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【読書感想文】もものかんづめ

2023年、私の中でエッセイがブームが起きている。

芸人のエッセイ、小説家のエッセイ、芸能人のエッセイを読み漁り、ついにさくらももこに辿り着いた。

今更だけど、さくらももこのエッセイに今激ハマりしている。

さくらももこのエッセイは面白いと有名だし、今まで何度か読んでみようと思ったこともあったけど、なんとなく時代感覚が違うのかなという先入観と、私がちびまるこちゃんが好きだったから、さくらももこのことを知ればまるちゃんの世界観がなんとなく壊れそうな気がして避けていた。

でもついに手に取った。そしてハマっている。
もものかんづめから始まり、さるのこしかけ、たいのおかしら、そしてあのころ・・・と読んではすぐに次の作品をKindleでポチってしまう。

もものかんづめが出版されたのは1991年、私が生まれる前だ。学生時代の話なども盛り込んであるので、昭和後期〜平成初期あたりの話で時折時代を感じる。でも、彼女のエッセイには時代に左右されない「絶対的なおもしろさ」みたいなのがあって、時代が令和だろうとなんだろうと色褪せない魅力がある。もっと早くに読んでいればよかった。

彼女のエッセイは赤裸々な感じがあって、そこが面白いなと思う。泣いたとか、くやしいとかそんな感情が伝わってくるし、水虫になったとか、父ヒロシが結婚式でやらかしたとか、いわゆる”恥”みたいなのをさらけだしていて面白い。

綺麗な文章や自己啓発もいいけど、やっぱり本音をさらけだして、くだらないことを書いている文章の方がおもしろい。漫画とかアニメ、ドラマとかだと”視覚”の情報があるからおもしろさが伝わりやすいけど、文章だけで誰かを笑わせるってすごいことだと思う。いくら面白いことが起きたとしても、それをそのまま文章で伝えるのは難しい。

だから人を笑わせられるような面白い文章が書ける人って本当にすごいと思う。言葉の選び方だったり、話の構成の仕方だったり、そうした細かいところが完璧だからこそ、読んでいて面白い文章になる。エッセイストってすごい。さくらももこってすごい。


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