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いまさらかんさい2話

わたしは若干ひねくれているので、「そうだ、京都行こう」なところを「そうだ、兵庫行こう」にすることにした。

有川浩の小説の舞台になった電車に乗ろう、というの始めから決めていた。Yahoo!乗換案内で調べると大阪駅から電車に乗れば30分と少しで行けるらしい。兵庫近いな!!と驚いた。

ちょっと話は逸れるけど、大阪の駅で面白かったのが電車を案内するための看板に「京都」とか「兵庫」とか、ざっくりした方面が表示されているところ。東京でも「埼玉」とか「千葉」と書かれていてもよいのに、特に駅で見たことはない。「兵庫」の表示を見ると「わたしはこれから兵庫に行くんだ」という高揚感が出て、大変よかった。

さて、あらためて乗換案内を見ると、梅田から西宮北口(「阪急電車」曰く西北)までは阪急神戸本線に乗り、西北から目的の小林へは四駅だという。

四駅。

突然だけど、わたしは2018年の春あたりから、一駅分を歩くことにハマった。たまにそれが二駅になったり、別の路線の駅まで歩いたりすることもある。

A駅からB駅まで歩く、というのがマイブームになっていたのだ。

駅から駅へ歩いていくと、その変化が見えて面白い。その街の看板はその街で掲げられるためのもので、その街を歩く人はその街のための格好をしている。それを見るのがとても楽しい。

そして、その楽しみを覚えてから暫く経った頃にはGoogleマップで「徒歩50分」と出れば「行ける」とジャッジを下していた。

四駅といっても、その路線によって一駅分はまちまちである。気になって西宮北口駅から小林駅までGoogleマップで検索すると、徒歩で「1時間8分」と出た。

行ける。いままで30〜50分くらいは余裕で歩いてきた。あと20分は誤差の範囲だ。

その日はお天気がよく、時間がたっぷりあったこともあって、当初目的としていた阪急電車今津線(小説はその路線が舞台)になぜか乗らず、その線路沿いを歩く計画に急遽変更した。

阪急電車は帰りに乗ろう、と思った。

行き当たりばったりのひとり旅そのものだなあと14ヶ月経ったいまあらためて思う。

次回、50分歩く編です。

そして、トップの写真は、「東西南北が入り乱れてるなあ」と思って撮った写真です。

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