泥だらけ

小雨の中
焚き火を眺めていた

奥の大木の根本に
影が見える

小さく痩せた猫が
強く弱く生々しく
僕を見ている

夜中の暗闇の中
僕と猫と焚き火

放り投げた肉に
僕に注意しながらかぶりつく

雨に打たれ
泥にまみれ
土に落ちた肉にかぶりつく

気づくと僕は泣いていた

かわいそう
よかった
情けない

いろんな感情が複雑に絡み合う

ただ明確に
彼の方が強かった
美しかった
生きていた

人は
僕は
何をしているのか

森を拓き
海を汚し
天をも狂わす

自分達以外の生を
どこか見下ろしていて

生かされていることすらも
日々の汚れた生活の中で
薄れていく
感じない

僕はじっと彼を見つめた
彼の目が
彼の姿が
あの日の炎が
あの日の雨が
心を締め付ける

僕は何をすべきだろうか
何ができるのだろうか
一生懸命に
生きられているのだろうか

もっと泥だらけになるべきは
僕じゃないのか


ともですっ、最後までご覧頂き本当にありがとうございます^^