「ワケありな本」

キワモノ文庫が多い彩図社だが、このシリーズは面白い。

事件や災いを引き起こしたり、問題や発禁になったり、何かと話題をさらった本を紹介する。

書籍がまず、トラブルに見舞われるとすれば“発禁”だろう。時の権力者や政治情勢に批判的だと判断されるか、エロ・猥褻表現が過激でダメだと判断されるか、差別的言語を使って良識ある人々に指摘されるか、はたまた捏造やパクリだったり。

しかし、発禁処分を受けたことで価値が高まり、発禁が解かれた近代になって、ベストセラーに化けたりする。著者が意図しないところで、発禁という処分を宣伝のために本自らが呼び込むような。

ココに紹介されたほとんどの本が、今や翻訳で入手可能だから、未読のものは読んでみたい。

ワケありな本とされているが、ほとんど名著である。

「アンネの日記」も捏造疑惑があったんだよねー。理不尽に発禁とされた「ちびくろサンボ」も今ではフツーに読める。風流夢譚も、サドも、チャタレイ夫人も、O嬢も、ボヴァリー夫人も、ファニー・ヒルも、ロリータも。

映画や名画編もあるので読みたいな。

基本的に、権力者他による検閲で出版が左右されるのはおかしい。本来、出版はどこまでも自由であるべきであって、どんなにクズ本・ウンコ本であっても、世に出ることで吟味・批評されるべきなのだ。例え有害なものであっても。左右上下とあらゆる主張を読むからこそ、そこに真理が見えて来ることもあるのだ。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。