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贈り物と10年越しの気持ちの変化

支援員のともです。
今回は「保護者」の視点で書きます。

次男は中学3年生。
先日「一人水泳部」を引退しました。と言っても
練習はスクールで行い、総体には学校の先生が
引率してくれる形式でした。

色紙の贈り物

最後のレースの朝、先生から1枚の色紙を
渡されました。そこには学年の先生をはじめ
、関わりのある先生方や友達からの
寄せ書きがびっしりと書かれていました。

次男より先に私がその色紙を手に取り
思わず涙がこぼれそうになりました。

長男の苦悩と成長

少し長男の中学時代の話をします。

長男は中学時代、剣道部でした。
彼は不器用で、何事も覚えるのに時間がかかる子でした。

入部してしばらくは、胴着や防具を着るの
に時間がかかるため顧問の先生に怒鳴られる日々。
「20分経っても着れません!」
と電話がかかってきたこともありました。

それならできるまで教えるとか
胴着を持ち帰って練習させてほしかったのですが
それもなし。

夏休みは練習のあとは、勉強タイム。
今のように各教室にクーラーがあった
時代ではありません。

先生は最初と最後に顔を出すだけ。
そして毎日のように「宿題が進んでいない!」
「約束したところまでやらせてください」と
よく電話がかかってきました。

支援学級に在籍していることは考慮されず
こちらの話も聞いてもらえませんでした。

担任や学年主任、教務主任いろんな先生からも
顧問の先生に話をしてもらいましたが
態度が変わることはありませんでした。
顧問の先生は授業でも長男に厳しく接していたそうです。

卒業式の日に進路が決まっていたので挨拶に行くと
「どうせ続かない」と冷たい言葉を投げかけました。
晴れの日にそんなことを言われたことが今でも忘れられません。

長男の強さと優しさ

長男は勉強も運動も苦手でしたが
人のために進んで動く優しい子でした。
他の先生たちはそんな姿を評価してくれました。

部活では団体戦に出るには技術が不足でしたが
人数がギリギリだったのでメンバーでした。

「足を引っ張って申し訳ない」と
思っていた私に
誰よりも大きな声で挨拶をする姿勢がいい」
他の保護者が言ってくれたこと
こんな長男に優しく接してくれた仲間に
救われました。

しかし、私にとって中学の思い出はあまり
良いものではありませんでした。

次男は普通の子で、先生から電話が
こることはありません。
また私も特に相談することもありません。

小学校では「連絡帳」があり、
気になることがあれば連絡できましたが
中学校にはそれがありません。
なのでなんとなく先生との距離を感じていました。

色紙の力

そんな中での色紙の贈り物。

この色紙に感動!!


「一人のために」そこまでしてくれた
先生の気持ちが本当に嬉しく
先生達や友達の思いやりに胸が熱くなりました。

この1枚の色紙が私の中学校に対するイメージを大きく変えました。

信頼できる先生の存在

今年は私が信頼できる先生が次男の学校にいます。
その先生は以前、私の勤務校で支援学級の
担当をしており
人としても教師としても尊敬できる方です。

その先生が副担任として次男の学年に
授業に関わっていることも大きな安心材料です。

長男の卒業から10年

長男が卒業してから10年が経ちました。
「あの頃とは違う、当時の先生はもう誰もいない」
と頭ではわかっていても
中学校に行くといつも心がざわざわしていました。
そのざわざわがやっと消えたのです。

次男の努力と感謝

次男は色紙に励まされ、最後のレースで自己ベストを大きく更新。
笑顔で終えることができました。

レース前にメッセージを読んで泣きそうに
なった次男。
「泣くのはまだ早い」と気合をいれたそうです。

書いてくれた先生一人一人に
登校後お礼と報告に行ったそうです。

次男の努力と、彼を支えてくれた先生方
や友達のおかげで私たち親子にとって
中学校の思い出が大切なものになりました。

支援員として思うこと

理解しようとしない先生に出会ったからこそ
「できません、なんとかしてください」ではなく
「どうすればできるか?」を考えるようになりました。

「言葉遣い」には特に気を付けなければなりません。
忘れられないくらい嫌な思いをさせないように
子どもを追い詰めるのではなく
話をよく聞き寄り添うことが大切です。

そんなことを意識しながら日々
子ども達と関わっています。


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