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モロッコミントティーのほろ苦い思ひ出

モロッコから帰国してはや4カ月。コロナ自粛でモロッコミントティーを家で淹れながら、ふと、モロッコミントティーを初めて飲んだのはいつだろうと思い返していた。

それは確か26才の頃、編集教室に通っていた時に出会った同期のY君と一緒にエジプト料理を食べに行った時だと記憶している。「あっ、ミントティーもある。これ美味しいから頼もう!」、海外放浪してモロッコにも訪れたようで、嬉しそうにオーダーしてた。

Y君とは編集教室という習い事で出会った1才年下の同期で、旅行好きという共通点もあり意気投合した。毎週教室が終わったあとお茶したり、飲みに行ったりしていた。1才しか違わないのに「姉さん!」と年寄り扱いしてくるY君は、気兼ねなく話せる相手で、一緒にいる時はいつも心の底から笑っていた。

Y君が私に異性として好意を抱いでいると知ったのは、当時付き合っていた彼氏と別れてからほどなく。失恋のショックで食欲がなく、いつも励ましてくれていた頃に知った。心の温かいY君と付き合えばきっと楽しいだろう。幸せになるだろう。頭でわかっていたけど、ボロボロだった私は、次の恋に踏み出す勇気がなかった。なんだか分からないけど、怖かった。好意を知りながら、他の女性を紹介したりもした。「姉さんは、僕の好意を知ってて、そうしたんですね」。もうはちゃめちゃだ。

編集教室も卒業してから1年後くらいに再びY君と会った。1年の間に、Y君は海外放浪を楽しみ、新しく転職したようで生き生きとしていた。ミントティーを飲みながら、旅の思い出を話してくれた。そして新しい職場では一目惚れした人がいるという近況を話しも。「えっ、そうなの。良かったね。」 思いがけない展開に、Y君と次の恋に進みたい気持ちが少なからず芽生えていた私は、心にもないことを言った。その時初めて口にするミントティー、苦くて涙が出そうだった。  美味しくないとも思った。 

それから数ヶ月、Y君からメールが届いた。「姉さん、彼女ができました。姉さんも幸せになって下さい」と。

今日現在、私は結婚して、Y君も結婚していて別々の人生を歩んでいる。もう10年以上は時がたっているのに、今年モロッコ旅行で本物のミントティーを体験して、久しぶりにY君とのほろ苦い思い出が蘇ってきた。

次は、本場モロッコの美味しい、甘苦いミントティーの体験を綴ろう。










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