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<苦手克服>コミュニケーションを良好にする

≪ページング≫ ≪バックトラック≫

☆人の考え方と感情のフィルターについての
 理解を深める

現代人のほとんどが、なんらかの人間関係の問題で悩んでいます。

コミュニケーションは、人と人とのメッセージの交換ですが、
私たちは、自分の言いたいことが、いつも相手に正しく伝わるとは限らない
ということを、しばしば忘れがちです。

相手が何を言いたいのかを理解し、
自分の言いたいことを正確に伝えるためのコミュニケーション能力を
身につけるには、次のようなことが求められます。

(1)人の考え方と感情のフィルターについての理解を深める
(2)相手の刺激にペースをあわせることで、相手に効果的に反応する

コミュニケーションは、人がどのように外界の刺激や言動を
情報処理するかというところから始まります。

私たちは、何かを見たり、聞いたり、感じたりした時、
その刺激に対する反応としての光景や音や感触を、
「その人特有の脳のフィルターで内的に再構築」しています。


☆自分の反応は、外からの刺激ではなく、
 「自分自身の考え方」によって作られる

「人は、出来事そのものへの直接の考え方や感情をもつのではなく、
 考え方や感情は、刺激をその人がどのように受けとめるかによって
 引き起こされる」

よりよいコミュニケーションを可能にするためのは、
このような五感という知覚から始まる一連の個人の主観についての
内的なシステムを、十分に承知しておくことが重要です。

◎「反応や感情」は「考え方」で生まれる

  A:刺激、きっかけとなる出来事
  B:その人特有の考え方・信念・信条
  C:反応結果として生まれる感情

(1)刺激(A)は、反応(C)の原因ではない
(2)刺激(A)と、反応(C)の間に、
  「その人特有の考え方・情報の処理の仕方(B)」がある
(3)人の情報の処理(知覚システム)の仕方(B)は、
   代表システムと呼ばれる「視覚」「聴覚」「触運動覚」
   という三つのシステムがある
(4)刺激(A)を、「その人特有の考え方・情報の処理の仕方(B)」で
   受け止めることによって、ある考え方が生まれ、
   その考え方の結果として反応(C)が起こる

つまり、私たちは日頃腹を立てたり、悲しんだり、苦しんだりしますが、
そのような反応は「自分自身の考え方や感情によって作り出されるもの
であり、外からの刺激や、出来事そのものが直接の原因ではない」
ということです。

たとえば、いたずらする子どもやだらしない恰好をしている若い人、
あるいは気にいらない部下に対して、あなたが不快だと感じるのは、
必ずしも相手が悪いのではなく、自分が相手のそうした言動が嫌だという
「自分特有の考えや信念」があり、その結果として、
不快に感じたり、腹を立てたり、悲しんだり、苦しんだりするという
反応を作り出すのです。

このシステムが納得できた時、あなたの人間関係におけるストレスは、
かなり軽減される可能性が生まれます。


☆相手の刺激にペースをあわせることで、
 相手に効果的に反応する

コミュニケーションにおいて、次に大切なことは、
自分で考えたことを言葉、声、態度を使って人に伝えることです。

考えを伝える方法には、人それぞれ特徴があります。
ある人は、色彩豊かな「視覚的」なイメージの言葉遣い、
単語が多いかもしれません。
ある人は、音に関する単語の多い「聴覚的」な表現が多いかもしれません。
そして、ある人は、何か体の感じに関する単語の多い「触運動覚」な
表現が多いかもしれません。

(1)視覚優位の人:視覚(V:Visual)に関する言葉や表現が多い
 例:見えてきました(視覚イメージで物事を理解し、表現し、記憶する)
(2)聴覚優位の人:聴覚(A:Auditory)に関する言葉や表現が多い
 例:そのように聞こえます(聴覚を通して物事を理解し、表現し、記憶する)
(3)触運動覚優位の人:触運動覚(K:Kinesthetic)に関する言葉や表現が多い
 例:つかめてきました(触運動覚を通して物事を理解し、表現し、記憶する)

もし、相手と良好な関係を確立したいのなら、
相手の感覚システムにあわせた言葉遣いをすることです。
「相手のよく使う言葉遣い」、「よく使うフレーズ」と同じような言葉に
意識的にあわせるだけでも、驚くほど相手とのペースが合ってきます。

このスキルは、「ページング」や「マッチング」と呼ばれているものです。
よりよい人間関係は信頼関係を築くことから始まりますが、
その雰囲気を作るための第一歩が「ページング」です。

たとえば、視覚優位の人には、自分も視覚的な言葉にあわせ、
資料などを見せながら話すのです。
また、聴覚優位の人には、聴覚的な言葉を使いながら、
明確な話し方をするのと効果的です。
そして、触運動覚

優位の人には、触運動覚的な言葉を、ゆっくりと噛み砕くように話し、
相手の体の反応を見ながら話を進めると、相手とのコミュニケーション
がスムーズになってきます。

楽しそうに話をしたり、お互いに楽しそうにしている人たちは、
同じ姿勢をしたり同じような身ぶり手ぶりで話したりしています。
これらは、無意識ですがごく普通にボディランゲージへの
「ページング」がなされている状態と見ることができます。

このように「ページング」は、姿勢、ジェスチャー、呼吸、声の調子、
話す速度、声の大きさ、よく使う用語などを、まるで鏡に写すように
同じようにまねるというやり方によって行ないます。

ただし、体の動きについては、すぐにそっくり同じことをやると
不自然ですし、時にはかえって逆効果になりますから、
その点に注意しながら行ないます。


☆相手の言う言葉をそのまま伝え返す
 「バックトラック」は、相手理解の第一歩です

相手を理解するためには、相手の話を聴く「傾聴」が大切だと言われますが
とても難しいスキルです。

「傾聴」は、相手に説教をしたり、評価やアドバイスをしないで、
相手の思考、行動、感情を受けとめながら話をよく聞いてあげること
だからです。

日頃言いたいことを押さえている人が、いざ発言するという時には、
押さえていた分、自分の欲求を絶対聞いてもらいたいという気持ちに
なっていることが多く、相手に不寛容になりがちです。

そのような人の話は、時として受け入れがたい内容だったりします。
ですから、ついその人にアドバイスしたり、
自分の意見を言いたくなることも多いでしょう。

アドバイスや自分の意見を言わないで、
また、「そうですね」と言うのではなく、「そう思うのですね」と、
あくまでも相手がそのような気持ちになったということを
「あなたは、そのような理由で~だと考えるのですね」と
受けとめるのです。

このような、相手が言ったことをそのまま伝え返すスキルを
「バックトラック」と言います。

「バックトラック」を使うと、相手の言いなりになったり、
言い分をかなえたり、あるいは、相手に同意するのではないかと
誤解する方がいますが、そうではありません。

確かにやってみるとそれほど容易なことではないようですが、
このスキルを正しく使うことで共感が得られ、
それが相手に対する癒しともなり、
相手に「自分のことをわかってもらえた」という気持ちを
起こさせるのです。

コミュニケーションは、話している言葉以上のものであり、
声の調子や姿勢、動作が一致している時に、
無意識に自分が尊重されているという印象を生み出します。

コミュニケーションにおいて、一致した言葉、声、態度を使って、
相手に反応することは、それほど大切なことなのです。


そうすることによって、ようやく相手との信頼関係が築かれます。
信頼関係とは、押しつけがましくない温かさのある関係であり、
言葉、声、態度が一致しているところにしか生まれない関係なのです。


~30代女性のための心と体の健康アドバイザー~

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