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寄付月間の12月に考えたい、NPOが寄付者への御礼をする時に大切にしたい姿勢

12月は、寄付の受け手側が寄付者に1年の感謝をしたり、一人ひとりが寄付について考えたりアクションを起こすきっかけとなる寄付月間です。

寄付を集める側のみなさんは、「寄付者への御礼」をする時にどういったことを大切にされていますか?

継続寄付者数が多いNPOや団体には、実は寄付者の定義づけをしているところが多いです。具体的な御礼のタイミングや言葉選びなどのテクニックは様々にありますが、それらを上手く使っていくには寄付者が自分達にとってどういった存在なのかを考えているかは大切になってくると思います。

では、そういった団体は寄付者をどのように捉えているのでしょうか?


寄付者は、「仲間」であり「団体のファン」

ファンドレイジングは、「フレンドレイジング」や「ファン度レイジング」とも呼ばれることがあります。社会を一緒により良くしていくためのフレンド(友人、仲間)を集めていく行為、自団体のファンを増やしていく(ファン度を高めていく)行為であるという捉え方です。

継続寄付者の多い団体は、このように団体としての寄付者の定義づけをしたうえで、寄付者とのコミュニケーション方法を考えたり、寄付者特典をつくったりしています。

実際に行われていた例を挙げてみると...

認定NPO法人テラ・ルネッサンスが「冬の感謝月間2020」という取り組みを実施していました。

こちらは、寄付者への感謝の想いが込められているメッセージがウェブサイト上で公開されています。

団体スタッフ1人ひとりから、ちょうど良いボリュームで手書きになっているメッセージは、団体の寄付者に対する姿勢が感じられるように思います。


他にも、もう少し簡単な御礼の方法もご紹介しましょう。

代表的な御礼の方法として、メールやSNSのDM(ダイレクトメッセージ)で御礼メッセージを送るというものがあります。

ここ数年で、SNSを活用する団体も多くなり、facebookやTwitterなどでつながる寄付者も出てきているかと思います。

個人的には、きちんとした文面での御礼も大事だと思う一方で、友人に御礼を言うくらいにカジュアルな関係性・距離感の寄付者をどれだけつくっていけるかも大切なことと考えています。

とはいえ、寄付者との関係性・距離感を判別するのは中々難しいですよね。

そうした場合には、相手との関係性・距離感を見極める基準を設けておくのも1つの方法だと思います。

ご参考までに、私の場合は寄付者とコミュニケーションを取る際に、その寄付者は団体の活動にどれくらい参加しているのか(期間、頻度、他の事業への参加度合いなど)を必ずチェックするようにしています。

それを踏まえて、頻繁に活動に参加している人にはその参加頻度に触れ、他の事業にも参加している人にはそこでの貢献について触れながら御礼を伝えることで、「団体の活動に参画する一員として受け入れてもらえているな」と感じていただけることにつながると思います。

団体としてもスタッフ個人としても、メールやDMなどで御礼メッセージを送ることができる関係性をつくっていければ、より仲間やファンになっていただけると考えています。(寄付者によっては、電話や面会等の他のコミュニケーション方法が良い場合もあります)

他にも、ちょっとした御礼の仕方を紹介している記事もありましたので、ご参考ください。

また、非営利組織や社会貢献団体向けに支援者管理サービスをしているコングラントでは、日頃から活動を応援してくれている寄付者の方々に向けて、団体から1年の活動の成果と寄付への感謝を伝える「キフレター」という取組みが実施されていました。

いつも活動を支えてくれている寄付者・支援者への報告・御礼を準備されている方々は、数十団体のキフレターが公開されているので、感謝の伝え方の参考にしてみてはいかがでしょうか。

テクニックやフォーマットよりも、寄付者への御礼に大切なもの

ここまで「寄付者への御礼」について、具体例やテクニックなどをまじえてご紹介してきました。ただ、御礼というものを考えた時に、寄付者に対してであったとしても、家族や友人・知人に御礼・感謝を普段する時と同じように、寄付してくださった人達への「感謝の気持ち」を持って、真摯に対応していくことの方が、どんなテクニックや具体例を参考にするよりも大切なことのように思います。より多くの団体が、寄付者とより良い関係をつくっていけることを願っています。

※本記事は、ファンドレイジングお役立ちブログ「寄付者に御礼をする時に大切にしたい姿勢」をnote用に編集したものです。


記事をお読みいただき、ありがとうございました!もしよろしければ、サポートいただけると日々の活動の励みになります!これからも日本の非営利活動のお役に立てるように、様々な機会に参加して得た海外のソーシャルセクターの情報や知見を発信していきますので、今後ともよろしくお願いいたします!!