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三菱商事を辞めてまで海外留学に至った経緯を振り返ってみた(後編)

前編に引き続き、三菱商事を退職し海外留学に至るまでの気付きなどを書こうと思います。

前編では退職までのお話でしたが、後編では退職後の話、特に「三菱商事を辞めて何をやるんだっけ?」辺りについて書きたいと思います。

短くするつもりが、また長くなってしまいましたので、最後まで根気よく読んで頂ければ大変嬉しいです。

前編をまだお読みでない方は、こちらから一度覗いてみてください↓

1. 退職後の進路

前編でも触れましたが、退職後は米国コロンビア大学のスポーツ経営修士過程に進学し、スポーツビジネス全般と学生スポーツを勉強します。

特に学生スポーツについて強烈な関心があり(詳細は後述します)、教養的な部分のみならず実践的な経験を得るべく、大学のスポーツ局や学生スポーツ関連企業でのインターンを計画しています。

アメリカの学校は、スポーツを学校経営に上手く取り入れており、環境・資金・学業等のあらゆる面で充実させており、まさに日本の大学が大いに学ぶべき点で溢れています。

そのような環境に身を置くことで、将来日本の学生スポーツがどのような道を進むべきかその中で自身はどのような関わり方ができるか、をじっくりと考えていきたいと思っています。

もしご興味あれば、日本の学生スポーツの現状について簡単に纏められた記事がありますので、ご一読頂けると幸いです↓


2. 原点

なぜ今後のキャリアにおいて、学生スポーツへの貢献を考えているかの原点を一言で表すと、「学生時代に抱いた問い」にあります。

私のバックグラウンドをご存知でない方のために、簡単に説明させて頂くと、私は学生時代ではラクロスに熱を注いでいました。

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高校はラグビーに身を捧げ、文字通り燃え尽きるまでプレーしたのですが(お陰で、豪州留学できましたし、足の骨を折りましたし、花園へ出場できました笑)、

大学は新しい何かを、特に努力次第で結果を手に入れることができるスポーツということで、大学から競技を始める方が大半のラクロスというスポーツを選択しました。

この選択が私の後の人生を大きく変えることになったといっても過言ではありませんでした。

スタートラインが同じだからこそ、誰にも負けたくない一心で昼夜問わず練習に明け暮れた結果、

早くしてレギュラーとなり、関西選抜にも選ばれ、主将にもなり…と中学・高校と得ることができなかった選手としての一定の成功を得ることができました(日本代表になれなかったのは今でも悔しいですが…)。

また、ラクロスを通じて学内外にたくさんの友人を持つことができ、社会に出てからも、世界中どこに行こうが、ラクロスの恩恵に授かることができたのは、この競技を選んで良かったと心から感じるものでした。


そんなラクロス時代に、人生に影響与えるほどの何があったのか?ということですが、時をさかのぼれば、それは大学4年生の頃になります。


主将になった私は部活運営の責任者として奔走しており、この運営というのが一筋縄にいかず、運営面で非常に頭を抱える毎日を過ごしていました。

ラクロス部は学内で一番歴史が浅い部ともあり、組織として未成熟な点が多々あったため、ただ単にプレーするだけでなく、

より良い部とするために、会計・広報・強化・人事・渉外・学内対応・協会対応等、ありとあらゆる方面に忙しなく動き回る必要があったのですが、

他部を見ると、主将がそこまでやっている部はなく、

本来勝つためにプレーに全力を注がなければならない身ながら、そんな時間すら十分に割けず、

「ここまで学生がやらなくてはいけないのか?」

と、学生ながら思うほど、強い疑問を持っていました。

(余談ですが、就活ではこの辺のエピソードのウケがよく、皮肉にもこの経験のお陰で就活が希望通りとなりました)

<体育会広報紙と密に連携し、様々な企画を立ち上げて貰い、ラクロス部の広報を行っていました(本当にお世話になりました!)>

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これに追い打ちをかけるように、環境面での問題にも直面しました。

ラクロス部は学内にグランドを持っておらず、部員自らがお金を出し合い公営のグランドを借用していたため(しかも主な移動手段は大きな荷物を持ちながらの原付移動で危険極まりない)、

安全管理や公平性の観点から、再三学校側に使用されていない学内グランドの利用を申し出ましたが、何かしらの理由をつけられ認められていませんでした。

また、体育会と称し、学校の代表として振る舞い、学校のために戦うことを求められるにも関わらず、

学校からの資金的な支援は非常に限定的で(部員数が少ない某文化系クラブよりも金額が低い始末)

「なぜ学校からの支援はこんなに乏しいのか?」

という点について、深く考えさせられるキッカケとなりました。

<ラクロス部練習場その1:西猪名公園球技場@兵庫県伊丹市(関西学院は兵庫県西宮市にあり、このグランドから原付で30分ほど掛かります)>

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<アメリカンフットボール部練習場:関西学院大学 第3フィールド>

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自分が所属するラクロス部を少しでも良くしたい一心で、学生時代の殆どの時間を費やして頑張ってきましたが、

どうしても学校に属する部活である以上、学生だけの力で超えられないものもあり、足掻けるだけ足掻くような日々でした。

一方で、例えば同じ体育会の部活であるアメリカンフットボール部は、全国区の強さを誇り、伝統のある部ということもあってか、

環境面(専用グランド・クラブハウス)・運営面(フルタイムのコーチ、多数の社会人スタッフ等)が、非常に充実した中でプレーをしていました。

会社で考えると、アメリカンフットボール部は大企業、ラクロス部はスタートアップ、のようなものなので、

そもそも組織のステージが異なり、ステージによって成すべきことも異なることは、頭では理解できるのですが、

会社と決定的に異なるのは、部活の大小はあれど、「学生が学校(教育機関)の下でスポーツしている」ことは同じであって、本来その中で大きな差があってはいけないということです。

アメリカンフットボール部員がプレーに専念できて、ラクロス部はそうできない理由は本来ないはずなのです。


先述の通り、ラクロス部は組織が未成熟で、手を付けるべきことが山積していたため、それらの問題に向き合うことで得られた貴重な経験があり、そのお陰で成長させて貰えたこともたくさんありますが、

本質をたどれば、スポーツをする学生は、スポーツに専念し、スポーツから得られる経験を人生の糧とし、卒業後の人生に活かさなければならないはず。

その部活運営での必要最低限のタスクを学校側が特段支援もせず、「学生自治の尊重」という言葉を盾に、ただ責任を放棄している状況だということになります(詳細は後述します)。

そう考えると、学校におけるスポーツの位置づけ・取り組み方に問題があるのでは?

という問いにたどり着き、以降その問いに対する答えを探し続けることになります。


3. ターニングポイント

このような部活という形態が当然と考えていた中で抱いた問いに対して、考えを深めるキッカケがありました。それは、アメリカの学生スポーツシステムとの出会いです。

私は新入部員の頃からアメリカの学生ラクロスのプレーを参考にしており、毎日部室でDVDにかじりついていました(まだYoutubeとかが流行る前でしたので…)。

画面に映る選手たちは、自分と同じ大学生にも関わらず、まるでプロ選手のようで、

プレーはどの日本人選手よりも上手であるのは明白ながら、用具は全て最新、試合会場は巨大なフットボールスタジアム、試合映像も大手スポーツチャンネルが放映、といったように

同じ大学生で、同じスポーツをしているにも関わらず、なぜここまで環境が違うのか?

と、圧倒されたと同時に、率直に疑問と興味を持ちました。

<最も衝撃を受けた2009年全米学生ラクロス決勝 Syracuse vs Cornell
冗談ではなく皆さん大学生です笑>

<おまけ:アメリカの学生フットボールはラクロスの比でなく、これが学生の試合で実現してしまっています>

自分の大学を通り越して、なぜ日本の大学とアメリカの大学でここまで環境差が生じているのだろう?

そんな興味から調べてみると、アメリカの学生スポーツには、学生スポーツ全体を統括するNCAA(National Collegiate Athletic Association)という組織があり、

更にそこには「スポーツを学校が主体的に行う意思を持った」大学が参加し、NCAAの理念である「ACADEMICS(学業)「FARENESS(公平性)」「WELL-BEING(安全・健康)」に基づき、実現・維持に向け運営されていることが分かりました。


大事なポイントなので、繰り返し言いますが、

①スポーツを学校が主体的に行う意思を持った大学

②その大学が集う統括組織「NCAA」

この2つが重要ですので、少し覚えておいてください。


NCAA詳細はこちらのデロイト作成のレポートに纏まっていますので、ご興味あればご覧ください↓(読むのはI〜IIIまでで大丈夫です)

アメリカの大学スポーツシステムを知れば知るほど、自身が影響を受けたアメリカの学生スポーツ環境が充実している面は、あくまで一部分であって、

学校単体のみならず、国中の学校を上げて、スポーツを教育と位置づけて、主体的に取り組み、何よりも「Student First」が前提で物事が議論されている…

その精神と視座の高さに感銘を受けたことを今でもよく覚えています。


4. 自分なりに考える日本の学生スポーツの問題点

上述で覚えておいてくださいと言った2点覚えていますでしょうか?

①スポーツを学校が主体的に行う意思を持った大学

②その大学が集う統括組織「NCAA」

問題点を端的に言うと、日本はこれらが整備されておらず、改革が「正しく」進んでいないことが問題であると考えています。

各論をそれぞれ簡単に説明した後、全体を説明させて頂きます。


①についてですが、学校が主体的にスポーツを行う意思って何だ?と、思われると思いますが、

簡単にいえば、学校がスポーツを正課(正規の課業)として取り組んでいるか?ということです。以下の図を用いながら説明させて頂きます。

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日本は、皆さんも耳にしたことのある「課外活動」としてスポーツは取り扱われています。

あくまで正課の「外」の活動であるため、冷たい言い方をすると、「ある程度の環境は揃えておくから、あとはそれぞれ自由にやってください」ということになります。

なので、大学は各部の運営には関与しませんし、各部の運営は部ごとで執り行われます。

これ裏を返せば、部の責任は学校で持ちませんよ、とも言えるのです。

皆さんもご記憶に新しい「日大タックル事件」ですが、この時に日大側で謝罪会見を開いていたのは、実は日大の学長ではなく、アメリカンフットボール部監督とコーチでした。

あれ?体育会って学校の正式な組織じゃないの?と思われると思いますが、

体育会はあくまで「学校が認めた課外活動」であるだけで、正課ではありません(私も今まで知りませんでした)。なので、部活動で単位が得ることができません。


一方、アメリカはスポーツを正課活動としています。

学校が学内組織にアスレチックデパートメント(体育局)を設置し、そこで職員が各部の運営を管理しています。

各部の資金管理、監督・コーチ人事、マーケティング、トレーニング・メディカル、学業支援、キャリア支援…様々なファンクションがこの部署にはあり、

文字通り、学校がカネとヒトを掛けて、主体的にスポーツを執り行っています。

学校スポーツを様々な角度から支える仕事が成立しているからこそ、水準の高い環境が整備されていることになります。

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これらのことから、学校がスポーツというものに、教育的価値や事業性を見出すことができれば、スポーツを正課とするという意思が学校に生まれ、

そうすると、スポーツに対してリソースを注ぎ込み、責任を持って取り組んでいくという主体的な姿勢が生まれる、ということになります。

従い、主語の違い(学校?部活?)により、学校におけるスポーツの環境が大きく異なってくるということです。

これが日本ではまだ整備が進んでおらず、ようやく筑波大学(2018年)や関西学院大学(2021年)がアスレチックデパートメントを設置し始めているといった状況で、ようやく主体的にスポーツを取り組む意義が理解されてきています。


②についてですが、アメリカNCAAは上述①のような主体的にスポーツに取り組む意思を持った学校が集う統括団体です。

この統括団体では基本理念である「ACADEMICS(学業)」「FARENESS(公平性)」「WELL-BEING(安全・健康)」に基づき、ガイドライン策定、監査、情報共有、仕組みづくり等が行われており、

各学校での独自の取り組みもありますが、国全体で学生スポーツの価値向上に取り組んでいます。


一方、日本はというと、何もしていない訳ではなく、「大学スポーツのビジネス化」というビジョンを政府が掲げたことが発端で、

2016年から日本版NCAA設立の動きが起こり、2019年にUNIVAS(大学スポーツ協会)という組織が設立されました。

2016年6月の日本再興戦略において、政府は2015年に5.5兆円だった国内スポーツ市場の規模を25年までに3倍超の15兆円に拡大するという目標を掲げ、

そこで、これまでまったく手が付けられてこなかった大学スポーツのビジネス化に着目したというものです。

(ちなみに、学生スポーツ含むアマチュアスポーツの市場規模は、2025年には3000億円とする目標と試算されていますが(試算根拠不明)、試算が作られた2012年時点での同市場規模は・・・「不明」となっており、なんだか絵に描いたモ…)

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勘のいい方は気付いたかもしれませんが、「ん?日本はスポーツを主体的に取り組んでいる学校は少ないんだよね?じゃあ、そんなの作って意味あるの?」という疑問がここ出てくるわけですが、

端的にいうと、UNIVASは「形から先に入ってしまい、NCAAをコピーしただけの単なる箱」でしかなっておらず、残念ながら機能していないどころか、更に日本の学生スポーツ改革の歩みを遅くしてしまっています。


そもそものアメリカNCAAの起源から話した方が分かりやすいので、恐らく今一番日本のスポーツの本質を突いている本であろう「スポーツ立国論」(安田秀一著)から引用させて頂きます。

大学スポーツはもともと、自然発生的に生まれた同好会のようなクラブチームでした。夢に向かう若者たちのエネルギーの矛先としてアメリカンフットボールやボートなどのチームが結成され、現在のアイビーリーグを中心に他の大学チームと対抗戦をするようになりました。
当時はルールや運営を決める仕組みもありませんでした。それでも、血気盛んな若者たちが母校を代表して戦う姿は、学生はもちろん、OB・OG、教員や学長たちまでをも熱狂させ、ロイヤリティを束ねていきます。ただそれがエスカレートして、特にアメリカンフットボールの試合が必要以上にエキサイトするようになってしまったのです。
危険なプレイが続き、死亡事故が頻発。そのころから大学でもさまざまな議論が行われるようになり、クラブや試合の運営を学生に代わって教員が管理するようになりました。それでも頻発する問題に、学長たちの大学スポーツの是非に関する懸念は消えませんでした。
大学でスポーツを行うべきかどうか。各大学でそんな根本的な議論がなされるようになりました。具体的には、当時ハーバード大学は、大学でスポーツを行うことを禁止するなど、大学によってスポーツへの取り組み姿勢に違いが現れはじめました。
そんな中でカレッジスポーツの大ファンだったセオドア・ルーズベルト大統領が、学長たちをホワイトハウスに集め、大学間でしっかりしたルールをつくるように促しました。
競技を通じて若者たちが成長していく姿、学生たちが学友たちを応援することで生み出される母校愛など、大学スポーツの価値を実感している学長たちは、お互いに協力しあって、共通するルールをつくり、試合を運営していくことで合意しました。それがNCAAの起源になります。

つまり、アメリカはあくまで学校主体で問題解決の手段として自発的にNCAAという統括組織が作られた経緯があります。

しかし、残念ながら日本のUNIVASはというと、平たく言えば「官がNCAAのいいとこ取りしようとして全く似て非なる箱を作ってしまい、参加校の意識レベルは後回し」といったものになってしまっています。

現状220校がUNIVASに参加していますが、(全てではないですが)アスレチックデパートメントも設置しておらず、とりあえずスポーツ庁(元をたどれば大学を管轄する文部科学相)が旗振る組織だから参加した、というような学校で溢れており、

日本のムラ文化を象徴するような何とも残念な組織がこの世に生まれてしまいました。

まさに仏作って魂入れずです。


UNIVASの方向性自体は、しっかりと学生を第一に考えた良いもので、国としても学生スポーツを活性化する方向に舵を切ったのは、日本の学生スポーツの将来において非常に大きな転換期だったのですが、

いかんせんこういう改革を官が主導でやると、ろくなものができないというのがお決まりで、その辺りのひと悶着加減は以下記事を見てみてください。(私も書きたいことがあり過ぎるのですが、書くとブログが終わらないので、今回は遠慮しておきます笑)


上述の通り、学校の主体性、意思を持った大学の集まり、の双方が日本ではまだまだ整っていないこともあり、学生スポーツ改革はまだ道半ばといった感じとなっています。

UNIVASが変な方向に曲げてしまったのは否めないですが、私は根本的な問題は、学校がスポーツに取り組むメリットが理解されていない、ことがポイントなのではないかと考えています。

スポーツをやれば盛り上がる、お金が入る、という単純なものではなく、スポーツは教育的・事業性の観点からとてつもないポテンシャルを持ち合わせています。

だからこそ、学校がスポーツの持つ価値をもっと評価すべきだと考えます。

学生スポーツが持つ価値がいかにアメリカで評価されているか、以下プリンストン大学アスレチックデパートメント副局長のアリソン・リッチ氏のコメントを見てもよく分かると思います。

スポーツ競技に参加する個々の学生にとって、プリンストン大学の目的は、彼らは本当の意味で「学生選手(student‐athletes)」であり、ハイフォンの両側の「学生(student)」と「選手(athlete)」とが同じ重みを持つということです。プリンストン大学は選手は一般学生の代表であるとみなし、特別扱いせず、彼らの健康、学業成績、人間としての成長について他の学生と同じように見守っています。
プリンストン大学のスポーツプログラムへの参加は、学生が秀逸さ、仲間への尊敬、フェアプレー、チームワーク、指導力、忍耐力、高潔さをさらに追い求めることを可能にすると私たちは願っています。スポーツは学生が人間的、体力的、知的なスキルを向上させる機会を与えます。これらのスキルはすべて、選手が秀逸な学生、市民、指導者になることに寄与し、卒業後の人生がどのようなものであり応用できるものです。
一般学生向けと別の、プリンストン大学の学生選手にとっての目標は、簡潔に申せば「目標を達成すること、社会に貢献すること、リーダーシップを身につけること」です。これら3つのすべてが学生選手の教室での学びをコミュニティやもっと広い世界での生活に結び付けることを手助けします。

事業性の観点としても、

スポーツを通じた社会で活躍できる優秀な人材の排出
スポーツ関連収入(チケット、スポンサー、マーチャンダイズ、放映権)
露出度向上によるブランディング(入学者・受験者数増)
学生・卒業生のロイヤリティ醸成(寄付金増)

等とメリットを挙げればキリがありませんが、

スポーツへの取り組みを「投資」と捉えることで、十分リソースを注入するに値する事業だとも考えます。(リターン含めここを定量化したいと考えています)

「教育的なものをビジネスにするのは間違っている」こんなことがそこらじゅうで言われていますが、

何が間違っているのか私には全く分かりませんが、これも立派な学校の事業戦略のだと胸を張れば良いだけと思います。


5. 自分を突き動かすもの 

学生時代に抱いた問いに対して、会社を辞めてまで取り組むことになるとは思いもしませんでしたが、

なぜここまでやるのか?と聞かれると、ちょっと格好つけてますが、

「学生時代の自分を作ってはいけない」

これに尽きるかなと思います。


私はラクロスに4年間も休むことなく没頭できましたが、それは裏を返せば、その分ラクロス以外のことを代償に活動をしていたこととなります。

学業にもっと興味を持ってたくさん勉強すればよかったですし、もっと社会との接点を持つべきでしたし、卒業後を見据えたキャリア形成をすべきでしたし…

どのようなことに時間を費やしてもよいこの魔法のような4年間で、得られる経験は無限大にあったも関わらず、自分はラクロスだけになってしまった。

それはそれで良かったのですが、やはり社会に出てから、自分の人材としての薄さを認識する場面が多くあり、学生時代を100%肯定することができませんでしたし、

たらればを言うのは嫌いですが、もし自分がアメリカの大学のような環境でスポーツをしていたら、もっと色んなことが学べただろうなとも思います。


だからこそ、これからの学生には、社会で思いっきり活躍するための準備を大学で余すことなくやり切って欲しいですし、

充実した環境の中で、スポーツ・学業に没頭し、自分を磨き続けることで、次の日本を担うリーダーになって欲しいと切に願っています。

もし自分がその一翼を担うことができればこの上ない喜びですし、個人的には、学生時代の自分への償いにもなるのかなと思います。


6. 内なる原動力の大切さ

前編・後編に渡り、三菱商事を辞めて海外留学に至った経緯を書かせて頂きました。

思い切った決断をしましたが、こうしてまとめてみると、いかに自分の原動力のようなものが大切か思い知らされます。

まだ渡米はしていませんが、退職から2ヶ月過ぎただけでも良いことも悪いことも様々なことが起こり、その都度考えさせられました。

好きなことを仕事にするって本当に簡単じゃないなと思いますし、好きだからこそ見なければよかったものもあります。

ただ、どれだけしんどい状況でも、「楽しい!」と心の底から言えるということが、どれだけ背中を押してくれることか・・・

そう思えるのも、学生スポーツに貢献したいという想いだったり、もっとスポーツを通じて人が育てば良いのになという希望だったり、

といった純粋に自分の中から滲み出た原動力があるからで、本当に人が生きる上で何よりも大切なピースなのだろうなと、自分でブログを書いておきながら実感しています。

<そういえば、炭治郎も同じようなこと言ってましたね>

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生活する場所も変わり、歳も重ね、ライフステージも変わり、考えはどんどんアップデートされるので、自分も今のままでいるとは到底思えません。

ただ、どれだけ考え方や価値観が変わったとしても

「自分に正直に生きる」

今回の退職で学んだこれだけは、これから「白米を食べる人生」を送る上で、大切にしていきたいなと思います。


7. 最後に

ここまでツラツラと書きましたが、お疲れ様でした笑

前編を読んでくださり、コメントを下さった方が思いの外多く、地味に舞い上がってしまったため、結果的に後編も長くなってしまいましたが、

ブログの目的である自分の頭の整理と備忘という意味では十分役目を果たしてくれましたので、これからもちゃんと書いていけるように頑張りたいと思います。

次回からは現地での学びとか思いついたこととかを気軽に簡潔に書きたいと思いますので、また読んでやって頂けると嬉しいです!


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