【邦画】「刑務所の中」

昔、花輪和一氏の漫画は買って読んだなぁ。

2002年の、崔洋一監督の作品「刑務所の中」。YouTubeにて。主演の受刑者は山崎努。

ガンマニアの花輪氏が本物の銃を入手していたことで摘発を受け、“銃砲刀剣類不法所持違反”で逮捕されて、3年余り服役した獄中体験だ。

坦々と獄中生活が続く、花輪氏の実体験だが、何をするのも大声で許可をもらって、移動は行進、整理整頓、時間キッチリの生活に、監視された規則正しい食事、作業、運動、入浴、気が抜けるのは自由時間と就寝時間くらいのもの。

ちょっとでも違反があると即、懲罰房行き。楽しみなのは、パン食の時と甘いものが配給され、映画が観れる時間。

こんな日常を3年も送ってたら、相当、健康的になるのではないだろうか。人間は普段から、如何に欲のままに生きているのか、がわかろうってなもんだ。

実際に閉じ込められて、そういう生活を送ることになったら、いくらストイック好きな俺でも、すぐに根を上げるに違いないと思うが、映画を観てて、少し、羨ましいとも感じてしまったね。

隙のないような生活の中でも、人間は工夫して、隙を作るものなんだな。

この獄中体験映画、ユーモアもあって、ホノボノとしてて、登場人物のそれぞれの人間性が垣間見えて、けっこう面白かった。

閉じ込められた空間、欲を遠ざけた規則正しいストイックな生活、なるべく考えさせない作業、管理された時間…は、人間を“更生”させる基本的事項となっているのだろうね。

“臭いメシ”があまりにも美味そう。

人と完全に無縁になってしまうと、心の芯にあるシコリのようなものが身体に染み出して来て、ダルくなって、いくらでも眠れるのだった」


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。