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年中休業うつらうつら日記(東関東車中泊5泊6日の旅・2024年4月18日~4月23日)

24年4月18日

今夜から5泊6日で東関東を回る車中泊の始まり。
事前に2Lペットボトル2本のお茶を凍らせておいて、クーラーボックスの保冷材兼飲料用に持っていく。
寒暖の差が激しい旅になると予想されるので、服があれこれ多くなってしまった。
せいうちくんが出社したついでに買ってきてくれたクラブハリエのバームクーヘンminiを7個おやつに持って、あと、今回初めての試みとして冷凍うどんを持っていき、車内のカセットガスコンロで煮て食べるため、うどんとめんつゆ、刻み葱、唐辛子、器を持っていく。

19時ごろにGくんがキャラバンを運転してきてくれたので、荷物を積み込んで出発。
夜の運転が苦手なGくんに代わってせいうちくんがとりあえず今夜の宿地となる埼玉の道の駅を目指す。
BGMはiPodからさだまさし。

到着が遅かったので、もう寝るだけ。お風呂もついてない道の駅を選んだ。
Gくんがキャラバンのベッドキットの高さを変え、上下二段で寝られるようにセットし直してくれていたのが画期的。
Gくんが下の段(車の荷台)で、我々夫婦がベッドキット上を占領する。
しかしこれだとキット上に座った時に頭がつかえて座ったまま首を折ってうなだれていなければならない。
Gくん的には「これはナシだな。姿勢が苦しい」となり、とりあえず今夜と明日の夜はこれで寝るが、近いうちにまた元に戻したいそうだ。
二段ベッドはなかなか良かったんだが。


途中の「はなまるうどん」で買ったかき揚げを入れた「天ぷらうどん」をその格好で3人で食べて、美味しかった。
スーパーのお惣菜で買うかき揚げは廃棄寸前の野菜で作って食材の無駄をなくしていると聞くが、さすがはなまるうどんのかき揚げは新鮮な材料を使っているため、玉ねぎが甘くて初めての味。
でも、こういうのは冷たい食事に飽きた3日目頃にやれるともっといいと思う。
クーラーボックスの性能の問題で冷凍うどんが溶けてしまうので、翌日までが限度だった。
せいうちくんは「八百屋で98円で買えた」という「パセリの大束」を持ってきており、それをかじりながら。
「こないだは豆苗だったが、今回はパセリか」とGくんに驚かれていた。

12時頃に荷物を収納して上下二段の寝支度完了。
男性軍はすぐに寝息やらいびきやらに変わったが、私はiPad Proでマンガを読んだりトイレに行ったり好き放題して、寝たのは2時頃か。
車中泊1泊目は平和。

24年4月19日

起きたのが6時。
「こんなに早く起きなくても」とせいうちくんはぶつぶつ言っていたが、Gくんによれば彼はすでに起きて1時間ほどの散歩をしており、「こいつら、よく寝るなぁ」と冷ややかに我々を見ていたらしい。

私は朝食に決まってファミマのサンドイッチ2つとカフェラテ(パウダーシュガーを置いてるのがファミマだけなのだ。アップルシナモンがお気に入り)を買うので、朝はファミマに出会ってから始まる。
けっこう高くつくのでいかがなものかと思う習慣だ。

ファミマ探しの間にどんどん大洗の海に近づいていたようだ。
Gくんは車を停めてあたりを散策するのが好きで、ただ、「必ず車に戻ってこなければならない」のが違う道通りたがりのヘキに抵触するらしく、今回は1人旅ではできない「歩いて行って途中で車に拾ってもらう」実験をしたいそうだ。
海辺の適当な駐車場に停めて、Gくんはどこかへ歩いて行き、せいうちくんは遠くの浜辺で釣り人に声を掛けて話をしていた。
社交的な方ではなく、私のようにすぐ人に話しかけたがったりしない人なので、珍しいものを見てしまった。

海辺で謎のプレハブを組み立ててる人々

しばらくしてGくんから位置共有のリクエストが来たので、合流したいんだな、と車を出す。
拾ってから彼の話とせいうちくんの話を総合すると、どうやらこの辺の浜辺は「潮干狩り」ができるところらしく、ぽつぽつといた人たちはハマグリを採っていたようだ。
「うちもやればよかったね。お湯と鍋があるからハマグリのお吸い物が飲める」と言ってみたが、「足を濡らすぐらい入らないと採れない」と却下された。

そろそろ入場時間となるひたちなか海浜公園に向かう。
「お花が見たいの」と旅の打ち合わせの時に脳内お花畑な発言をしてしまったため、連れの2人には苦労をかけることになった。
なにしろ大変な人出なのだ。
駐車場もすでに混んでおり、大した人気だなぁ。
「青い花がいっぱい咲いてて綺麗なところ」という私のあいまいな発言から「ネモフィラの丘」を調べておいてくれたGくんはきちんとそこに近い入場口から入る。
園内はむやみに広そうなので、念のため車いすを借りて、私はせいうちくんに押してもらって園内見物。とても楽だった。


やはり一番人気はネモフィラの丘らしく、人が波のようにそちらへ向かう。
我々は遠くから見るだけで満足したが、Gくんは「ここまで来たらいちおう登る」と言って、そこでとりあえず解散。
適当な時間に連絡を取り合って合流しようと相談がまとまる。

富士山頂近くの登山道のようにぎっちり人が行列を作ってあちこちのルートから登っているネモフィラの丘、尾根はもうずらりと人が並んでいる。
「秋にはコキアに植え替えるそうだ。二毛作だな」とGくんが調べた結果を披露してくれていたが、ふわふわに赤いコキアも綺麗だろうな。


丘のまわりをぐるっと回ったら、正面から見ると青いネモフィラが咲き乱れ、人が群がっているのに、裏側は面白いほど何にもなかった。ただの芝生の丘。
「こっち側にコキアを植えるのかなぁ。総植え替えは大変そうだもん」とせいうちくんと話しながらひと回り。
人はなぜ花が好きなのか。
昔は全然興味がなかったが、歳とともに相応に花を愛でるようになった。
今回もチューリップや芝桜、菜の花など様々な色合いの大量の花を楽しんだ。
バラ園は季節でないのか全然咲いてなかったが、十分満足した。
今後3年ぐらいは特に花を見なくてもやっていけそうだ。

広い広い公園の東側の方へ行ってみたら、そちらはこれまた驚くほど人が少なかった。
花を謳っているのは西側らしく、東側はどちらかというと遊園地の風情で、観覧車やジェットコースター、コーヒーカップなどの定番が並んでいた。
行列ができてない観覧車を見るのは珍しいので、乗ろう、ということになり、2人でゴンドラに乗る。
てっぺんから見る公園の全体像はとても広く、西側の花畑やネモフィラの丘と東側の遊園地やパターゴルフ場は噴水のある大きな泉で仕切られている。
明らかに西側に人が多い。
ネモフィラの丘はまさに「見ろ!人間がアリのようだ!」だった。

ちょうどゴンドラに乗った時点で別行動中のGくんから南口で拾ってくれと連絡があった。
車が停めてあるのは西口の駐車場。
「観覧車に乗ったところだから、ひと回り15分かかる。それから駐車場まで行くので、少し時間かかる」と返事をしておいて、降りたらさっさと西口に向かった。
位置情報共有システムを使っているのでGくんと我々のマークがどんどん近づいていくのが面白い。



あちこち走って「日鉱記念館」に行く。
銅山に支えられて日立が始めた事業のようだ。
地下にはアリの巣のように坑道が広がっており、地中深くまで広く続いている。
事故も当然多かったことだろう。
日本の銅産業を支えてくれて、ありがとう。
マスコット人形の「カッパーくん」(銅=copper)にせいうちくんがロビーに響き渡るように大声で笑い、身をよじっていた。
よほどツボだったんだろう。

夜は道の駅きつれがわで温泉に入る。
1人700円だったが、Gくんは「前に見た時は500円だった。いきなり4割の値上げはひどい」と諸物価の高騰を嘆いていた。
サウナや露天風呂もあり、水風呂が冷たくて気持ちよかったのでヨシとしよう。
地元の人が「米が1俵でいくら」的な話をしていた。
おおう、今でも生産地では米を「俵」で数えるのか。
こういう地元話が大好きなので、コロナ中の「黙浴」があまり厳しくなくなったのは嬉しい。
露天風呂に浸かってずっと世間話を聞いていたい。

夜はクーラーボックスの保冷力が限界近くなっていて、2つ残っていた冷凍うどんも少し茹でうどんみたいに柔らかくなり始めていたので、Gくんと私はたぬきうどんと天ぷらうどん(Gくんは我々が持ってきた天かすでいいと言ったが、私はスーパーで天ぷらを仕入れておいたのだ)。
やっぱり食事の時などに頭がつかえてつらいので、明日、どこか公園の駐車場かなんかでベッドキットを組み直して高さを下げ、上段に3人で寝て下段は物入れにしよう、と結論づけて今日はおしまい。

せいうちくんはくたびれて早々に寝てしまったが、Gくんと私は22時からの定例ZOOM飲み会に参加した。
長老が「お~、車中泊中じゃ。今、どこにいんの?」と聞いてきた。
Gくんが詳しく答えていたように思う。
無事に旅を続けていることとせいうちくんが寝てしまったことだけ伝えて、私も車後部に頭を向けてすでにせいうちくんが入っている2人用寝袋にもぐりこむ。
途中でGくんが徒歩2本ほどのローソンにビールの追加を買いに行く間だけ、もぞもぞ出てきて代理を務めていた。
今夜の参加者は長老とSくんだけだった気がする。
最後の方にUくんが来たっけ?
睡眠薬をのんだあとなので、記憶が混濁していて思い出せない。

24年4月20日

朝は7時に起きて、それでもG軍曹からは「起こしても起こしてもいつまでも寝ている奴らだ」と呆れられた。
だって、「起きるぞ」と言ってから「わしは1時間ほど散歩をしてくる」と言われたら喜んで二度寝するじゃん、普通。
最後、「もう出発するぞ」と言われるまでは半覚醒が基本だ。


少し雨が降っていたので朝カラに行く。全国どこでも「まねきねこ」。
6時間ぐらい歌ったのかな、全員喉が枯れて狗巻棘くん状態になっていた。
でもJOYSOUNDだから曲数が多くて、60歳の男性陣は知らないような「愛しのマックス」とか「ナオミの夢」(ヘドバ&ダビデ)とか歌えてよかった。
アニメ縛りでないカラオケもいいもんだ。
それでもGくんが歌う歌の歌詞に「ルビー」「アクア」「嘘」「アイドル」という言葉が入っていて、昨日まで赤坂アカの「推しの子」を読んでいた私は「それって『推しの子』の歌?」と聞いてしまった。
アニメのOPだそうだが、YOASOBIであることまで全然知らなかった!

カラオケ後は雨も上がって、「大谷観音」のある山を元気な男性陣はぐるりと回って向こう側にある観音像を見てきたらしいが、膝の痛い私は車でお留守番。
大谷石の採掘場も見てきたみたい。



ところどころに小さな森があると「これは古墳では!」とせいうちくんが興奮して眺めに行く。
小さな丘状の古墳には石室の入り口もあったらしい。
そんなに古墳が好きならもうちょっと何か調べ物をしろよ、と思うが、「それはまだまだこれから」なんだって。

私も見に行ったのは「世良田徳川博物資料館」。
新田氏の肝煎りなのだろうか、源氏から新田氏がドーンと別れたのを中央に置いた家系図をもとに話が進む。
日本史と世界史は徹底的にサボってきたので、何時代のなんのことやら。
でも最近の展示館はよくできていて面白い。

せいうちくんが地図上で見て行きたがっていた「天神山古墳」は、実は「古墳跡」であり、現在は中学校のグラウンドになっていた。
不審者のように金網に張りついて、サッカー部の練習風景を見ることになったせいうちくんは少し気の毒。
グラウンド外の道端に「天神山古墳跡」と書いた杭があった。
「まあまあ。野球練習場のマウンドの盛り上がりが古墳かもしれないしさぁ」と慰めた私の元ネタがわからない人はよしながふみの「フラワー・オブ・ライフ」の「甲子園古墳」部分をご一読ください。

夜は道の駅(名前忘れた)。
お風呂がないので駐車場もすいていたと思う。
というか、夜中に数台しかおらず、朝になったら我々の車だけになっていた。
こういうのもなかなか怖い。

24年4月21日

車中泊4日目の今日は、何をしたかメモを取らなかったので全然覚えていない。
写真を見ると、どうやらどこかの文化センターと世良田東照宮を見たようだ。
日光の東照宮との関係や天海上人のことが展示してあった。
旅に出ると主に歴史のお勉強をして帰ることになるなぁとしみじみする。

夜は道の駅赤城の恵に停めて「あいのやまの湯」に入る。
温泉代は相変わらずやや高い700円だが、ここもサウナと水風呂と露天風呂が充実していてよかった。

24年4月22日

雨模様だったので朝からカラオケ。4時間ぐらい歌ったかな。
トイレに行っている間にGくんの歌う泉谷しげるの「春夏秋冬」を聞き逃してしまったらしい。
せいうちくんによれば「実に無頼な雰囲気で、Gくんにぴったりハマる」んだって。
今度また機会があったらリクエストしてみよう。
GくんはJOYSOUNDよりDAMがお気に入りだが、それだと曲数が少なくて同じN.S.P.でも全然入ってない。
次はまたJOYSOUNDで歌いたいなぁ。

前半はくたびれて声が出なかったが、後半はけっこう気持ちよく歌えた。
ちょうど調子が出てきた頃に終了で、少々残念。
やはり午前早くは薬が身体に残っていて肺も声帯もぼや~っとしてるのかもしれない。



午後は富岡製糸場へ。
ちょうど佐々大河の「ふしぎの国のバード」を読んでるところだったので、日本が近代化して西欧に追いつこうとしている気概がよく理解できた。
産業立国、大事。
工女1人につき1つの機械が据えられ、目の前に繭を茹でる窯と湯に取った繭から糸を引き出して繰り機で繰り取っていく。
確か25台ずつがシャフトで連結され、蒸気で回転する仕掛けが何列も並び、全体では600機が動いていたらしい。
糸が途切れたり次の繭を取るタイミングが遅れたりしても糸繰り機は動き続けてるわけだから、熟練してない女工は焦ったろうな。

湿度の高い日本で糸がくっつかないようにまず小さな繰り機で巻き取り、それをさらに大きな繰り機にかける伝統的な工法がそのまま生かされている。
そのため、フランスでは時代遅れになって中古で安く手に入った繰り機を導入できた、ってとこが面白い。

別の棟には昭和60年まで動いていた最新式の自動繰り機が並んでおり、100機ほどを1人で管理していたという。
昔のミシンを思わせる、精密な造りだ。
繭から糸を繰り、途切れ目を継いでいく実演が行われていたのも興味深かった。

ところで毛皮を残酷だと嫌う動物愛護団体は、蚕を成虫になる前に殺して、茹でて糸を取る絹糸生産をどう思っているんだろう。
機会があったら聞いてみたい。
糸を取り終わって半透明の膜に包まれた感じの蚕の頭をぽいぽいっと脇の器に捨てていく手さばきを見てそんなことを思った。

昔読んだ市川ジュンの「陽の末裔」は綿紡績工場に売られていく女工の話だったが、富岡製糸場はそんなイメージが吹き飛ぶほどきちんと運営されていたイメージだ。
それでもやはり、「女工哀史」はあったのだろうか。
責任者に選ばれたフランス人が既婚者だったのは、若い娘さんたちの寮があるからとかの配慮もあったのかしらん。

熱心に見学し過ぎてもう16時頃になっていたのでそのまま泊地に向かうかと思ったら、せいうちくんは1985年に日航ジャンボ機が墜落して死者520人、生存者4人という大事故の慰霊碑を見に行きたいと言う。
ここでの道選択は大いにもめ、細すぎる山道をどんどん行くせいうちくんにGくんが文句言ってた。
私は、広めの道で路面に凸凹が作られており、速度50キロで走ると「ひなまつり」の曲が響いてくる場所がとても気に入った。
みんなで守ろう、制限速度。

山の上の方に、慰霊碑はあった。
Gくんも「こんな広い場所で、立派な慰霊碑が建っているとは」と驚いていた。
彼が前に見たのは道端の小さな道祖神のようなものだったそうだ。
それはただの目印だったのでは。


いろいろ複雑な思いにとらわれながら、神妙に手を合わせてきた。
坂本九が失われたのが一番痛い。命に貴賤はないのだが。
あと、墜落するまで時間があったので家族あてのメモを残したお父さんもいたな。
自分が今、そういう局面を前にしたらそれほど落ち着いていられるか自信はない。
ただ、せいうちくんと一緒にいることを願う。

夜は道の駅「両神温泉薬師の湯」。
Gくんが「明日帰るんだったら、わしは風呂はいい」と言うので我々だけ入りに行ったが、広い浴槽の内湯しかなく、小物置き場のラックがないとか髪を乾かすドライヤーはかろうじてあったが椅子がない、というようなしょぼいところであった。
これで700円取るんだから、入らない選択をしたGくんの勝ち。
もっともここまでGくんの厳しい選択眼によってより抜かれた「いい温泉のある道の駅」にばかり停まってきたせいで無駄に目が肥えてしまったのかもしれない。
GWの名古屋・金沢行きは自分たち2人だけで行くので、Gくんの知恵と経験にすがるわけにはいかないから、頑張って下調べしたいところだが、時間がなさすぎる。

早寝して、明日は5時ごろ出て帰ろう、となり、さっさと就寝。
私だけiPad Proでマンガ読んでた。

この旅の間中、いろいろ話をして、Gくんはとにかく「予定を立てる」のが大嫌いだとわかった。
「その時、ヒマだったら行くとか、気が向いたら行くとか、そういうのでいいじゃないか!なんでおまえらはそう予定を立てたがるんだ!」と怒られたが、せいうちくんに「仕事」という最大の予定があり、私にも「通院」というやや緩い予約の予定があることを思うと、ある程度準備しておかないと旅はできない。
そこんところは生活感覚の違いであろう。

そんなGくんも夏に計画している3人での北海道車中泊のためのフェリーが、予約のとれる2か月前になったとたんにどの船も予約が入り始めて残室△とか×とかが多い、という現実の前に多少うろたえていた。
帰ったらどの航路を取りたいか考えて、予約を入れよう。

旅の総論としては、Gくんが「せいうちさんは地図が読めない!」と断じていた。
まあ、おんなじところに戻ってしまって2回消防車に阻まれるとか、曲がるところを間違えるとか、枚挙にいとまがないので、その通りなのだろう。
日頃彼から方向音痴扱いされている私としては溜飲の下がる思いだ。
私が怒りっぽくてせいうちくんが可哀そうか、それとも私の言うことに分があってせいうちくんがだいぶアレであるか、と聞いたら、「どっちもどっち。横で聞いてて話がかみ合っていない」のだそうだ。
せいうちくんが案外ムッとしやすいことはGくんも認めてくれて、これもよかった。
旅をすればするほど、基本的に安定しているGくんの人柄に感心するばかりだが、「すべての道の駅に『車を乗り入れ』てはみたい」とか「通る道はなるべく変えたい。地図を塗りつぶしたい」と言った鉄ちゃん属性からくると思われるこだわりは強い。
互いに異文化を理解しつつの旅をこれからも続けていきたい。

24年4月23日

朝早く出発して、家に着いたのが8時。
なくしたと思っていたヘアコンディショナーのチューブは車の中に転がっていたが、片耳外れてしまったピアスは細かすぎたのか発見できなかった。
Gくんが車を出して去って行ったのち、猛烈な勢いで荷物を家に運び入れ、整理する間もなくせいうちくんは8時半からのリモート会議に入った。
結局その日はほとんど仕事していた。
私はここぞとばかりに昼寝。

夕方に仕事が終わったせいうちくんが買い物に行ってきてくれて、次の旅までの三日分の晩ごはんのメニューはステーキ、ピザ、ステーキという雑なもの。
買い物し過ぎるとGWの期間中いないのに、余っちゃうからね。
さっそく今夜は炒めたナスとピーマンとえのきをたくさん乗せたステーキ。
最近、お肉が食べたいんだよね。
身体が筋肉の不足を訴えているのかしらん。

24年4月24日

疲れがどんどん浮いてきている。身体が重い。
薬の量が減って、自分の身体感覚が戻ってきているのかもしれない。
まだまだ薬が多いので、身体中に負担がかかりだるいのが自覚できるようにはなっても重いのは変わらない。
まあ、まず体重を落とせって話だが。

最近、Amazonさんがやたらに稲垣理一郎×Boichiの「Dr. STONE」の27巻を薦めてきており、「もう終わってる作品なのに、なぜ今頃最終巻の宣伝を?」と訝しがっていたのだが、マンガ友達のミセスAから教えてもらって初めて知った。
「本当の最終巻」として新巻が出てたのだった。
さっそく夜中に注文したら今日の夜に届いた。
もちろん第1巻から読み返す。
うーん、「Dr. STONE」ってこんなすごい話だったのか。
息子に知らせてみたら「まだ読んでないんだ。読んでみるよ」と返事があった。
中高と理科の授業で習ったことが様々に甦るが、もちろん全然ついていけない。

稲垣理一郎は今、池上遼一の「トリリオン・ゲーム」の原作を書いていて、ギャグの入れ方が驚くほど「Dr. STONE」に似ている。
原作はここまで絵に影響するものなのか。

24年4月25日

明日からまた車中泊の旅に出る。
混雑嫌いのGくんは「わしはGWには絶対行かない」と言っているので、せいうちくんと2人旅だ。
夜、仕事の終わったせいうちくんがGくんちに置いてあるキャラバンを取ってきてくれるので、そのまま出発し、夜のうちに中央高速で名古屋にアプローチし、名古屋手前のSAで寝る予定。
翌日は名古屋駅前のトヨタ技術記念館を見て、中学時代の女友達Cちゃんの家の近くで「味噌煮込みうどん」を食べる。
それからCちゃんと会って、彼女の自慢の愛車、レクサスで豊田市のトヨタ博物館を見る。
そして市内に戻って、我々の車に乗り換えてCちゃん行きつけのイタリアンレストランで夕食を食べ、飲まない私が運転してCちゃんを家まで送り、そのまま岐阜の道の駅を目指す。
往路はずっと夜の運転になるので仕事で疲れてるせいうちくんには今夜もできるだけ早く寝てもらったし、なるべく私が運転しよう。

石塚真一の「BLUE GIANT」全10巻で始まるシリーズを読み返している。
主人公の大(ダイ)は世界一のジャズサックスプレイヤーになるために地元でバンドを組み、第二部の「BLUE GIANT SUPREME」全11巻ではドイツに行って新しいバンドを組む。
第三部の「BLUE GIANT EXPROLAR」ではNYに渡り、また新しい挑戦を続け、今は第四部の「BLUE GIANT MOMENTUM」が始まったところ。
第三部の途中までしか読んでなかったので、最初から追っかけてる。
息子が「世界で一番面白いヤツに会いに行く」と言ってNYに行ったのはこのマンガの影響が大きいんだろう。

「ジャズバンドは流動的で、同じメンバーでプレイし続けることはない」と描いてあり、息子のコントグループがずっと続きますようにと思っていた自分の考え違いに気づいた。
彼がNYで拾ってきたインプロコントを続けていくとしても、その時々でいろんな人と組むかもしれない。
「妻のMちゃんを例外に、基本は芸事と自分が対峙する世界なんだね。最後は1人なんだ」とメッセージを打ったら、「そう、最後は自分1人」と返ってきた。
やっと息子のことが少しわかった気がする。
私は変わらない夫や友人たちと楽しくやっていきたいし、誰とも離れたくない。
自分の裡に芯のあるタイプの人間はそうではないのだろう。

ちなみに昨日薦めた「Dr. STONE」を読み終わりかけてる息子から、「ものすごく面白いね!」と感想が来た。
大元はミセスAに教えてもらって読み始めたジャンプマンガだ。
子供のいる家庭で読まれるマンガは、これはこれで興味深い。
自分だけだったらたどり着けていなかったかも。
その後も「鬼滅の刃」とか「呪術廻戦」を積極的に読んでいる。
「呪術廻戦」は面白すぎて、YouTubeの「呪術廻戦ちゃんねる」ファンになって毎週見てしまってるほどだ。
面白いマンガがたくさんあって、幸せ。

24年4月26日

せいうちくんが出社したので、昼間のうちに図書館に行き、すっかり忘れていた金沢の案内本を探して3冊ほど借りてきた。
一応これで道中に見どころなどを探しながら行こう。
何しろ名古屋以降の予定はワタシ的には全然決まってないのだから。
せいうちくんが温泉つきの道の駅を調べておいてくれてると思うんだが、初日の夜、名古屋に向かう中央高速の名古屋直前とその前のSAぐらいは調べていると思ったら、言われるまでまったく考えてなかったってさ。
だって、名古屋に近い方が朝動きやすいけど、通り過ぎてしまったら困るから、SAをいくつかピックアップしておくもんじゃないの?
アタマに来て自分で調べたけど、せいうちくんは絶対どこか頭のネジが抜けている!

お菓子も買ってきたし、Cちゃんへのお土産にドラマ「不適切にもほどがある」と「おっさんのパンツがなんだっていいだろう」と「グレイトギフト」を焼いたDVDも持っていく。
後者2つはどうせDVDが余るから入れたが、阿部サダヲ主演の「ふてほど」は日ごろテレビを見ないCちゃんも世間の噂ぐらいは聞いていたらしく、「これで時流について行けるかしら」と楽しみにしてくれている。

ああ、疲れて眠い。
今のうちに寝ておこう。
働いて車取りに行って運転して帰ってくるせいうちくんに運転を任せるわけには田舎いからなぁ。

ちなみに今回の車中泊での負傷は、
1. 車から降りる時に横がコンクリ枠の芝生になっていて高さがあって降りやすいはずなのに、なぜか前向きにべたっと転んですねをコンクリに打ちつけたアザ。
2. 夜中にトイレに行くのにせいうちくんを起こし、寝ているGくんの横をそっと通り抜けて車を降りたら、せいうちくんが来る前にスライドドアが自然に閉まり始めたので音でGくんを起こしては大変、と思わず手で止めようとしたら手の甲を真上に向けた状態で両横からサンドイッチ状態に挟まれたのが痛かった。
これは帰った当日に整形外科に行ったら一応レントゲンは撮られたが、骨に異常なしとのことで、紫色に腫れ上がった手の甲に貼る小さなシップをもらった。

なかなかケガなしには帰れない車中泊である。


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