見出し画像

スペイン、久しぶりのヨーロッパの旅へ【🇯🇵Tokyo→🇪🇸Madrid】

窓の外の空に、羽田空港とその向こうの東京が、少しずつ沈んでゆく。今日は少し雲が多いみたい。薄く張り巡らされた雲が段々と視界を遮って、暗闇に浮かぶスカイツリーだけがやけに目立った。

こういう風に、国際線の飛行機に乗って、東京と東京での暮らしにしばしのバイバイを言うのは、久しぶり。今日のお昼まで、まだスペインに行くだなんて実感が得られなかったけれど、さすがに空港に向かう段になって、実感は湧いてきた。

久しぶりの、ヨーロッパへ。まずはトルコ・イスタンブールへ向かって、トランジット。そこからスペイン・マドリードに向かう飛行機にすかさず乗り込む計画だ。

以前まで、トルコって10時間とちょっとくらいのフライトだった気がするのだけど、今回は13時間。ロシアの上空を飛べない代わりに、中央アジアの国々の夜景を眼下に見下ろしながら、深夜22:05発のターキッシュエアーの飛行機は西へ、西へと進路をとる。

機内の私たちは、眠っても、眠っても、寝ても覚めてもどこかの国の、どこかの街の、まばらに地上に散らばる夜景を眺めた。10時間経っても、12時間経っても、まだ夜が続いていく不思議な体験。実際、今ちょうど12時間が経過して、トルコ近くの黒海かな?の上あたりを飛んでいるのだけれど、日本の現地時間は10時近く、トルコ周辺の時間はまた深夜4時近く。

そうか、今日のフライトは夜を追いかけているんだね。到着はトルコの朝5時を過ぎたあたり。うっすら明るくなる空、見られるかな。

(注意:当人、のちに気がつきますが、トルコの夜明けは8時頃です)

まぁ、イスタンブールからマドリードまでのトランジットは、2時間しかないから、すぐに晴れ渡った空はスペインに向かう時に見れると思うのだけれどね。空の上は、いつだって晴れている。

***

画像1

東京の自宅を出て、駅に向かう時、スーツケースを引っ張る音を後ろ手に聞きながら、「国って、たくさんあるんだよな」ってふと思い出したの。

そう、人が暮らす「陸」って、ここ=日本以外にたくさんあって、人々はそこに国をつくり、街をつくり、水を汲んで、暮らしをつくり上げている。いま、私がスーツケースを引くいまも、遠くの国の営みは続く。国って、暮らしって、「ここ」以外に本当にたくさんの選択肢がある。そして、それを「自分の体感値」として些細にイメージができる人間になりたくて、私は何度も旅に出たんだと思う。

どうしてここで暮らすのか、について、明確でありたいと思ってこの数年間を生きてきた。なぜこの土地で、このひとと、このライフスタイルを送ることにしたのか、理由が話せて、自覚的である人間になりたかったのだと思う。それができたら、自分の人生を、自分で選ぶ、納得感ある時間を過ごせると信じたから。

東京で、パートナーと猫を迎える暮らしは、私が選んだし、(東京である必要性は私にはないのだけれど)、彼らと生きたいことは、もう決めた。沖縄に、会社をつくった話も、また今度ゆっくりと。今回は、何だっけ。東京と、沖縄と、そうそう、私は海外の旅もとても好きでね。

スペインへ。大切なものを選び取りながら、また新しい大切なものと、出会って、選んで、残していきたい。その昔思い描いた「長い旅」の夢の続きは、東京と、沖縄と、海外の暮らしを行ったり来たり、だったように記憶している。続きは、スペインにあるかしら。仕事の渡航なのでまずは責務をきっちりと。けれどできれば、旅の仕事も、心の底から楽しみながら、人生を豊かにする時間になったらすごく幸せだな、と思っている。

余談 : ターキッシュエアーの朝ごはん。すでに10時間乗っているくらいの時間で、頭は徐々に英語圏に切り替わってきたタイミング。飛行機の前の席のひとが、朝食の種類はどちらがいいか訊ねられる声で起きた。夕食はチキンorビーフだった。朝食はなんだ。「オムレツ or UDON」と聞こえた。「UDON……ウドン」?海外で?トルコの飛行機で?なんで?と「んなわけない」と思ったけど、うどんだった。日本発だからそれはそうか、ありえるか。トルコを眺めながら、機内でうどんを食べた。うどん。おいしかった。複雑な気持ちだった。日本とスペインの真ん中の、空の上の夜の時間。

画像2

■旅の話は、Twitterでもつぶやいています

■リアルタイムは、Instagramのほうが登場率が高いです

■今回のお仕事をご一緒させていただく、大好きなGENICさん


いつも遊びにきてくださって、ありがとうございます。サポート、とても励まされます。