誰か

哲学科の大学生 生活でも大学でも考えたこと

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最近の記事

自分だけの言葉をつくるということ

部活が一緒だったNちゃんという子がいたのだが、集団の中にいるとどうしても浮いてしまうような女の子だった。性格が歪んでるだとかそういうのではなく、平たく言ってしまうと単純にコミュニケーションが下手だった。部活内で「変な子」というレッテルを貼られるのにそう時間はかからなかったし、陰でネタにされていた。繊細だったNちゃんはその雰囲気を感じとっていて、その頃から部活のメンバーに対してごく表面的にしか関わらなくなったのがわかった。 わたしはNちゃんを見ていて、自分のなかに何の引っ掛か

    • Step

      甘えるのがとんと苦手だ。相手に悪いからじゃない、1人でなけりゃ怖いからだ。だれかに寄りかかって、少し浮いたまんまで、そんなのできない。と思う。呆れるくらい臆病なのだなと毎日実感している。 知り合いの男が「ある日優しそうなきれいなお姉さんが『養ってあげるから一緒に住まない?』って言ってきたらおれ『はい!』って答えちゃう自信あるもん」と言っていた。そうか。と苦笑いした。 好きな男も甘えるのがとんと苦手のようだ。 それでも、ほんの一瞬、私に触れようとする。 私といるとき、あの

      • 2020.8/8

        5月に買った知り合いへの誕生日プレゼントをまだ渡せていない。昨日やっと会う約束をしたから渡そうとしていたのに、家に忘れてきてしまった。こんな時期で、次いつ会うのかもわからないのに。 私のものではないものが3ヶ月ほど机にあることに、ついには見慣れて、風景となってしまっていた。そしたらなんだか、これがプレゼントには見えなくなった。ベージュとパープルのアイシャドウは、ずっと封を開けられずに、きれいな薄紫色のリボンがかけられているまま、誰の手にも渡らずただ私の机の上に置いてかれてい

        • 『はつ恋』

          中高と、私のまわりに読書の好きな子はあまりいなかった。だからといって我慢することもなく、少々肩身の狭い思いをしながら本を読んで放課をすごしていた。 放課に本を読んでいる私を見て、本を読まない彼女たちはずっと少しだけイラッとしていただろう。だって私が本を読んでいるあいだ、彼女たちに話しかけられることは1回もなかった。「本読んでないで4組遊びに行こうよ」とか、彼女たちには言われたことがなかった。ただずっと、クラスの子としゃべりながら、視界の片隅では、だまって読書している私の存在

        自分だけの言葉をつくるということ

          「青のフラッグ」7巻

          登場人物全員大好きな漫画。もともとアプリの方で毎月無料で読めるのだが、好きすぎて単行本全部買っている。 あと個人的にはコミックスの、お話の間にあるキャラの獣化シリーズが一人一人わかりすぎてたまらなく好きだ。毎回楽しみにしています。 ネタバレバンバン出しますのでまだ読まれてない方は本作を読んでからお進みください。 6巻の怒涛の展開をうけてもなお、物語の加速度はぐんぐんと、でも静かに上がっている。7巻では、トーマと太一2人より、その友だちたちの思いが交錯していく。 本当に、全

          「青のフラッグ」7巻

          政治に関してのツイート見るたび思うこと

          政治などの話題のときに「日本は〜のままだといずれ国が滅ぶ、壊れる、腐る」って多く使われるけど、それってどういうことだろうとよく思う。 私はそこに言い逃げ感というか、なんとなく、そう言っとけば危機感みたいなものが出るでしょ、的なものを感じる。 だいたい政治や国に関わるひとたちの汚職ってもうずっとずっと昔からされてきたじゃないですか。いや、なら野放しでいいじゃんという話では断じてないのだけど、現時点、日本滅んでなくない?国を動かすひとたちが汚職をしても国自体は壊れないんじゃ

          政治に関してのツイート見るたび思うこと

          「私」を起こしてくれた人へ

          今でもときどき、芳賀先生が親だったら、なんてどうしようもないことを考えます。芳賀先生が親だったら、もう少し違う人間になれただろうか。夜中にフラッシュバックする記憶はもうすこしきれいなものだったろうか。水泳は、マネージャーじゃなくて選手になってたかもしれませんね。そんな、ほんとうにどうしようもない、無意味な、とりとめのない考えが、たまに浮かんできます。 私は今、元気です。なんだろう、それ以上になにか言葉を伝える必要がない気がしています。高2のときより全然元気です。もうすぐ大学

          「私」を起こしてくれた人へ

          景色のゲシュタルト崩壊

          思い付いてから時間が経つにつれて(だ、大発見じゃん…)と思っているのだけど、昔、幼稚園児くらいの時、私は高速道路がとても怖かった。 一般道でもスピードが出ている時に外を見ると、ものすごい強烈な違和感というか、「変な感じ」で頭がいっぱいになって、車の密閉感もあってかしょっちゅう泣き叫んで親を困らせていたのを覚えている。「なにがつらいの?」と言われてもまだ言葉の乏しかった私は上手く答えられなくて、「親に辛さをわかってもらえない」ということも辛かった。でも成長してから、できるだけ意

          景色のゲシュタルト崩壊