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乳がん記録|放射線治療(9)~照射終了から2ヶ月後~

前回の記事から1ヶ月少々経ちました。これを書きながら、照射終了からまだ2ヶ月しか経っていないことに驚いてもいます。手術からは、いつの間にか半年以上が経っています。

照射箇所については、水疱はちょうど腫瘍を摘出した部分にできたくぼみにいくつか残っていましたが(服との摩擦がないからでしょうね)それもなくなり、現在は皆無です。脇毛はまだ生えてきていません。

まれに、照射した乳房の奥に、じんわりとした痛みを感じることがあります。これは月イチ診察の際に、主治医からこういうケースもあるよと知らされました。それを聞いた時は何ともなかったのですが、どうやら私にも起こっているようです。

また、これとは別に、リンパ節生検後の脇のつっぱりを再び感じるようになりました。しばらく激しい動きを避けていたことと、照射中は乳房が縮小した感じだったので、関連があるのかも知れません。手術を受けた側の右腕を、左上方向に最大限に伸ばすと筋が張るように痛く、眠る前などに緩やかなストレッチを行うことにしています。始めてから、軽減してきたようです。

また、しばらく不織布テープを貼らずにいたセンチネルリンパ節生検痕に、少々の痛みに加え、ケロイドが出そうな気配がありました。これも照射と細胞周期の影響なのかなぁと思ったりしています。この痛みは悪い感触ではなく、細胞が元気に活性化しているような感触です。皮膚の状態も戻ったことから再びテープを貼ることにしました。すると、痛みがなくなり落ち着きました。

しばらくちょこちょことあちこち痛くなるという状態でしたが、日常の動作では、これらの痛みは全く気にならず、普段の生活には影響はなく、ふとした瞬間に気づくという感じでした。

授業期間はお盆を過ぎたのにも関わらず、猫ちゃんもくたばる猛暑でした。

大学では講師担当の、朝から夕方まで6日間連続で実施する集中授業は、心配しなくてよかったと思うほど穏やかに過ごすことができました。

退院してからずっと、入院と同じ生活リズムを心がけており、6時頃起床、21時就寝を行っています。そうすると、授業の為に目覚ましを掛けて無理に早起きする必要がなく、自然な身体のリズムで過ごせました。また、体力作りにと、積極的に外を歩いていたことも良かったのかも知れません。元は、超夜型人間で、これががんになる前後での大きな違いかなぁと思っています。

ただただ起こったのは、エストロゲン抑制剤の副作用(ホットフラッシュ)のみです。これに対しては、普段持ち歩いているハンディファンではなく、もう少し大きいサイズの微風で長時間使える卓上ファンが大変役立ちました。

バスルームの換気用にと買いましたが、これがバッテリーの持ちもよくベストでした。

集中授業の冒頭では、感染防止へのお願いをとっかかりに、罹患した当事者として、乳がんの簡単な説明と、正しい知識を得て差別をなくそうという話をしました。また、最後の振り返りの際にも、自分のがんと心理変容について話をしました。自らの心を取り扱うことは技術ですし、まさにこれが授業の要でもあったので。自分で自分を大事にと。命は最上位の人権ですしね。

受講生はほとんどが女性だったこともあり、皆、真剣に話を聞いてくれていたようです。避けられがちな事も含め事実を開示し、考えるきっかけとする。このnoteと同じですね。今の私だからできる役割ではと思います。当事者の生の言葉と、実際にその人間と向き合うという、本分である衣装制作と、ハイブリッドな学びの時間を生み出せていたなら本望だなぁと。

帰途、フェニックスの羽のような雲と出会った

この後日、予定日が授業日が被ってしまったので1週間ずらして受けた月イチ診察がありました。結果は異常なしでした。この深い心の旅の末、現在は心配するという心理を手放しているので、そもそも心配をしていないのですが、良い結果を受け取るとやはりホッとはします。

昨日は後期授業の開始日で、ちょうど夏と秋の境目のような気候でした。なぜかホットフラッシュが盛んに起こりました。全身からの大量の汗。ホルモンバランスの変化なのか、猛暑でうまく紛れていたのがはっきり認知できるようになったのでしょうか。それから一晩経ち、今日はケロッと落ち着いています。

ちょっとした気候やリズムの変化で、身体が影響を受けているのが分かります。新しい身体が引き起こす、日々の発見です。引き続き、臨機応変に、なるべく穏やかに自分を仕向けながら、命を大事に楽しんで過ごします。

夏と秋のグラデーション

次号は年末のご挨拶。感謝と経過を少々。


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