山中湖畔、音楽三昧〜レコーディング合宿でのおさんどん体験記〜
19日から4日間、山中湖畔のレコーディングスタジオ、サウンドビレッジにて真荷舟(まにふね)のレコーディング合宿に参加しました。
今回の私の主な仕事はおさんどんと、撮影です。(と、「無言の圧力」という噂も笑)
真荷舟とは?
このちょっと不思議な名前のバンド、実は夫の榎田竜路がボスでして、ドラムの阿部拓也くんと一緒に18年くらいやっている音楽ユニットです。
真荷舟は、ライブパフォーマンスから映画音楽、アートとのコラボまで幅広く活動してきました。
なぜかケニアでの砂漠緑化に参加したり、中国の中央戯劇学院という俳優養成学校(チャン・ツィイーとかコン・リーなど数々の名優を生み出してきました)で、「美女の壁」を前に演奏したり。音楽ユニットとしてはちょっと変わったことをやってきました。
阿部くんと夫との出会いもちょっと変わっています。
二人目の長男を妊娠していたとき。
夫が、その頃お世話になっていた助産婦さんに「ドラマー探してるんですけど、誰かいませんかねぇ?」などとうっかり聞いたことから、縁ができました笑
まったく、縁というものは、どこに転がっているかわかったもんじゃありません。(でも、なんで助産士さんに聞くかねぇ?笑)
今回のレコーディングの目的
サウンドビレッジは、環境もスタジオも素晴らしく、真荷舟はもう10年以上お世話になっています。
今回は、真荷舟の楽曲『同じ空の下 同じ星の上』のレコーディングがメインの目的。この曲は、もう一つの「東京オリンピック・パラリンピック」とも言えるホストタウン事業のテーマソングになっています。
ホストタウン事業とは、地域の人たちが選手たちのサポートを通じて異文化交流をはかり、そこから様々な可能性を拓いていくというもの。
オリンピック・パラリンピックにはアスリートしか参加できませんが、ホストタウンには老若男女すべての人が関われます。
オリパラとしては世界初の試みだそうです。
夫は、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会経済・テクノロジー専門委員会の委員でもあり、ホストタウン事業を支援させていただいています。
そういう経緯もあり、ホストタウン応援プロジェクトのテーマソングに彼の作った『同じ空の下、同じ星の上』を提供させていただいたという次第。
今回、この曲を東北の「復興ありがとうホストタウン」の人たちにリレー形式で歌ってもらい、それをJ-WAVEで放送するということになり、急遽レコーディングに至ったわけです。
『同じ空の下 同じ星の上』
そもそもこの曲は、夫が先述の砂漠緑化プロジェクトを実践するために、ケニアで作った曲です。
思い返せば、このプロジェクトのおかげで教育の重要性を思い知り、現在夫と仲間とで経営している会社、アースボイスプロジェクトで実施しているコミュニケーション教育のきっかけにもなりました。
ちなみに歌詞はこちらです。
『同じ空の下、同じ星の上』 作詞・作曲:榎田竜路
夢はいつも遠く
叶うことを恐れていた
ただ立ち尽くす
時が今終わる
同じこの空の下 あなたと踊る、息をする、愛をかわす
同じこの星の上 あなたと生きる、喜びが今永遠になる
巡り巡る、今ここに在ることの不思議
千速ぶるよ、この生命
愛するために
生まれてきた
同じこの空の下 あなたと踊る、息をする、愛をかわす
同じこの星の上 あなたと生きる、喜びが今永遠になる
何もないからこそ
サウンドビレッジは、レコーディングスタジオだけに、キッチン用品はほぼ置いてありません。スタジオですから、当然と言えば当然。
今回、機材が引越しの荷物並みにすごかったので、鍋とかやかんとか色々持って行きたかったんですが、カセットコンロと割り箸でギリギリでした(涙)
炊事はいったいどうなることかと不安でいっぱいだったのですが、実はこれがかなり楽しめました。
まな板がないから、紙皿で代用、とか、ボウルがないから、スーパーのお肉の入っていたトレイで代用、とか、蜂蜜がないからフレンチトーストじゃなく、クロックムッシュにしよう、とか。
何もないから、逆に色々思いつく。
そこでしみじみ思いました。
不便って、実はすごく豊かなことなんだなぁと。
子供の頃のままごとって、実は「見立て」とか「代替え」の嵐なんだと思います。こーいうところで豊かに生きる知恵がついていくわけですね。
まさかそれを、大人になって真剣にやるとは思っていませんでしたが笑
ついでに、家の小さなキッチンには、なんていろんなものが揃ってるんだろうとも感じました(別に大名暮らししてるわけではないんです、念のため笑。いわゆる普通にモノがあるってすごいことなんだなぁと)。
霧の中の風景
極め付けは、深夜に霧の中でラーメンを作ったこと。
今回はレコーディングなので、ミキシングをスタジオと同じ部屋だと不都合があるというんで、キッチンスペースをそのままミキシングスタジオがわりに使いまして。
煮炊きの湯気は機材に大敵、ということで、カセットコンロを玄関のたたきに持っていって作業することに。
もう、キャンプ気分満載です笑
残念ながら4日間ほぼ雨だったんですが、標高が高いので夜中は霧が深い。そして、そんな深夜には、やっぱりラーメンですよ。
とはいえ、ざるもないし、丼鉢もない。コンロ2台を玄関のたたきでマネジメントするのはちょっと危険。
なので、「鍋にたっぷりのお湯を入れて麺を茹でる」のは、「たっぷりのお湯を入れる」まではデフォルト。
そのあとはそこにもやしとかキノコなどの具を入れ、グツグツマックスになった時に麺を茹で、予め出汁を入れておいた紙の深皿に汁ごと投入...。といった具合に、極力ワンオペで対応しました笑
深い霧の中、おばさんがひとり必死にラーメンを作っている風景は、結構怖いですよね...。
学生時代に見たギリシャの名画、テオ・アンゲロプロス監督「霧の中の風景」を思い出して、なんともいえない気持ちになりました笑
おわりに
ということで、おかげさまで無事にレコーディングも完了。あとは放送を待つばかり。
うっかりしてましたが、レコーディング風景もご紹介しますね。
もし、J-WAVEでこの曲をお聴きになった暁には、ケニアのどこまでも続く空と、山中湖畔の清々しい環境を空想しながら(間違っても「霧の中のラーメン」は思い浮かべないでくださいね)、未来に想いを馳せてみてください。
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