【古典映画】「悪い種子」

1956年のアメリカ古典映画「悪い種子<タネ>(The Bad Seed)」(マーヴィン・ルロイ監督)。

Amazonで100円だったので、やっと観れた。

イヤー、まさに”恐るべき子供たち“で、トラウマになるような素晴らしいミステリー?ホラー?映画だね。

子供が殺人鬼となる映画の元祖的作品だ。

3人を手にかける殺人鬼となった8歳の女の子ローダを演じた子役、メッチャ不気味で演技が上手い。天真爛漫な笑顔を見せて、大人に甘えるけど、欲しいものがあると、ヘーキで、殺して奪うことを考える。トンデモなく負けず嫌いで、何でも1番でないと気が済まない性格で、やっちゃいけないことや道徳、秩序といったものが完全に欠けている。すぐにパニックを起こす。

殺すまではいかなくても、自分の欲で他が見えなくなる、こういうサイコパスって、一定数、ホントにいるという。本でも読んだことがある。

ローダの真実を知ってしまった母親が、ストレスから、だんだんと心を病んでいく様子もスゴい。ローダに多量の睡眠薬を呑ませて、自分はピストル自殺しちゃうから。でも、ローダは生還、自分も一命を取り留める。

原作は死んじゃうらしいが、ハリウッドじゃマズイと思ったのか?最後に、にこやかな登場人物紹介があって、「悪い子はこうします」と母親がローダのお尻を叩くシーンもあるし。

同級生が死んでも(殺しても)ショックを受けることなく、元気にピアノを弾いてはしゃぐローダだが、オカシイと盲点を突かれると急に表情が変わり、強い口調で相手を威嚇するか、大人には嘘泣きして甘える。ある意味で子供らしいけど、大人が自分をどう見てるのかがわかっているから、メッチャ恐ろしい。

またローダの表情が、気の強そうなおしゃまな女の子って感じで、モノクロの映像も相まって、凶悪な演出が生きている。

そんなローダも、睡眠薬では死ななかったが、嵐の夜、友達から奪ったメダルを取りに行った先の湖の畔で雷に撃たれて死ぬ。

ローダがなぜサイコパスになったのか?映画では養子だった母の本当の産みの母親が、殺人鬼だったことからとしているが、フロイト的解釈を持ち出して、遺伝は証明できないと結論付けている。

子供が主人公の映画って、大きなギャップを感じて、それだけ怖いね。

関係ないけど、ニック・ケイブのバッド・シードはここから取ったのか?


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。