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ブランディング

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ブランディングのヒントをまとめているマガジンです。
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#デザイナー

なぜ、日本のブランドは負けるか

私が、様々な国で様々な企業、政府組織、商品のブランドを手がける中で、よくある負けパターンを、学術で説明しているものがあるので、そのシェアです。 ここ3年ほどは、ブランドコンサルティングの開始や、ブランド系講演に登壇するたびに、基礎ブランド論の一部として、『The Pepsi Paradox』について話します。皆さんはご存知でしょうか? 時間のある人は、私の要約より下記を見てもらった方がいいと思います。 参考1:How the Brain Reveals Why We Buy

レベルの違うデザイナーチームでの制作

メンバー同士のレベルが違うチームで、どうすれば一定の水準を保てるかを考えていたので書いてみます。 目次 1. 前提 2. 作るコンポーネントの粒度とデザイナーのレベルを対応させる 3. このやり方のメリット 4. 具体的な例① 5. 具体的な例② 6. 副次的な効果 7. まとめ 8. おまけ 前提メンバー同士のレベルが違うと書きましたが、イメージとしては ・新人デザイナー ・プロダクトにある程度責任を持っているデザイナー(以降、シニアデザイナーと呼ぶ) が数人ずついるチ

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デザイン経営とは(&考察)

以前からパラパラと聞いてはいたのですが、5月下旬に政府提言されたということで、概要をチェックしつつ、自分なりの考察を書いてみます。 時間のある方は、私の要約よりこちらからご一読を。 ※デザイナーが作っているのか、読みやすい資料となっています。 デザイン経営の概要概要は、デザインの考え方を経営層から入れることで、ブランディングとイノベーションを活性化させ、国際的企業競争力を増やすということらしいです。 まずは、デザイナー側へのアプローチより、経営側に興味と投資の喚起することに

デザインを言葉で説明するの難しい問題 - 分解、検証、翻訳

フェンリルのプランナーの柴田です。 デザイナーではない人にとって、デザインの良し悪しを判断するのは難しいものですよね。「なんとなく良い」「ピンとこない」まではわかるのですが、「なぜ良いのか」「なぜピンとこないのか」を言葉にするのは、それなりの経験と知識が必要となります。 しかし、そこをきちんと言葉にできないとデザイナーへのフィードバックは難しく、適当な指示で無駄な作業をお願いすることになります。何よりプランナーは自分でプレゼンすることが多く、デザインの魅力をクライアントに十

スタートアップにおけるスピーディなロゴメイキング - 3D検索サービス「heymesh」の事例

多くのスタートアップのプロダクトは企画からリリースまでハイスピードで開発が行われるため、その短期間に最低限のリソースで思想やコンセプトを反映させることが重要となります。 今回のMESONブログは、約1ヶ月の開発期間を経て3月にリリースした自社サービス「heymesh」のロゴデザインについて、スタートアップにおけるデザインの一例として制作の裏側を少しばかりですがお伝えできればと思います。 また、今回のロゴデザインでは大きな流れとして下記のようなステップで進めています。 ロ

デザイナーを各事業部付けにすべきなのかどうか問題

こんにちは。 GWなのでちょっと視野広めの話を書いてみます。デザイン組織についてです。 ある程度大きい事業会社において、複数の事業が別のチームで走るようになると、それぞれのプロジェクトでデザイナーが必要になります。 それらデザイナーを、どういった形で会社に所属させるのかは難しい問題です。いくつかの観点がありますが、 ・事業へのコミットメント ・知見共有 ・評価をどうするか といった観点から悩ましいと考えています。 会社からしたら事業成果第一これは当然「事業が成功す

なぜモダンなプロダクトチームによるリーンなプロダクト開発が必要なのか

はじめにメルカリUK版の立ち上げを終え2018年3月に帰国しました@tsumujikazeです。今は東京でメルペイのProduct Managerをしています。 イギリスではいわゆるモダンなプロダクトチームでのLeanなプロダクト開発を経験しました。得るものが多かったので、なるべく多くの人に知ってもらいたいと思いこのポストを書きました。 PMF →リーンプロダクトのプロセス →モダンなプロダクトチーム(組織論)という流れになっています。 はじめに 本編 ・何のためにプロ

君が好きな湘南モノレールのCIデザインの話

「もしも興味を持っていただけるならで構いません。“中野さんにできる何か”を提案していただけますか。」 わかりましたと僕は即答、喜んでお受けした。 夏の夜の柔い海風に、火照る顔を吹かれながら。 昨年の夏、とあるご縁で湘南モノレール社長の尾渡さんと夕食をご一緒する機会があった。お酒もまわりそろそろお開きといった頃合いに、先の言葉を尾渡さんから投げかけられた。 来年の、つまりは今年、湘南モノレールの終着駅である湘南江の島駅の駅舎がリニューアルされるとのことだった。 それにあわ

デザイナーに必要なコミュニケーション能力とは何か

デザイナーにコミュニケーションスキルが必要と言われるしその通りだと思うけど、日本の美大でコミュニケーション教育は重視されてないのに関わらず、社会に出たら突然「重要です!」と言われて最近の新卒は「突き放された気持ちになる」と言う話をたまに聞く。 社会人はデザイナーに限らず、コミュニケーションスキルが必要だけどデザイナーが不幸なのは教えてくれる人が極端に少ない点だと思う。 デザインスキルは楽器演奏と同じで、実践による反復運動の繰り返しで身につくモノなので本人の努力次第だけど、

デザインの世界への招待状  #5(最終回) デザイナー像の刷新によるデザイン新時代へ

こんにちは。アートディレクターの三宅佑樹(@yuki_miyake)と申します。ビジュアルデザインやブランドコンサルティングなどを行うICVGというデザイン会社の代表をしています。 デザインの社会的活用を推進するためにはデザインをもっと身近な存在にする必要がある。その方法の1つとして、他分野からデザインの世界に入ってみようかなと考えている人をメインの対象として、広い意味での「デザイン」の世界を案内する「デザインの世界への招待状」という連載をお送りしています。 前回の記事は

組織としての「価値観」をシェアすること

友人と出かけた際に、ひと休みのために入ったカフェでチームビルディングの話が白熱してだいぶ面白かったので、帰ってから改めて考えてみました。 組織の中での二極化 これ、あるあるなんだな…と思ったのが、組織である程度人数が増えた時に、仕事へのやる気の「ある人」と「ない人」で二極化が起きること。 ちょっと語弊が起きそうなので言い換えると、仕事へのやる気度が「高い人」と「低い人」。もっと言うと「上昇志向」派と「安定志向」派だ。 この双方は驚くほど、お互いに相容れない存在。歩み寄

UXデザインで語られる体験を3つに分類する。

👩🏻‍💻 概要 - 体験をデザインすることが重要視されているが、「体験」の定義を明確に分類して、そのバランスや関係性を意識すると、UXを把握できる手がかりになる。 🔙 前のエントリUXの3つのレイヤデザインは体験からはじめる。 どうやって体験をつくり、体験を拡張するのか、ということをベースに「UXデザイン」に取り組むことが求められている。ただ、体験という言葉は漠然と幅広くて、文脈によって意味が曖昧になる。体験を3つのレイヤに分割して分類すると、明確にすることができる。

ビジョンとKPIが対立した時、UXデザイナーができること

「PV」「売上」などの事業がもつKPIと、 達成したい「ビジョン」や、伝えたい「価値」が逆の方向を向いてしまって困ることはないですか? とくに事業会社のビジネスサイドVSデザイナーという関係性では、あるあるなんじゃないかと思います。 そのような時は「あいつらはわかってない!」となる前に、目標の枠組みから一緒に再考してみるのはいかがでしょうか? 定量的な「KPI」"だけ"になってはいけないKPIの数字自体だけをチームで見てしまうと、そこに「意味」を失ってしまいます。 よく

僕がCXO Nightを開催する理由

2/9に『スタートアップにCXOが必要な理由 - CXO Night #2』というイベントを開催します。 たまに、イベントの開催理由を聞かれるけど、営利目的ではなく業界変化が必要なタイミングに、企業内外のコミュニティで押し上げていく流れを作りたいのが狙い。今回で言うと ・ユーザー体験軸で意思決定・監修するCxOポジション化促進 ・若手デザイナーのロールモデル ・デザインに関わる学生をもっと増やしたい と考えています。 2014年にUI Crunchを立ち上げた時は、下