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見えないもの

読者のみなさんは、「目に見えないもの」というと何を想像するだろう。
お化け、心、電波、空気、呪い、電流、三途の川…等、色々あると思う。
本記事は、昨今では当たり前の様に普及しているインターネットやITの技術について以前からモヤモヤしている目に見えないもの」についてを述べていこうと思う。

■インターネットについて
インターネットと言うより、「ネット」と言う方が主流になっているけど、意味を簡単に言えば、世界中で通信機器同士が繋がりあっている状態の事。それを網の目状に例えてネットというわけだ。
もっと詳しい事を知りたい方は、Wikipedia等を参照するといい。

ところで、読者のみなさんが閲覧しているこのページも、当然ネットの技術を利用して閲覧しているわけだけど、どういった仕組みで閲覧できているのかを知っている人は、PCやスマホを隙あらば手に取っている現代人でも、意外と少ないのではないだろうか。

ちょっと、待って!

今、IT技術の小難しい内容を読まなければいけないと思って、ページを閉じようとしている、あなた。そう、あなた
どうか、もう少しお付き合い頂けないだろうか。IT技術をお伝えするのが本記事の趣旨ではないので…。

とは言うものの、本記事の趣旨に辿り着くために簡単に説明をさせて頂く。
今、あなたが自宅のPC(光回線を使っている場合)でこの記事を見ている事を前提に図で表すと、以下の様になる。

自宅PCからサーバへのアクセスの流れ

シンプルに言えば「PCからサーバ(noteのサーバ)にページが見たいと要求して、サーバ(noteのサーバ)が、応答してPCに画面を表示させる。」という感じ。IT業界に関わる方は、TCP/IPについて語りたくなるかもしれないけど、本記事では触れない。

■デジタルとアナログ
みなさんはこの言葉を知っているし、実際に使っていると思う。

「おれって、アナログ人間だからさ〜」

「やっぱ、アナログの時計もいいけど、Apple Watchみたいなデジタルな物にも憧れるよね」

このデジタルアナログの本来の意味を分かって使っている人はどれだけいるだろうか。本来の意味は簡単に言うと下記の通りである。

デジタル
0と1だけで構成されるデータ

アナログ
電気信号みたいなもの(電流や電圧)

シンプルに伝えすぎて、専門分野の方に叱責されそうなので、もっと詳しく知りたい方のためにWikipediaのリンクを貼っておく。

もう一度、先ほどの図を参照してみる。

自宅PCからサーバへのアクセスの流れ

PC内で、ブラウザを開き、本記事のURLやリンクをクリックして、サーバへ閲覧するデータの要求を出す。
この時PC内部では、要求をデジタル(0と1で構成されるデータ)からアナログ(電気信号)に変換する事象が起こっている。アナログ化されたデータが①で、自宅にあるルータ(四角い箱みたいな物)に送られて、ルータは光通信をするためのデジタルデータに変換する。ルータから外に出されたデジタルデータが②。その後、様々な通信設備を経て、デジタルデータ③が、サーバ側のルータに送られる。サーバ側のルータアナログに変換したデータ④が、サーバに送られる。サーバ内部アナログデータデジタルデータに変換されて要求を受け付けたら、応答としてデータの送信を【①→②→③→④】と同様の流れで【⑤→⑥→⑦→⑧】というプロセスを経て、PC内で、アナログをデジタルに変換してブラウザ上に、本記事が表示される。

※DNSや3ウェイハンドシェイク等、詳しく説明すればキリがないのでここでは割愛する。

結局、ごちゃごちゃな文章になってしまって申し訳ないが、要するに本記事を閲覧するために、データがデジタルやアナログになったりを繰り返す事だけでも伝わってくれれば幸いだ。

■「目に見えないもの
ITエンジニアや光ファイバーの施工の職に携わっていた僕は、上記の内容はある程度理解していると自負している。しかし、正確に言うなら「概念を理解している」といったところか。

実際にアナログデータやデジタルデータが目に見えない。

「いやいや、アナログデータも周波数のデータで見れるし、デジタルデータだって、例えばPCやサーバにログインして見ようと思えば見れるよ」
こういう事を言う人もいるかもしれないが、僕にとってそれは機器を使って可視化しているものに過ぎない。僕が言いたいのは、「実体」なのだ。
アナログが電気信号なら、電流が目で見えない

話はそれるが、電気的なものを目で見れる瞬間はある。例えば、雨が降っている時に、たまに、電柱の高圧線や電車のトロリ線が、一瞬バチバチという音を立てながら光る瞬間だったり、雷だったり。でもそれすらも一瞬見えるだけ。

アナログ電話もそうだけど、話している声が電流に変換されて、遠く離れた人と話せる。これも、電流が流れている様子が目で見えるわけではない。
子供の頃、糸電話(電流を使ってないから電話ではないような気もするが)を作って遊んだ事がある。2つの紙コップを糸で繋げて会話をする。これは、糸が振動しているので目に見える

デジタルにおいては、もはや目で見るなんてほぼ不可能だろう。パソコンやサーバやネットワーク機器を開けて、中身を眺めても目に見えることはない。

■最後に
目に見えないものとして、デジタルデータアナログデータの事について触れてきたが、電波もその一つだ。5Gの電波が人体に悪影響を及ぼすと主張する人々や、一昔前に、悪い電波が飛び交っているからそれから身を守るために、白装束をまとった宗教団体が現れたりしたのも、意外と笑えなかったりするのだ。

また、昨今は様々な業種がIT技術の進歩により自動化されたり、ロボットが代行してタスクをこなせるようになってきている。これも目に見えない技術の賜物なのだろうか。なんとも言えない不安みたいなものが込み上げてくる。今後も人々が従来こなしていた業務は、さらに加速度を増してAI化が進み、失業者が増えていくのは、エコノミストではない僕でも想像に難くない。

某レストランで、猫の可愛らしいロボットが料理を運んでいる様子を見ていると、たまに意識が遠のく自分がいる。



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