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自立ってなんだろう「海が見える家 それから」はらだみずき

こんばんは、となカエです。

一気読みしてしまいました。
心が弱りに弱ってて、しんどくて、本に助けを求めてるときに読みました。
大正解でした。
kindle unlimitedで読みました。

シリーズ1冊目の感想はこちら↓↓



作品内容

ロングセラー続編、いきなり文庫で刊行!

入社一ヶ月で会社を辞めた直後、田舎暮らしを始めた父の死を知らされた。文哉が霊安室で対面した父は、なぜか記憶とはまるで違う風貌をしていた。
家族に遺されたのは、丘の上にある、海が見える家。文哉は、遺品を整理しながら、父の足跡をたどっていく。すると、意外な事実を突きつけられていくのだった。

豊かな自然が残る南房総の暮らしを通して、文哉は自らの人生を見つめる時間をすごしていた。そんなある日、元彼女からメールが届く。
果たして、都会を捨て、田舎に逃げてきただけなのか? あれから一年。自問の末、文哉が踏み出す新たな一歩とは?

幸せのあり方を問う感動のロングセラー続編、いきなり文庫で刊行。

amazonより


感想★ネタバレあり★

1冊目は、「ここで頑張ってみようかな」って感じでしたが、
この2冊目は「自給自足で頑張ってみる。自立するんだ!」って感じ。

都会っ子の主人公が、そう簡単に自給自足できるわけもなく、挫折するんですが、ちゃんと周りに助けを求めるし、自分も助ける。

しんどいときに助けを求めるのって大切。
なかなか出来ませんからね。

父親からの事業《別荘の管理》を主として、収入拡大を模索するのですが、そのときに色々周りの人から助言があり、それがまた核心をついてる。
自己啓発本や成功物語に通じるものがあります。
でも、押しつけがましくない。
普通に小説。
だから気を張らずに読めました。

例えば、《別荘の管理》契約者の1人、老後を満喫中の寺島さんのセリフ。

「いいかい、金はあるところからしかとれない。気持ちよくとってやる、これが賢い商売の妙ってもんさ。」

「現状に甘んじてはいないと思うけど、常に挑戦する姿勢を持って生きたほうがいい。その方が人生はおもしろい。

「海が見える家 それから」より

こんな感じで、さらっと小説にでてくる。
しかも、主人公は大成功を求めてるんじゃない。ただ自分が生きていける最低限の収入を求めて、自分ができることを探してそれを仕事にしていく。

自分が生きていく分だけ。
この身の丈に合う、背伸びしてない目標が心地いい。

この寺島さんの所有してるボートに仕事として乗ったけど、『船酔いで役に立たなかった』と恥じている主人公と、寺島さんとのやりとりがある。
その主人公が報酬(現金)の受け取りを「自分は仕事してないので」と断るシーンで、寺島さんがこう声をかける

「そのプライドっていうか、意地っていうのか、そういうものを示せる人間は、年齢に関係なく少なくなった。大事にした方がいい。」

「海が見える家 それから」より

ここ。好き。
ここのシーンは良いよ本当に。
なんというか、主人公の仕事への意識というか、これからが期待できるというか、それが感じ取れる。見習いたい。

釣りのシーンで出てくる《シイラ
あつ森(あつまれどうぶつの森)で聞いたことあるなぁと、思って検索したらやっぱり出てきた。

あつまれどうぶつの森より

ハワイでは“マヒマヒ”と呼ばれてて、高級魚。
一方、日本では「昔は万匹も釣れた」から別名“マンビキ”と言われ、現在もほぼ取引価値はないらしい。
しかもさらなる別名“シビトクライ”とも言われ、忌み嫌う地域も。
魚って色んな呼び方あって大変。
地域・国によっては嫌われるってのも、有名どころだと“タコ”とかそうですよね。

野菜を食す場面も、なんとも言えず美味しそう。
野菜が食べたくなります。

最後に、この本のテーマと思ってる箇所を引用しておきたいと思います。

「自分の人生がおもしろくないなら、なぜおもしろくしようとしないのか。他人にどんなに評価されようが、自分で納得していない人生なんてまったく意味がない」

「海が見える家 それから」より

人生、楽しく、面白く。
大切だけど、忘れがちになってしまうこと。


まとめ

今回は、別荘の人たちや地域住民たちとの交流が書かれていて、人間味あふれる主人公に惹かれました。

釣り、畑仕事など色々なことを色々な人が教えてくれ、主人公も自分ができる事をしていきます。

なんなら骨とう品の話もチラッとでてくる。

なので飽きずに読めました。

仕事に、都会に、人付き合いに、疲れた方は一度お試しあれ。


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この本読んでたら、野菜が食べたくなる。

ここまで読んでいただき有難うございます。 少しでも良かったと思ったり、これからを応援頂けるようでしたらサポート頂けるととっても嬉しいです。 いただいたサポートは私の生きる糧(心と体の栄養)となります。