笑っていてね

摘みとりたがる指が怪我をすることはなくなってきたとおもう。すべての人に笑っていてねとしか思わなくなったから。

笑っていてほしい。
すべての人にそうとしか。
もうなにも求めない。

見たり聞いたり触れてすぐ
好きになったし、
影響したいし、
じぶんになってほしいとか。
わたしと反対のことをいう人は
嫌いになったし、
痛めたいし、
なるべく泣いてほしいとか。

そういうものたちは
時間に希釈されました。
体がだんだん老いてゆくのと
おおかた同じスピードで
ゆっくり丸くなりました。

あきらめのような形の偽善でも
私にはぴったりだからと
今日も着る。
咲いてとおくで揺れるのを
ただ見て満ちる朝を待つ。