シベリアでコロナ引きこもり生活⑤ 家をでて2分で警察に注意を受ける状況
この引きこもり生活が始まってから毎日ロシア内の感染者は増え続けている。このグラフを見るといかに急増しているかがよくわかる。
3,548人の感染者がいて死者は30人。そのうち2000人以上がモスクワにいる。ロシアの衛生環境を考えるとヨーロッパのような大惨事になるまで秒読みかのように思える。ただでさえ医療環境も整っているとは言えず、重症化したら終わりな気がする。特にブリヤートのような地方になってくるとまずい。
外出禁止?
ロシアでのニュースを見ていたりするわけではなく、自分で調べた情報しかないからよくわからないのだがロシアも今週は原則外出禁止なのかもしれない。不要不急は避け買い物などは問題ないと思っていたがそうでもないらしい。
奥さんと一緒にマンションをでて家の前のスーパーに行こうとしたところ、家をでて2分でパトカーに呼び止められた。
「何してる。なぜ外出しているんだ!」
と言われたので
「買い物に行くところなんですけど…」と答えたが
「今すぐ家に帰れ」
と言われてしまった。スーパーは普通に営業しているしで歩いている人もいたのだが…。
どうやら3/31から原則外出禁止になっていたらしい。最寄りのスーパーもしくは薬局のみ行くことができ、犬の散歩も100m圏内のみ
外国人というのは関係ない
ここは半数がアジア系ロシア人の街だから見た目ですぐに外国人と判断されるわけではない。マスクをしているからなおさら話すまではわからないはず。その先にも歩いている人たちが何人かいたが声をかけていなかったのはなぜだろう。
ああやって無差別に外出している人に声をかけて抑止しているのかもしれない。
ロシアで出回ったコロナに関するデマ
ロシアでは様々なデマが流れ人々が混乱していたらしい。
・マスクをせずに外出されると逮捕される
外出に関してはデマによってより人がでなくなったならいいと思う。そして実際に逮捕されかねないのがロシアだ。
少し前に
「3週間家にいるか3年間刑務所にいるか選ぶといい」とプーチンが発言したというデマも流れていた。言いかねない。ただ3年では済まない気がするが。もっとひどいデマが
・外出させないためにプーチンの命令でロシア全土に800頭のライオンとトラが放たれた
というもの。外務省は「効率を考えてクマを放ちました」と冗談を交えてこの噂を否定していた。
ただ驚くのはここまでふざけたようなデマも信じる人が結構な数いたらしいということだ。それだけプーチンが何をしてもおかしくないというイメージがあるのだろうか…。
Kindle Unlimited
この時間のあまるなかで家族でKindle Unlimitedを使っている。月額990円でkindleの十数万冊が読み放題という定額制サービスだ。
ここには本当に様々なジャンルの本がある。音楽史の本も、シベリア抑留の体験記も筋トレ本もある。デッサンやイラストの描き方などの専門書や、資格の勉強の本まであり思った以上に充実している。
漫画も中々に充実しており、手塚治虫の作品も充実していたのでいくつか読んだ。
「アドルフに告ぐ」「火の鳥」などの名作以外にもSF短編集などかなりエグい作品も読み放題に含まれている。
アドルフに告ぐはヒトラーがユダヤ人という設定の話で、ここまで直接的にナチスのことを描いている日本の作品という時点でとても興味深かった。当時の日本での白人差別や、ドイツ人のユダヤ人差別のことなど今想像しにくい内容が描かれている。
ドイツではこの作品はどのように知られているのだろうか…。無料なのは1巻だけなのも巧みだなと思った。
火の鳥も、1巻はアニメ化されていた黎明編なので既に知っているストーリー。しかしこんなに古い漫画とは思えないほど奇抜なコマ割りがされていることや、独特なユーモア含まれているのが意外だった。アニメではあくまでもシリアスなつくりになっている。
「え、こんなまじめなところで?」というところでおそ松くんやイヤミがでてきたりする。古代なのにコーラが出てきたりとアニメではカットされているなんとも言えないセンスの「ギャグ」が読めておもしろかった。
アニメ化されていない話をキンドルで購入しようかどうかとても迷う…。火の鳥はもはや文学を読んでいるような気分だから買ってみようかどうか。
河の向こうの山の雪もなくなった。
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