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サイレント"的"な映画

新宿のシネマカリテにて『EO』を観てきました。



これまでDVDレンタルや劇場にてイェジー・スコリモフスキーの過去作を追っかけてきましたが今回も巨匠はやってくれました。何せ主人公がロバですから。

赤を基調とした明滅シーン、4:3の画面構成、イメージカットが多めの編集、役者は出てくるけど物語を進める為の台詞は少ないのである意味"サイレント"的な映画でした。

馬との比較でどことなく頼りなさそうなロバの体躯が可愛らしさを醸し出してて何故か見れてしまう不思議な作品でした。
エピソードの羅列で展開するロードムービーなので主人公のロバをいかに旅に向かわせるか?がクリア出来れば物語は意外と作りやすいのかもしれません。
(被写体が動物なので撮るのは大変そうだけど。笑)

でも、いかにイェジー・スコリモフスキーと言えど「ロバの映画を撮ります!出資してください」と言ってお金が集まるかというと中々難しいものがあるんじゃないでしょうか。
って事で、出てくるのがジェレミー・トーマスとイザベル・ユペールのお二方。
曲者監督作品に数多く参加してきた2人が関わるのであればと
制作資金が集まったんじゃないでしょうか。
(まぁ、この辺は思いっきり邪推ですが...💦)

イェジー・スコリモフスキーは本作の脚本家のエヴァ・ピアスコフスカと映画製作会社「スコピア・フィルム」を共同経営していてスコリモフスキ作品の制作母体となっているようです。

風変わりな設定や構成の作品が多いだけに大手の映画会社ではなく自分で制作会社を運営しながら映画を撮った方がやり易いのかなとビジネス的な視点で観てました。

上映してたのが2ヶ月くらい前なのでそろそろ配信でも観られるのではないでしょうか。
個人的にかなりお気に入りな作品です。

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