文章練習6[3分短編]
この出来損ないのプラ板のようにひび割れた凹凸の沿岸道路に、サニーロードなどと馬鹿げた名前を付けたのはいったい何処の誰だろうか。恐らく、年老いて痩せ細った保護犬に、桜だとか太陽だとか”そういう類い“の名前をつけるタイプの人間だろうと思う。おお、かわいそうに、人のエゴに触れてこんなにも痩せ細って、お前の名前は今から太陽だ、めいいっぱい可愛がってやる。という具合だ。しかしどうだ、年老いた犬に好き勝手名前をつけて愛玩しようというのだって人のエゴではないか。イカサマだ、と私は考えた。