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タヒ


ニュースで流れてくる事件や事故、

「焼け跡から3名の遺体が…」

それだけが今日の日本で亡くなった方の
人数だと思っていた。


いやそんなはずないのはわかっている。
でもどこかでそこに深く目を向ける事を、
直視すること避けていたようにも思う。

地震や台風などの災害以外でこんなにも
「死者数」
に日々触れる事は初めてだ。

だからこそその「数字」の変動に
ヒステリックになってしまう。
もちろん一つ一つの命の尊さに
違いはないのだけれど。



なるほど調べてみると毎日
すごい人数の方が亡くなられている。
病気、事故、事件、寿命、自殺…

だからどうこうと考えるのは
あなたに任せるけれど、
僕自身ひとつ感じた事がある。




「人間だってただの生き物」



なぜかなんだか人というのは
動物や植物よりも上等な存在で、
言葉にせずともどこか
「地球を統べる者」
のような態度というか空気感を放つ。


いやいやそんなことはない。
さっき叩き潰した蚊や、
公園で踏み付けたタンポポとおんなじ。

地球という栖の中で
命のサイクルを繰り返す
という意味では対等なのだ。


ああ自分だってその大きくも小さい
サイクルの中の刹那に立っていた
のだなと痛感した。

「死」をどこか違う世界で起きている
数字や出来事のように軽く感じていた。




生まれたからには死んでいく。

そんな絶対的かつ圧倒的な絶望に
頭を突っ込むことから生まれる
エネルギーがある。

いま、今しかなくて、
それ以上でもそれ以下でもなくて。

だからこそやっぱり今なんだなと。



通勤者の群れの足音が、
勝ちも負けもないような不毛な戦いに
向かう軍隊の足音に聞こえる。

そんな寂しさと虚しさと、
何とか形を保っている誇りやプライドを
うっすらと感じる。


はて、この中に今日自分の命を
生きる為に足を運んでいる人は
どれほどいるのだろうか。


そしてなにより自分のこの両足は
何処に何の為に向かっているのか。





「今、生きていますか?」



ともですっ、最後までご覧頂き本当にありがとうございます^^