シャレ

Non designer's デザイナー就活のすゝめ


僕は4月から20卒として
まっっったくの未経験からデザイン領域の会社で
UXデザイナーとして働く予定です。

・未経験からデザイナーってなれるの?
・美大出身じゃないと厳しいのでは…?
・ポートフォリオとか意味わからない…

僕も当初、デザイナー職に対してこんな印象を抱いていたのですが、
たまたま取ってくれた会社の価値観が特徴的なのもあり
未経験の僕も加わることとなりました。


僕は、本当に縁があって、デザイン領域/デザイナーにたどり着きましたが
意外と多くの人が
「未経験だけど、デザイナーに興味ある…」
と思っているようです。

そこで、気になる疑問として
未経験(ノンデザイナー)からデザイナーを目指す人にも求められているものとは…?

これが分かってこそ、
デザイナーへの適性が分かり、より良いマッチングが成立するし、
ノンデザイナーからデザイナーを目指す人がどんな経験をするべきかが分かるのかなと思いました。


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デザイン思考

「デザイン思考」においては、先駆的存在であるIDEO、そしてその創業者デビッド・ケリーがスタンフォード大学に開設したd.schoolが有名です。

そしてこの図が、そのd.schoolが提唱している
デザイン思考を成立させる5段階のプロセスです。

1.共感:ユーザーを観察・理解し、”このデザインは誰のものか”を明確にする。
2.問題定義:さらなる観察や問題定義を繰り返すことで、解決するべき”根本的な問題”を特定する。
3.アイデア創出:問題を解決するためのアイデアを創出する。
4.プロトタイプ:アイデアを検証するためのプロトタイプを作る。
5.テスト:ターゲットとなるユーザーに向けて検証・改善を繰り返す試行錯誤によって、より良いデザインを生み出す。


このプロセスが絶対的ではなくて
ビジネスモデルやチームによってプロセスは異なるという前提ではあるものの、共通するところも多くあると思うので
今回はこのプロセスを参考にしたいと思います。

すなわち、このデザインプロセスを高度に回すことができる能力が、
ノンデザイナーにも求められている能力
だと考えます。

それを、具体的に考えていきたいと思います。


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僕は今回、上記のデザインプロセスを高度に回すことができる能力として
以下の4つをあげてみました。

①本質を捉える力:本質的なWhyを問い、言語化する力。
②インプットの量と質:アンテナを広範囲に張りながら常に最新で良質な情報を大量にインプットすることで、多様なアイデアを創出する力。
③仮説検証力:データにを収集・分解・整理し、論理を積み上げていく思考力と、早いスピードかつ正確な改善を回す実行力。
④チームで働けるか:
コミュニケーション能力・良いものを作るために多様性を受け入れつつ妥協はしない姿勢や心の強さ・ビジョンへの共感…


①本質を捉える力

これは特に、デザインプロセスにおける
1.共感・2.問題定義
において重要だと考えています。


そもそも、本質とは何か
これは個人的にはものすごい良い問いだと思っていて
これは、別のnoteでも考察しました…

このnoteでは
本質を捉える出発点は、良い問いを持つこと

だと主張しました。

すなわち、ユーザーやクライアントに対して良質な問いを持つことは
対象に対する深く本質的な理解・共感を促し、
より本質的な問題定義を可能にするということです。


「良い問い」という点において参考になる話として、
サイモン・シネックの有名な講義、”ゴールデンサークル理論”が有名です。

画像2

この理論は
”人は「何を(what)」ではなく「なぜ(why)」に心を動かされる。”
ということであり、
偉大な人や組織はwhyから始めて行動したし、人々に伝えてきた

というものです。

この理論でいうなら
より本質的な理解・共感を得て、問題定義ができる問いは「Why」
だということです。
すなわち、whyを問い、引き出し、言語化する問いの力が
ノンデザイナーに求められる力だと考えます。


また、ここで登場した言語化の能力も、本質を捉える上で重要だと思います。
なぜなら、問いは基本的に、「言語」によってなされるからです。

問いを持つこと自体は、幼い子どもこそよく備えているとも思えますが
人に伝え、答えを引き出し、共通認識を取るためには
問いを伝達させる言語が必要です。

そして、言語化の能力は、鍛錬によって備えることができます。
たくさんの言語を持っており、表現できることは
抽象的なものを具体的なもの
曖昧なものを明瞭なもの

にする武器になります。


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②インプットの量と質

これは特に、デザインプロセスにおける
3.アイデア創出
において重要だと捉えています。

アイデアの定義(ひいてはイノベーションなども)は様々になされていますが、「アイデアの作り方」という本で有名なジェームス・ウェブ・ヤングによるアイデアの定義に
”アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない”
というものがあります。

このアイデアの定義には
アイデアを得る方法が含まれていることが特徴的だと思っています。

すなわち、アイデアを創出するためには
1.既存の要素を増やし
2.今までなかった組み合わせをする
ことが必要だ、ということだと思います。


アイデアの掛け合わせ方は、そんなに種類はないかなと思うので
既存の要素を増やすこと、すなわちインプットを増やすことが
アイデア創出においては重要だというのが僕の考えです。

すなわち、アンテナを広範囲に張りながら
常に最新で良質な情報を、大量にインプットすること

デザインにおけるアイデア創出段階において、多様なかけ算をすることができる状態になっておくこと
これがまた、ノンデザイナーに必要な能力だと思っています。

*この点においては、実はノンデザイナーも有利な点があると思っています。
なぜならデザイン領域にいなかった分、異分野の情報やスキルの蓄積は
アイデア創出段階における、デザイン畑の人とのアイデアの差別化を可能にするからです!


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③仮説検証力

仮説検証は、デザインプロセスにおける
4.プロトタイプ・5.テスト
と近いプロセスだと考えています。

すなわち
1.データを収集し、それを元に検証・新たな仮説の提示
2.改善を行う
という思考のプロセスが共通しています。

そこで、ノンデザイナーにも求められるのは、
データに慣れていて、収集・分解・整理できる
データを元に論理を積み上げていく思考力があるか。
→上記2つが、いわゆるロジカルシンキングと言われるものかと思います。
*デザイン領域なら、定量/定性どちらのデータにも慣れていると良いのでしょう。
・上記を元に、早いスピードかつ正確な改善を回す実行力があるか。

こういった能力だと思います。
→これらは思考のプロセスなので、デザイン領域でなくても
自分のビジネス/研究/コミュニケーション/まずは人の話を聞くところから…
領域問わず経験ができます

しかし、領域は問わないからこそ
こういった思考の癖がない人には、デザイン領域にも向かないと思います。


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④チームで働けるか

これは、デザインプロセス全体におけるポイントだと考えています。

なぜなら、これらのプロセスを
デザインチーム全体で行うことになるからです。

そのプロセスは、コミュニケーションコストも相当大きいだろうけれど
めげずに、良いものを作っていくためには
相応の能力や姿勢が求められると思います。

具体的には
他人と考えや意思を疎通できるコミュニケーション能力・言語能力
違った考えを受け入れ尊重する心の多様性
・しかし、自分のこだわりや意思も伝えられる強い心
妥協せず良いものを作ろうとする姿勢
・それらを可能にする、組織のビジョンに対する共感・達成したい意志

これらが、「チームで働ける」といった言葉の要素たちだと考えています。


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以上、デザインプロセスから
ノンデザイナーからデザイナーを目指す人にも求められる能力
を考えてみました。

同じような境遇の人がいたら、参考になったら良いなと思い書きました。

とはいえ僕はまだ実務経験はなく、働いて分かる実感値や新しい発見もあると思います
なので働いてから!続編をまた書けたらなと思っています。


実際にデザイナーとして働いている人や、デザイナー職を考えている人などのご感想・ご意見など頂けたら、とても嬉しいです!

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