年のクリエーターの心を掻き乱すという展開は どちらも同じ

          元ネタとリメイクを見比べてみての感想

          ここ最近観た映画あれこれ。その2

          ここ最近観た(といっても結構前のもありますが💦)映画のレビューです。同じ様な書き出しで記事をつい先日も書きましたが紹介する映画は別作品になりますのでご容赦を。 『セールスガールの考現学』 http://www.zaziefilms.com/salesgirl/ 新宿・シネマカリテにて鑑賞。 モンゴルといえば草原、モンゴル相撲というザックリとしたイメージしかなかった僕らに新鮮な印象を与えるモンゴル映画。 デザイン的な構図の画角とMV的な手法が度々挿入される演出、朴訥な印

          ここ最近観た映画あれこれ。その2

          ここ最近観た映画あれこれ。

          ここ最近観た(といっても結構前のもありますが💦)映画のレビューです。 レビューを書こうと思いながら時間が過ぎていくのを今年は改めたい今日この頃。 早速、紹介していきます。 『シャドウプレイ【完全版】』 https://www.uplink.co.jp/shadowplay/index.html 中国のインディペンデント映画の雄(個人的にそう思っているだけですが)、ロウ・イエの最新作。 いくつかのシーンで検閲が入り公開後数日前まで修正を余儀なくされるなど色々と闘っている作品

          ここ最近観た映画あれこれ。