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朝の鎌倉を散歩する

ドイツ人はよく散歩をする。散歩をすると思考が整理され精神に良いとのことだ。運動して痩せるということよりも、心の健康のために歩く。
ヘルマンヘッセの車輪の下のハンスもよく散歩をするし、大人に散歩をすすめられている。
最近読んだ本だと偉人達のルーティンには必ずと言っていいほど毎日決まった時間の散歩があったようだ。ベートーヴェンやチャイコフスキーも毎日散歩していたらしい。
何か考え事をしたりひらめきが必要な時、じっとして考えるより歩きながら考えた方がより新しい発想が生まれやすいという。
ドイツにいた頃は自然とよく散歩をしていたが最近は全くしていなかった。せっかくこんなに歴史のある鎌倉に住んでいるのに歩かないのはもったいない。何度も思ってはいたものの寒かったから出る気にならなかった。
カメラも買ったことだし、ベートーヴェンやチャイコフスキーを見習って散歩をしよう。新しい発想や発見があるかもしれない。

昨日の夜寝る前決心し、今日は7時過ぎに散歩に出かけた。
この時間だと普通に通勤する人々がいたり子供たちも見かけた。光が斜めに当たって全てが立体的に見えるが夕陽とは逆向きだ。
なんとなくイヤホンをつけずに歩いてみたが、その方が良いのかもしれない。音楽はその場の音をシャットアウトするから散歩の効果が薄れる気がする。

子どもの会話も聞こえてきておもしろい。
ランドセルに黄色い一年生の印がついた少年に、それがついていないランドセルを背負った少女が
「あんたもまだ1年だからね」と言っていて微笑ましい。おそらく1歳くらいしか変わらないのだろうが、小学生の頃の1歳は大人の10歳くらい違ったかもなと子どもの頃の気持ちを思い出す。

ランドセルの少女達がはしゃぐ少年を見て「元気ですなぁ」と呟いていたのもおもしろかった。イヤホンをつけていなくてよかった。音楽よりおもしろい。

大町四角から材木座へ行く道、水道路の辺りはとても馴染みがある。母の実家がこの辺りだったから、自分の幼稚園も材木座だったし小児科などもこの辺りだった。
子どもの頃から変わっていない風景も多く、ある意味逗子より懐かしい気持ちになるところだ。

レトロな店もある。

20分ほど歩くともう材木座海岸へ着く。道路の下をくぐって浜辺に出るのは逗子海岸と同じだ。

材木座海岸は由比ヶ浜から滑川を隔てた逗子側で、端まで行くとウィンドサーフィンの置き場があり、トンネルをくぐれば逗子マリーナ。
左手には逗子マリーナが見える。なんだか南欧風の建物と椰子の木でいびつな景色に見える。

浜辺を歩いていると犬の散歩をしている人がいて、犬を思い切り走らせるためにものすごく長い綱を持っている人や、はしゃぐプードルを愛でる人、作業的に歩くアメリカ人など色んな人がいる。

ただただゆっくりと前進するおじいさん。毎日何十年もここを散歩するのが日課なのかというほど一心不乱に前に進んでいる。

道路側のコンクリートには談笑するお年寄り。なんと優雅な時間なのだろう。

浜で貝殻を眺めながら歩いていたら、幼稚園の頃ここにみんなで遊びに来て貝を追いかけ回したことを思い出した。
ほじくり出すとどんどん潜っていく貝。あれは何という名前なのだろう。貝ってこんなに速く動くんだと初めて知った時だった。

もう電車に乗っている人ばかりの中でこんなにゆったりと暮らして申し訳ないなと思いつつ、通勤の人々とすれ違いながら帰る

新緑が眩しい。高校の教室からの新緑の景色はきれいだったな

藤の花もたくさん咲いている。

毎朝カメラを持って散歩したら楽しいかもしれない。それでここに日記を書くのも良い

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