見出し画像

アロマから土へ

こんにちは。アロマトローグのクリストモミです。

私はフランスに来て自然療法を学びました。

自然療法を学び始める前は
「アロマテラピーを学びたい!」だったのですが
今は
「いい土をつくらなくっちゃ」と思ってます!
???ですよね(笑)。
自然というキーワードで思いもよらないものが
どんどんつながっていることに気づいたのです。

今日はそんな「つながり」のお話をしたいと思います。


【自然療法の学校で学んだこと】

私が通った学校の話。そこで何を学んだのか?

まず、分子、原子、電子の話から始まります。
この世の最小単位にクローズアップして
そこから、細胞、器官、組織など
からだの部位に至ります。
解剖生理学もこういうアプローチで学びました。 

私はフィト・アロマコースだったので
植物学は何億年という太古の「生物」の話から。
細菌って?真菌って?寄生虫って?
コケ類?裸子植物?被子植物?
と植物の進化の歴史を学びながらの植物の器官の話。

いきなり「風邪にいい精油は(ハーブは)これ!」
と学ぶのではなく
地球と人類の成り立ちから始まる。
電子で考えると、人間も植物も一緒ですね。
そうすると
今私たちがここにいることの意味や
自然と共存しているんだということを意識します。

【先人の経験を学んでいる】


いきなり、精油があって、乾燥ハーブがあって
こころやからだが弱った私たち人間がいるわけではないのですね。
「そりゃそうじゃん!」という声が聞こえてきそうですが
そのルーツを探ってみなければ、普段、意識することはないのでは?

精油や乾燥ハーブも、お店に並んでいるものを買ってきますが
必ず作っている人がいる。
誰がどういう思いで作っているのかを考えると
気持ちをこめて丁寧に作っている人から買いたい、と思いませんか。

例えば
「ラベンダーの精油やハーブを摂取すると
不快な症状が改善する」
というのは、先人たちの経験という知恵ですよね。
昔は今のように「即効性のある薬」なんてなかったから
家の近所で手に入る植物をいろいろ試していくうちに
●●という症状にはこのハーブ
▲▲という症状にはこの精油
と、経験が蓄積していったわけです。
何百年という膨大な時間のたくさんの人の経験を、
私は学校でたった数年で教えてもらったのです。

【私たちのからだと自然の関係】


精油やハーブを、私たちは何かの不調の改善に使います。
その「からだ」は、普通は健康であるはずです。
夏になれば汗をかいてからだの熱を放出し
冬になれば鳥肌をたててからだの熱の放出を防ぐ。
これは、外の気温に影響されず、体温を一定にするための
からだの機能(ホメオスターシスといいます)ですね。

からだは常に健康状態にもっていこうと働くので
自然環境がどんなに過酷でも、自然治癒力が高ければ
本来は不健康な状態で居続けることはできません。
でも、現代社会は常にストレスがかかっていて
からだが悲鳴をあげ、本来の自然治癒力が発揮できない人が多い。

自然療法では、「自然からかけ離れてしまった生活」が
こういった現代の原因不明の慢性不調を生みだすと考えます。

自然に触れていないことが原因のひとつというわけ。

だから、森林浴をするとか、部屋に観葉植物を置くとか
海の寄せてはひく波をぼーっと眺めるとか
畑仕事をするとか、動物に触るとか
大昔の人たちがよくやっていた行動をすると
症状がよくなるという例はたくさんあります。

【自然もまた疲れている】


フランスでは、自然療法を学びに来る人は
自然との関わりにこだわりを持っている人が多いです。
食生活ならベジタリアンとかヴィーガン、ローフードを選ぶ人
オーガニック商品しか使わない人
化学合成繊維を着ない人
バイオダイナミック農法で農業をしている人など。
多かれ少なかれ「環境保護のため」に何かしている人ばかり。

「環境保護」というと、人によってはピンとこない人もいるのでは?
二酸化炭素の排出量を減らしたからって
地球は今は気温が上がる時期だから(氷河期の反対)
意味がない、という説もあります。
私ひとりが農薬を使わないオーガニック食品を買ったからって
地球は変わらない、という意見もわかります!

ただ、フランスはもともと自然を積極的に支配してきた国なので
(フランス式庭園なんかも「野生状態」からかなりかけ離れています)
今、直面している環境破壊に、とても敏感になっています。
政府が率先して環境活動を推奨しているので聞き慣れたことばです。

フランスに住み、自然療法を学んだ私にはすごく身近な考え方なのです。

空気汚染、水質汚染、森林破壊など
今の自然は結構疲れている。
その破壊スピードをすこしでも遅らせるのに
オーガニック農法の推奨や、プラスチック製品の排除
二酸化炭素の放出を減少、リサイクルの推進など
いろいろなアプローチが行われています。

【今のオーガニック野菜は、栄養がない!】


例えば私は、できるかぎりオーガニック野菜を買うようにしています。
手の届く範囲にお手頃なオーガニックを売るお店が多いので
無理なく買うことができる、というのが1番の理由。

でも、そのオーガニックも今やブームで品質はピンキリ。
外国からはるばる輸送されてくる大量生産のオーガニックもあれば
地産地消で近所で作られるこだわりのオーガニックもある。
後者の方が環境にはいいですよね。

オーガニックといえば、「土」に行き着きます。
土がなければ植物は育たない。
いや、土の中の栄養素がなければ植物は育ちません。(太陽光と水も!)
その栄養素の鍵を握るのが微生物

腸内細菌がクローズアップされていますが
土にもバランスよく微生物が共存しています。
でも農薬などが原因で、バランスが崩れてしまっている土が多い。
そうするといい栄養素が植物に行き渡らないから
栄養素の乏しい野菜ができてしまう。

2021年のオーガニックの野菜は
1950年の普通の野菜よりも栄養がないと言われています。
これは、環境汚染によって土の中の微生物が
どんどん貧弱になっているからだそうです。

失われた微生物は、すぐには戻ってきません。
栄養のない土は、すぐには肥沃な土にはならないのです。

【すべてはつながっている】


微生物の貧弱な土からできた栄養のないものばかり食べると
私たちのからだも栄養不足になります。
栄養不足が続くと、からだの機能が衰えてきて
原因不明の不調が続くようになったりする。

今、いろいろな不調の原因が
腸内細菌のバランスが崩れていること
だと
主張する説をよく見かけるようになりました。

もちろん外部からウィルスが侵入して病気になることもありますが
本来は自然治癒力で、ウィルスをシャットアウトできるはずです。
できないのは腸内細菌のバランスが悪いから。免疫力にも影響します。

土の中の微生物と腸内細菌はほとんど同じこと。
からだを健康状態にしたかったら
腸内細菌を豊かにする。それには土の健康が必要。
土の中の微生物を豊かにすると、からだに栄養を与える野菜が育ち
それを食べれば腸内細菌も豊かになっていくのですよね。

土の微生物は、環境汚染によって失われていくので
農薬を使わない、二酸化炭素の排出量を減らす、
プラスチックゴミを減らす、森林破壊を食い止める
という環境保護も必要になってくるのです。

からだの健康=腸内細菌バランス○=栄養のある野菜=土の微生物バランス○=環境保護

自分のからだを健康にしたかったら
地球の環境を保護する。

「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいに
遠回りに見えるかもしれませんが
これは全部つながっていると思うんです。

無理をしないことが私のモットーなので
「環境保護」をしているという大袈裟なものではなく
できることだけちょこちょこしています。
でも、ひとりひとりの「ちょこちょこ」が集まれば
疲れた自然を元気にしてあげることができるのかなと思います。

「自然療法士」と「自然」を看板に掲げている以上
自然に対してもやさしくありたいと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?