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大きな問いをもった仕事

今日は大袈裟なタイトルになってしまいましたが、忘れてしまわないようにしたいことについて。

大きな問いをもって仕事ができているか?

歴史に名を残しているアート作品、デザイン、成長している企業の戦略の裏側には、「大きな問い」があると最近感じています。

全ての人が問いをもって仕事をしていると思います。

・なぜ、この課題が解決されていないのか?
・どうやってこの課題を解決できるのか?
・誰に伝えると良いのか?
etc

問いをもって仕事をすることが大切なのは間違いないですが、さらに踏み込むと「問いのベクトル」を考える必要があると考えています。

ベクトル=方向と大きさです。

大きな問いとは何か?

今日のテーマの大きな問いをもつとは、
・文明や社会に対して
・時間軸を長く

した問いをもつことを示しています。

具体的なイメージを、企業やアート作品を元に整理していきます。

スノーピークの文明や社会に対する問いかけ

スノーピークの中期経営計画を読んでいて、とても面白いなと感じたスライドがこちらです。

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要約すると
・文明の進化によって人間性が低下している
・低下している人間性を、スノーピークは野遊びの力で回復させる
といったことが掲げられています。

スノーピークの掲げていることの背景にある問いは、このように整理できるのではないでしょうか?

スノーピークの問い(仮説)
・問いの方向:顧客の課題解決ではなく「文明の進化」という視点
・問いの時間軸:数年ではなく、数十年、数百年

この大きな問いをもって事業を創っているから、キャンプだけではなくアパレルや飲食など事業展開を広げてもコンセプトがブレない。一貫しているから信頼してファン(スノーピーカー)がつくといった構造になっていると考えています。

I♡NYロゴデザインの裏側にある問い

誰もが一度は目にしたことがあるであろう、「 I ♡ NY(アイラブニューヨーク)」

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引用元:New York State | I Love NY Campaign

自分も書籍を読むまで知らなかったのですが、ミルトン・グレーザー氏が自分が生まれ育ったニューヨークの為にボランティアで手掛けたロゴなのです。

「このアイデアは、制作したロゴマークをニューヨーク州に認められた数日後に、タクシーに乗っていたとき思いついた。クライアントとの打ち合わせに向かう途中に、いたずら書きをしていたら、別のアイデアが心に浮かんだのだ。私はどうにかビル・ドイル(ニューヨーク州商務省の幹部)を説得して新たなデザインを検討させ、承認にこぎ着けた。もう少しで世に出なかったかもしれない、この小さな走り書きは、私の制作した中で最もいろいろなところで流用されるデザインとなった」(スケッチ&フィニッシュ ミルトン・グレイザーのデザイン作法 本文より

当時の社会背景を要約すると、
・ロゴが制作された1970年代はアメリカ全般が不況に陥り、ニューヨークは財政破綻寸前
・ニューヨークでは犯罪が激増し、街全体が荒廃
・ニューヨーク=危険な街と捉えられていて訪問者も激減

このような社会環境の中で、多くの人が再びニューヨークにやって来てもらうための観光PRとして「 I ♡ NY(アイラブニューヨーク)」はデザインされた。

ミルトン・グレーザーの問い(仮説)
・問いの方向:ニューヨークの社会課題
・問いの時間軸:自分の生まれ育ったニューヨークの未来(きっと数十年先を見据えていたのではないかと)

グレイザーはニューヨークの公共の財産になるならと、ロゴのデザイン料は受け取らなかったようです。

I♡NYのロゴショートムービーの誕生背景がまとまったショートムービーは素敵すぎるので、ぜひ見てみてください!

ニューヨークの社会に対する問いがあって生まれたデザインだからこそ、これだけ長く愛されているのだと思います。

どんな問いをもって仕事をするか?

スノーピーク、I♡NYのロゴを例に考えてきました。

歴史を遡ってみても、大きな問いを投げかけてきたデザインやアートが、時代の転換点をつくってきていると考えています。

他には、ココ・シャネルに最近ハマっていて、女性がコルセットを巻いて男性のために服を着ることに問いを投げかけ、生き方を解放するためのファッションをデザインした・・というエピソードも好きです。

自分はどんな問いをもって仕事に取り組めているか?

偉大な企業やアーティストをトレースしながら、もう一度考え直そうと思っています。

最近は、朝にミルトン・グレイザーのスケッチ集を読むことにハマっています。


以前に書いた、このnoteの内容もまた深掘りしていきたいと思っています。