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いまさらかんさい1話

夜行バスに乗ったのは初めてだった。

朝出発の高速バスに友人と乗ったことはあったけれど、夜発・朝着のバスに、たった一人で乗ることへの緊張とワクワクで興奮していた。サンシャインのエレベーターで自撮りした変なポーズがその興奮を物語っている。

着いてすぐ大阪のどでかいショッピングモールに入り朝食を取れる場所を探した。たしか、朝の7時くらい。お店は当然どこも開いていなくて途方に暮れていたら、並びの端っこの方にフレッシュネスを発見。そのときはオアシスに見えなくもなかった。

大阪へ来てフレッシュネスを頼むことは若干残念に感じながらも、毎日たこ焼きを食べたいとも思ってなかったのでまあ、いいか、と注文したサンドを齧った。

食べ終えて、今日の計画を確認する。店内にはわたしと店員2人しかいない。

大阪へ来たひとつめの理由は、中学の友達に会うため。普段東京にいるその友達は、職場の都合で大阪に1ヶ月滞在していた。1ヶ月すればまた東京で会えるわけだけれど、なんとなく大阪で会ってみたかったのだ。ふたつめの理由は、単純にゴールデンウィークに遠出をしたかったから。

友達と会うのは夕飯時。ゲストハウスのチェックインは17時。まだまだひとりの時間はたっぷりある。

5月1日、ゴールデンウィークの真っ只中の大阪に放り出されたわたしは、どこへでも行ける自由とさみしさを存分に味わっていた。朝7時のサブウェイで。

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