型を覚えれば、内容は後からついてくる_はじめての小論文講座
推薦入試にチャレンジしていたお子さんが、無事合格しました。はじめて小論文を書くことになり、何回か継続して受講してくださって、、、手にした結果に感無量です。
最初は本当に「大丈夫かな?」というくらい言葉が出てこず、私も焦りました。いつもやっていることは通用しないかもな、と。
私もそれなりに工夫しましたけれど、最後はやっぱりご本人の努力と度胸のおかげです。数行だった文章は、後半には原稿用紙3分の2埋まるようになり、文字数が増えるに従い、内容も深まっていきました。
これを体験できたのは、よかったなあ。
「とにかく1行も書けそうもない」という人がいたら、「ちょっとずつ積み重ねる」をぜひ意識してください。
つまり、原稿用紙の最初の5行目まで書けたらOK⇨半分埋まったらOK⇨・・・最終的には1枚を目指す。
内容も然りです。偉そうなこと書かなくていい。いいことも正論も。ただ、自分の意見を見つめる。ちょっとずつ出していく。
書けない子は、「環境問題に取り組まなくてはいけない」という意見を持っているのに、「どう書けばいいかわからない」と言う。
私は、「その意見いいね。じゃあ、最初に"私は"をつけて、文尾に"と考える"をつけて。ほら、文章伸びたでしょ」とよく言います。笑。
はっきりいって、小論を原稿用紙1枚(400字)書くのなんて余裕です。枚数足りないくらいです。っていうのが、そういう一つ一つのプロセスでわかっていくと思います。
以下は、超初心者さん向け「はじめての小論文講座」アドバイスです。
1)まず、とにかく自分の意見を持つ(見つける)
課題に対して、どう考えるのか、何を感じ、何を思ったのか。まずはそれを言葉にする。考えが浮かばなかったら、課題についてYESかNOかの立場を決める。これで二択! 第一印象でもなんでもいいから、まず自分の考え、意見を明確に持つこと。これが小論のファーストステップ
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2)小論文の型にはめて、論を展開する
はじめて小論文書く中3生とか小学生とか、書けなくて当たり前なので、そこで余計な心配しない。⇦ここ最も重要。
書けないのだから、典型的な小論の型を真似する。型にのっとって、そこに自分の意見を当てはめていく。それでOK。論がどういう文章の連なりで成り立っているのかを、まずは理解する。私たちは、いきなり全部書き上げるのは難しいから、穴埋め式のワークシートで何回か練習しましたよ
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3)小論は、必ず誰かに読んでもらう。そして、赤字も含めて書き写す
そこに内容を加えていくのだとしたら、書いたものを誰かに読んでもらう、これは超重要プロセスです。⇦私の役割
意味が伝わっているのか、説得力があるのか、は、自分ではわからない。誰かから「ここどういう意味?」をなんて言われると、「そっか、これじゃ伝わらないのか」という小さな気づきになる。
もう一つ、添削を利用するといいなと思うのは、「自分だけでは思いつかない表現や考え」を取り入れられるきっかけになるからです。赤字には、新しい言葉や表現がきっと詰まっているでしょう。だから、添削されて戻ってきた小論文は必ず、書き写して「自分のもの」にしてもらいました。「論理」を体で覚えるのが一番早い。
1)〜3)を繰り返していたら、あんなに薄かった内容に、少しずつ地肉が加わり、厚みのある意見や論が展開できるようになっていったというのが、受験生さんにとっても私にとっても、非常に濃い体験となりました。
型を真似していったら、少しずつ内容も深まっていったというのは、たぶんですね、文章表現に迷わない分、自分の意見(自分が何を考えているか)見つけやすい、表出させやすくなったからではないかと思います。
もちろん、得意不得意があります。これが必ずしもうまくいくパターンってわけでもありません。
でも、考えるのが苦手な子って、自分の意見がどこにあるのか、あんまりわかっていない子が多い気がします。あるいは、結論を出すことのほうが最優先で、その道筋をいちいち言葉にして表現するのが面倒(やり方がわからない)というパターンもあると思います。
↑「俺についてこい」を無言でいうタイプの親分肌(笑)
そういう子には、まず「型があるから安心しな。そして、自分の意見がどこにあるのかに集中しな」と。
小論文が上手に書けるようになることは、その子の人生にとって大した意味はないかもしれません。でも、自分の意見を持つこと、それを伝わるように伝えるには工夫が必要と知ることは、人生において、大きな意味と意義があると思います。
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