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主人公が特別な力をもっている必要はない

作文添削を利用してくださっているお友達から、素敵な文学賞があることを教えてもらいました。

<作品応募要項より>
心のふれあい」をテーマとした創作童話。
ご自身で考えたお話を、自由な発想で書いてください。
未発表の完全にオリジナルな作品に限ります。必ずタテ書きでご応募ください。市販の400字詰め原稿用紙またはワープロ原稿(20字×20行)5枚以内(表紙を除く)でお送りください。


テーマも文字数も無理なく取り組め、春休みのチャレンジにもピッタリです。子どもという次世代を支える力になりたいという、この童話賞創設の意図にも共感です。

審査員は、誰もが知ってるあの本やこの本を書いた先生たち。自分の作品を読んでもらえるかもしれないと思ったら、それだけでワクワクしますね!

我こそはと思うお子さんは、ぜひ、取り組んでみてください。同じページに、物語を作るときに使えるワークシートもありましたよ。

https://www.hd.eneos.co.jp/hanataba/awards/img/douwa_guide.pdf

個人的には、こういうグッズも活用して、発想のヒントにしたらいいと思ってます。

▼ローリーズストーリーキューブス

▼「カタルタ」ストーリーテラー


***

私からは、キャラクター設定におけるちょっとしたアドバイスを。

主人公キャラクターを表現するとき、めちゃくちゃすごいパワーを持っているとか、ちょっと普通じゃないとか、そんな突飛なことを発想する必要はありません。

それよりもむしろ、その主人公がどのくらい「生き生き」と物語を生きているか。つまり、キャラクターに命を宿らせることの方が、物語のおもしろさを爆上げしてくれると思います。

子どもたちが書く物語には、キャラクターが物語を通して一貫していなかったり、深まっていなかったりすることが多いです。よくある人気漫画や映画の主人公と似たような人物が、突然、敵と出会ったりする(笑)。

まずは主人公のキャラを固め、そして、深める。深めるときには、矢継ぎ早にこんな問いかけをしてみてください。

例えば、その主人公は、

・お母さんに怒られたら、どんな顔をするかな?
・友達の新しいペンケースを見たときの一言は?
・スーパーの安売りを見て、咄嗟に思うこととは?
・道に落ちている百円を見つけたら、どうする?
・いつもよく着る、お気に入りの服は何色だろう?
・好物は何で、何が嫌い?



もっといろいろあると思いますが、こんなふうに、自分の日常にある何気ないシーンで、彼らだったらどんな反応を見せるか、何を言いがちで、どういう感情を抱きやすいのか。それを落とし込んでいく。

キャラクターがしっかりと深まれば、物語の世界の時代がいくら違おうと、どれほどファンタジーだろうと、物語の奥行きが変わってくるだろうと思います。

わからなかったら、まずは自分のことに置き換えて、細かく細かく、想像してみてね。ちょっと罪悪感を感じるくらいの質問が、いいかもね。例えば、「お母さんにも言えない秘密は?」とか。主人公なら、どんなことを「言いたくない」と思うんだろうね。


この春休み、ものがたりづくりにチャレンジする子どもたちを応援します。こんなときだからこそ、「心のふれあい」をテーマにした子どもたちの物語を、育てて、届けたいな。私でよかったら、いつでもお手伝いします。



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