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新規獲得が頭打ちになる中、ナーチャリングで質の高い商談を獲得する方法【海外事例】

今回は、BtoBマーケティングで良くある課題として、顕在化した新規リードの獲得が頭打ちとなる中で、獲得した潜在リードのナーチャリングによって、質の高い商談を供給し続ける方法について、海外事例を紹介したいと思います。


これまで多くのBtoBマーケ部門のKPI=リード数

これまでのBtoBマーケティングでは、資料請求・ホワイトペーパーダウンロード・セミナー申込などのコンバージョンポイントを用意してフォームを設置し、実名化した見込み顧客の数(リード数)をKPIとして追いかけることが多いと思います。

一方、アメリカでBtoBスタートアップのマーケティングアドバイザーを務めるLeila Nazari氏は、2021年のマーケティングトレンドとして、

Many tech companies will finally abandon surface-level metrics, such as MQLs, that don’t tell them anything about the account’s quality or fit.
「多くのテクノロジー企業は、アカウントの品質や適合性の概念を含んでいないMQLのような表面的な指標を捨て去るでしょう」

と語っています。

引用元:2021 B2B Marketing Trends

リード増加≠商談数増加

日本でも、コロナによる不景気による購買検討期間の長期化(先送り)や、そもそもフォーム入力したこととプロダクト・サービスへの関心との繋がりが薄いコンテンツ・ウェビナーが増えたこともあり、実名化しても商談には中々繋がらず、実名化したリード数をKPIとして追いかけることの意味は薄れているのではないでしょうか。

これまでのマーケティング施策は、各施策が繋がりきっておらず、集客→フォーム→コンテンツ・セミナー提供、と単発で終わりがちであり、売上に繋げるためには、長期的な関係構築とリードナーチャリングのステップ・ストーリーの重要性が増しています。

海外事例:コンテンツをフル活用してセルフナーチャリングを促進し、商談化率を1.8倍に

アメリカ・マサチューセッツ州に本社をおく、RFP(Request For Proposal)への提案効率化SaaSのQvidian(現Upland Qvidian)では、リードジェンを強化した結果、特に自社サイト以外から獲得したリードの商談化率が大幅に低いことに課題を抱えていました。

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こういった温度感の低いリードに対して、商談化へのリードタイム短縮、商談化率の向上を目指し、コンテンツをフル活用したセルフナーチャリングの促進を行っています。

具体的には、これまで獲得したリードに対してMA(マーケティング・オートメーション)を使って送っていたリードナーチャリング用のメールにおいて、単一のホワイトペーパーやブログ記事のみを送っていたところを、送付先のセグメントに合わせた3つの関連コンテンツへの導線も含めて送ることで、情報収集ニーズが高い一部のリードが多くのコンテンツを求めていることに対応できるようにしました。

メールクリック後の導線比較(イメージ)
上段が従来の単一コンテンツ、下段が3つの関連コンテンツの導線

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画像引用元:PathFactory for Marketing Leaders

一般に、各社のLPやダウンロードコンテンツは、メールで送られたコンテンツにもし興味を持ってクリックしたとしても、そのコンテンツを見た後に見るべき情報に必ずしもたどり着きやすい設計にはなっていません。
このようなコンテンツ体験によって、見込み顧客は自分のペースで情報収集を進めることが可能となり、より理解が進んだ状態になりやすくなります。

結果として、自社サイト以外からのリードの商談化率は1.8倍、商談後の案件化率も1.23倍となり、コンテンツによるナーチャリングによって、獲得したリードの質を向上させられたことを示しています。

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引用元:[Case Study] Next Gen Lead Nurturing Qvidian

獲得リード数を追いかけるのではなく、獲得した後、リードの質を上げる仕組みを構築することで商談数を増やす事例でした。

ハウスリストから質の高い商談を生み出し供給し続ける仕組みが重要

BtoBマーケティングでは、オンラインから見込み顧客を集めること自体が価値だった時代もあったかもしれませんが、実名化したリードの数を増やすことに注力するのではなく、その先に質の良い商談を供給することの重要性が今後はより増していくのではないでしょうか。

情報が氾濫する中では、BtoB企業も1つのアテンションを大事にして、リードとして獲得した見込み顧客の状態とタイミングに合わせた情報提供が重要になってくると思いますし、この点はまだ日本では取り組みが進んでいないように感じます。

おわりに

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