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春
2022年5月27日 22:36
泣くとき、理屈で泣く。感情による動作ではなくて、理性による。涙の流れ道にははじまりの点とおわりの点、すなわちできごととそれを受けとめる気持ちとの二点があり、あたまのなかに浮かぶそれらの点のあいだに、意図的にせよおのずからにせよ言葉の筋道ができた瞬間、二点を結ぶ軌道で涙は流れます。古くからある喫茶店の女将の話を聞いても、幸せについての問答をしても、どの昔話にうなずいても、ゆくえのなさがかなしかっ
2022年5月26日 12:24
(こどおじという略語が既にあり混同される可能性もあるためおじさんこどもという複合語を用いています)おじさんこどもになってしまいました。赤ちゃんのような見た目を奇跡的に保ち続けることによりかわいいおじさんというものも理論的にはありえるのですが、かわいいおじさんはかわいいおじさんであって、おじさんこどもではありません。外見についてそう呼んだ別の概念です。(話は逸れるが、
2022年5月13日 10:56
なら、雨になりたいよ。ふりそそぐ。しみる。音になる。夢を見るとき体なくなる。いつまでも泣くな窓。ぼくはとっくにあきらめたのに。そしてとってもたのしいよ。きっと慣れるし、無音ではない。いとしいものたちはめぐりめぐって還る。窓になり、雨になり、土になり、生きつづける。まだ体のある者たちは景色にとけこんだいとしさたちを感じ歌い踊る。体をうしなった者たちも雨となり、
2022年5月20日 18:59
むかしから有名だというパン屋に入るとむかしから生きている人たちが狭い店内にぱんぱんでパンとパンのあいだでパンを選んでいる。パンのショーケースは店の奥までつづいており、その向こうがわに五、六人パン売りびとが横並びにいて、パン買いびとたちがパンを指さしながらパンの名前を言うのを待っている。なにがいいかときかれ、カレーパン、桜、栗と答えた。一緒に歩いてきた人は右から二
2022年5月19日 11:14
なにあれ、なんか申し訳ございませんとかゆってる。ロータリーを見下ろすとバス側面の液晶に行き先ではなく、「申し訳ございません」とだけ。なにが……?こういった言葉だけで半日笑う。どちらかというといつもぐずぐずしてますが、わらいのつぼというものあり。一緒にいるひとがわかってくれたらうれしい。わからない人もいるからね。バスで笑いたい。コスパいい笑い。このわかるひと、わから
2022年5月9日 18:16
部屋の掃除した。毒の雨だよ。医療器具を買った。おふろ何日入ってない?血は止まった?かなしいよね。自分の悪いところばかり思いだしてしまうことあるよね。逆のときもあるよね。他人の悪いところばかり処すいきおいで恨んだり。かわいいもののことがたまに憎たらしいよね。一緒に新しい東京を作ろうね。スタンプも作ろうね。podcastやろうね。最近左目がなんかへんなかんじ。胸もなん
2022年5月5日 11:15
方向のわからない私はずっと知っている町にさえ迷ってしまいます。知らない道に突入すると急に不安になります。深夜、さびついた自転車の鎖のきしみだけある。住むための場所のあいだに大きな道。車道は透明な防音壁で区切られています。なんとなくこの道をくだれば我が家という気がし、こいだのですけど、こげどもこげども壁。だんだん気がへんになる。まよいこむという言葉の通り、異次
2022年5月4日 11:52
摘みとりたがる指が怪我をすることはなくなってきたとおもう。すべての人に笑っていてねとしか思わなくなったから。笑っていてほしい。すべての人にそうとしか。もうなにも求めない。見たり聞いたり触れてすぐ好きになったし、影響したいし、じぶんになってほしいとか。わたしと反対のことをいう人は嫌いになったし、痛めたいし、なるべく泣いてほしいとか。そういうものたちは時間に希釈されまし