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発達障がいでもピアノは弾けます〜1・ピアノコンクールを目指す子も普通にいます〜


10年前に出版された本、「発達障害でもピアノは弾けますか?」と言うタイトル

ピアノの先生が、初めて「発達障がい」の生徒さんに向き合ったら読む本的な書籍が10年くらい前だったか、出版されました。

その時、すでに私は発達障がいのお子さんのピアノレッスンを経験していて、
「難しいところはあるよ、でも、弾けるんだよ!」と思いながら拝読したのを覚えています。

あれから10年のピアノの世界ですが、ピアノ学習に難しさを抱えた子どもたちへのアプローチの仕方が多様化してきています。私が取り入れていた方法が何かしらの形で収益化されていたり、逆に、その発想の方がいいな、と思う商品を買うことができるようになったことはありがたいです。

例えば、ピアノの鍵盤って、88個の黒と白の鍵盤からできていますが、
黒の鍵盤は、2つと3つのグループに分かれているんですね。

だけど、発達特性で「物の見え方」が人と違うお子さんには、
2つと3つ、ではなく、

「黒と白」の鍵盤にしか見えないんです。

どこが「ド」か、自分では通常の状態では探すことができません。

私は、「ちい」(発達障がい当事者の娘)が小さい頃、ミュージックベルのリンガー(ベルの演奏者)をしていたこともあり、スズキ楽器さんのカラーベルの配色で
音に色をつけました。

今でも、音楽で使う5線譜の代わりに、色音符、色楽譜を使うことが多いです。
その方法だと、色で「ドレミ」を覚えるので、色覚などの病気がない限り、音符の理解、鍵盤(鍵盤は必要に応じて色シールを貼ります)の場所も、自分で探すことができます。

(今は、楽器店に行けば、「補助道具」である「ノリのついていない鍵盤シール(貼って剥がせる)」や、「色鍵盤シート」も売っています。)

「そんなことやってたら、楽譜読めるようにならないよ!」

とおっしゃる先生もいらっしゃるかもしれません。

でもね、この子達、
難しいことを無理にさせられるのが苦手なんです。

たくさんの「失敗体験」を日常生活でしているから、
「自己肯定感の低いお子さん」が多いのです。

できることを増やす!できたことを褒める!


当たり前のことですが・・・

ピアノの指導って、「弾いてきたものを手直しする作業」なんです。
ピアノの指導者は、よほど気にしてないと、
「注意」だけでレッスンが終わっってしまうことがあります。
あります、というか、あると思います。

「練習してきてくれたんだね!」
「前より上手くなっているよ!」
「スラスラ弾けたね!」
「間違えてもやめずに最後まで弾いたのは、えらいよ!」

などなど・・・
褒め言葉の引き出しはつきません。

気をつけないといけないのは、「事実のみを伝えること」。
「頑張ってきたね!」などというのは、余計な一言です。

「頑張る」という言葉には拒否反応を示す子もいます


発達障がいの子どもは、ただでさえ「頑張って」います。
なのに、本当にできないことを「手を抜いている」とか「サボっている」とみなされて、学校などで叱られることもままあります。

一日中「頑張って!」って言われ続けたら、どうですか?
大人だって、嫌になりますよね?

ですから、
「事実」のみを伝えて、余計な一言を言わないように気をつけています。

例えば、学校生活などのことで、
「今日、頑張って学校に行けた!」などと、お子さんの方からアプローチがあった時には、

「頑張って行ったんだー!学校に行けたんだね!」と、頑張ったことも褒めます。

ピアノのコンクールを目指す生徒さんも普通にいます

私自身、もう50代ですから、子ども時代は今ほどコンクールの数なんてなかったです。でも、数回は経験しましたし、音楽大学を出てからも経験があります。

そんな中で、「大失敗」をしてしまったこともあるんです。(またの機会にお話ししますね!)

毎年、数名はコンクールを目指して練習します。
中には、「ドタキャン覚悟」で申し込みをする生徒さんもありますし、
いつもと違う服でピアノを弾くことに抵抗を感じて、
会場までなかなか来れなかった、という生徒さんもいました。

今、コンクールが飽和している時代に、
明らかに「指先に不器用さがある」子や、「体幹に問題があり、ピアノを弾く力はか細い」お子さんが「競う」というところに、何かいいことがあるのか?と思われるかもしれないですが、

そんなことどうでもいいんです。

生徒さんや保護者の皆さんにはいつも、こう、お話ししています。

「長いピアノの人生の中、コンクールや発表会という名の小さな駅に立ち寄るだけ」です。
でも、駅にたくさんとまった方が、情報が集まりやすいです。
嫌な気分を味わうこともあるかもしれないけど、素敵な経験をすることは、やってみないとわからない!だから、経験できそうなら、駅に向かって進んでみよう!と。

人生という電車は、すでに動き始めているのだから!

できれば失敗はしてほしくないですし、できれば思うような結果を手に入れてもらいたいです。それは、どの生徒さんにも同じですし、「ちい」が小さい頃、たくさんのコンクールを経験してきた時にも思ったことです。

でも、私自身、「大失敗」からの「成功する方法」を手に入れることができました。転んだら、起きればいいだけです。

投稿の始めの方に、「失敗体験をたくさんしているから〜」ということを書いているので、

言ってることが違うんじゃないか?
と思われるかもしれませんが・・・

そこは、しっかりと、一人一人の子どもと向き合っての決定であり、結果的に何かを得られる形になるようにしっかりと寄り添っていきます。

それは、「ちい」がたくさん、いいお見本を見せてくれているから!
私も自信を持って、自分の可愛い生徒さんたちをコンクールに送り込めます。

大切なのは、転んで起き上がれない子どもを作らない=発達障がいからの二次障害を防ぐことに尽きる

発達障がいは、生まれながらの脳の損傷です。
本人にも、おうちの方にも責任はありません。

ただ、「ちい」が発症しているような、「二次障害」と言われる発達障がいが引き金になって起こる病気を招かないために、

うちに通ってきてくれている子どもたちには、
生きることを正面から向き合う力を身につけて行ってほしいと思っています。

そのための色々なエピソードは、また、追々に・・・

本日も読んでいただきありがとうございます。






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