梅雨明け
あの夏は
梅雨明けを迎えられなかった
心は湿りっぱなしで
海水浴場の煌めきもうつろで
最後の言葉は電話の中
触れる事すら
表情を見ることすら出来なかった
僕はただ「わかった」と一言
後から心に押し寄せる波が
少しずつ精神の岸辺を削り取る
降り続く雨に傘もさす気力もなく
涙を隠す為に歩き続けた
流れて溶ける君の顔
温もりや香りの記憶が薄れる
嬉しくも清々しくもあり
やっぱり悔しくて悲しくて
時が経った今年の夏
気持ちの良い梅雨明けに車を走らせる
あの時の「わかった」への後悔と
自分の強さに想いをはせて
西の入道雲を見つめた
湧き上がる雲のように
何度も生まれ変わるあの雲のように
ともですっ、最後までご覧頂き本当にありがとうございます^^