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#75 失明する病気になりました…20人に1人がなる身近な話し

社会人になって毎年、健康診断を受けていましたが、ある一定年齢より上になると人間ドックに切り替わります。これも毎年受けています。

いつも大抵、お酒好きなので肝臓で引っかかってしまうんですが、最近は量を減らしてきているので、だんだん数値は今落ち着きつつあります。一方で、2年前に目の病気で引っかかりました。「緑内障の疑いあり」と診断されたのです。

緑内障って何なんだろう、ひとまず調べてみたら、ちょっとやばい。「失明する恐れがある」と出てきたので、これは早く診察をきちんと受けて、果たして本当にそうなのかどうか調べなくてはいけないと焦り、医療系の友達に
緑内障のスペシャリストがいる病院を教えてもらい予約しました。

見えているところが欠けていく病気

失明と聞くと、どのようにして視力が失われていくのか、皆さん関心があると思うんですが、これは病院に行って先生の話を聞いて、初めて知りました。一部の視野が欠けていくんです。だんだん視野が狭まっていく、ということではなくて、皆さんが今見えてる景色、そのひと欠片が見えなくなっていく、本当に本当にすごい小さな見えないかけらがあちこちにできて、それぞれがだんだん穴のように広がっていって、見えなくなっていく。

初期の頃は自覚症状がなくて、わからないんだそうです。結局、その病院で診断を受けた結果、緑内障でした。もう既に症状が出ているんですね。日常生活を送る中で、全く気がつかなかったのですが、実は見えていないところがあったのです。

では、なぜいま見えているのかというと、脳が周りの景色からその欠けた部分を補って、補完しているのだそうです。なので、本当は見えてないんですが、周りの景色でごまかすことによって、見えているように感じている。気がつかないんです。

精密検査でしかわからない

病院でどのようにして、その診断をするのか。大体、大人の顔の大きさの二回りか三回りある大きさの半円状の白い物が入った箱の中に顔を突っ込んで、その半円が、自分の顔の目の前にあるのですが、その中のあちこちで小さな薄い光が点滅するんです。その半円真ん中の方、外側の方、いろんなところで爪楊枝の先ぐらいのような小さな光が、あちこちにパッパッと点滅するんです。それを、手持ちのボタンで見えたときにピッと押していきます。これを片目ずつやります。

すると何がわかるか。

どこの視野が欠けているのか、というのがわかるんです。初めてその診察、検査をしたときに、いやいや見えてるよ、と思って余裕ですすめていくわけじゃないですか。右目、左目ともに。「緑内障の疑い」とされたけれども、見えてるし大丈夫だろうなと思ってたわけですよ。

そしたら、診断結果を聞いて驚きました。見えてない部分があったのです。驚きでしたよ。「見えてますけど」と本当に思いました。ただ、その結果を見ると、右目左目ともに、見えていない場所があったのです。光が光っているのに、ボタンを押していない。押すことができていない。つまり、見えてない場所があったんです。

それで緑内障とわかりました。

ではどうやって治すのか。ここまで進んだ現代医学、治ると思い込んでいたのですが実は、治りません。これもまた衝撃だったわけです。「え、治らないんですか。どうしたらいいんですか」と思わず声に出ました。

緑内障は、このように見えない場所が、まず現れてきます。それがだんだんいろんなところに出てきます。例えば、左の上の方が見えてなかったとしたら、今度は右の下の方ですとか、広い範囲にわたって、かけてくるんです。初めのうちは気が付かないんです。それがだんだん広がってくると、ぼやけてくるそうです。そのあたりが白っぽくぼやけてきたり、モヤがかっているような感じに。そこで初めて、みんな気付くのですが、その時点では既にかなり進行してしまってる状況なんですね。

今の医学では治すことはできませんが、進行を遅らすことができるそうです。放っておくとそのままどんどん欠けているところが広がっていって、最終的には失明してしまう。

ただ、この病気は10年、20年と長い年月をかけて症状が進んでいくんですね。なので、自分が死ぬまでの間に、失明しなければいいわけです。このまま放っておけば、いずれにしても失明します。でも進行を遅らせて、死ぬまでには見えていればいいのです。

例えば僕が150歳ぐらいまで生きてしまったら、進行を遅らせたとしても失明しているのでしょうが、例えば80、90くらいで、なくなるとします。そのくらいまでならば、どうにか見えてる状態を保つことができるかもしれない。進行を遅らせる、これが今できる精一杯のこと。

症状の進行を遅らせる方法

ではどのようにして、症状の進行を遅らせることができるのか。

眼圧を下げるしかないんです。健康診断や人間ドックなどで目に空気が、ふっとかかるものがあると思います。あれで眼圧がわかるのですが、僕の場合は人間ドックでちょっと数値がおかしいな、とお医者さんが気付いて「疑いあり」となり、精密検査をした結果わかりました。

その眼圧を下げる方法が二つあります。

目薬をさすか手術をする。手術をする場合は、もう緊急事態です。だいぶ進んでしまったときの選択肢だそうです。僕の場合は、超初期の初期で見つかりました。不幸中の幸いだったのです。なので、目薬という選択肢になりました。

でも目薬も、何十種類とあるんですよ。どれが僕の目に合うか。つまり、効くのか。それが、やってみないとわからないんです。一つ一つやっていかないと。これがまた気の遠くなる作業なんです。

片目ずつやっていきます。例えば、右目だけ3ヶ月間使ってみて、で病院に行き両目を検査します。そして、右目だけが下がっていれば、薬が効いてるということがわかる。両目とも変わってなかったら、この薬は駄目だった、ということ。すぐ見つかればいいですよ。すぐに見つかればいいのですが、これが、なかなか見つからないんですよ。僕は1年半ぐらい、いや下手したら2年近くかかりましたかね。

大体そのぐらいの時間をかけて、ようやく「この目薬は効いてる!」となるわけです。それをさし続けると、眼圧がだんだん落ちていくんですね。そうして、症状の進行を遅らせることができる、かもしれない。つまり、確約できないんです。眼圧が落ちたところで、進行してしまうかもしれないけれど、とにかくいまは眼圧を下げる以外に方法がない

あなたがなっていても全くおかしくない

だから、忘れずに毎日目薬をさすこと。自分の周りでなっている人がいないとあまり危機感がないと思うのですが、なんと40歳以上の人は20人に1人がかかるとされています。

なので、僕のvoicyは約1000人のフォロワーさんがいますが、年齢がわからないとはいえ、40代以上の方もたくさんいらっしゃると思います。割合で言えば、数十人規模でいてもおかしくないんです。そして気がついていないんです。

だから、よく周りの人にも言っているのですが、その可能性がある以上、一度きっちりと診察を受けた方がいい。一度、診察さえ受けてしまえば、自分が今、緑内障なのかそうじゃないのかわかる。そして、そうだった場合は、治療を始めることができる。先生がおっしゃっていたのですが、もうとにかく治療は早ければ早い方がいいそうです。

それはそうですよね。初期の段階でどの目薬が適合するのかわかっていれば、その段階から、進行を遅らせることができるかもしれない。

なので、今、読んでくださっている方々の中で、そうした診察を受けたことがない人は、本当に騙されたと思って、一度緑内障の精密検査を受けてみることをおすすめします。それで何事もなかったら、それでいいわけですから。そして今、日常生活に支障があるかというと僕は全くありません。

毎年、人間ドックを受けていました。緑内障という症状は、いきなりぽんと出てくるわけではありません。僕の場合、緑内障の疑いありという診断がでた人間ドックの、その前の年の人間ドックでも症状はあったはずなんです。でも、そういった記述は一切見当たりませんでした。

その点も、眼科の先生に聞きました。なんで突然、今年になって「疑いあり」と言われたのか、と。そしたら、たまたま今年はそれを見分ける先生の腕が良かったからよ、と言われまして、そんなものなのかと。

なので、そのぐらい見つけにくい。でも将来にわたって確実に生活に影響を及ぼす病気ですので、ぜひ皆さん、診察を受けてみてください。

(voicy 2022年9月10日配信)

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