【先週の不満ビッグデータ】(~2023/12/10)①子育て支援の不公平感、②タイツは冬のパートナー
こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。
このnoteでの連載として「先週の不満ビッグデータ」をお届けしています。
この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週水曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Better Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きください。
先週の生活者不満(~2023/12/10)
Insight Techが運営する不満買取センターに寄せられる不満の声。注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」です。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。
このうち、今週は①「不公平」、そして30代女性で増加した②「タイツ」に注目します。これらのワードは先週増加が目立ちました。早速どんな不満だったのか見ていきましょう。
①子育て支援の不公平感
先週、3人以上の子どもがいる多子世帯について大学授業料など高等教育費を無償化する方針が政府より発表されました。月内に決定する少子化対策の「こども未来戦略」に盛り込まれるとのことで、2025年度から始め、所得制限は設けられません。
このニュースに対して、不満買取センターには「不公平」とのキーワードと共に多くのモヤモヤが寄せられました。
まず多く寄せられたのは、子ども2人と子ども3人の場合で無償化されるかどうかが決まることへの不公平感です。
「2人までは支援が不要で3人以上になると支援が必要」とのように受け止められた結果、「2人でも大変。必死に生きてきたが虚しい」「2人目までだと子供が歓迎されていないようで可哀想」など、不公平感だけでなく「虚無感」や「歓迎されていないような子供への同情」へと拡がっています。
また、3人ともが子どもである必要があることから、「3人きょうだいだが長子が成人した場合に恩恵が受けられない」との声も寄せられ、子供の年齢の近さも支援を受ける条件になることが不公平感をもたらしているようです。
子どもが3人以上となる世帯を増やしたいとの狙いは理解しつつも、生活者としては実際の負担感を踏まえ公平に支援して欲しいとの想いがあるようで、「自分の大変さは分かってもらえない」という虚しさに繋がっているようです。
「IT技術を使って、支援のあり・なしだけでなく、負担感に応じた支援を」といった提案も聞かれ、統計的なファクトに基づき、データサイエンス等科学的なアプローチによる政策立案(いわゆるEBPM(Evidence Based Policy Making))を通じて公平性を担保することが求められていると言えます。
②タイツは冬のパートナー
先週は一気に冬のような気温となったことで、女性30代で「タイツ」に関する不満が増加しました。
まず目立ったのは「乾燥肌」と「タイツ」の相性についての不満です。「乾燥肌でタイツを履くと粉を拭いてしまう」「乾燥でかゆくなる」「乾燥していると伝線してしまう」と乾燥肌故にタイツを履くことで様々なトラブルが発生することへの不満が多く寄せられました。
保湿機能を持つタイツも販売されていますが、まだまだ不満解消には至っていないようで、「保湿機能を高めたタイツ」が販売されれば「ペイン」を「価値」に変えられそうです。
「暖かく、乾燥肌もケア出来て、伝線しにくくなる」という1石3鳥が大きな価値をもたらすでしょう。
次に目立ったのが「台紙が不要」との意見です。先週増加が目立った「通販のダンボール不満」と類似する不満です。
https://note.com/tomohiroito/n/n5d22d390b87e
具体的には、「パッケージの四角を保つための厚紙が不要」「ゴミになる」「取り外すときに伝線しそうで心配」との不満です。
売る側からすると、パッケージの一部として確りと整形した上で、商品への気づきを高め購買に繋げたい、との想いがありますが、これが一部の生活者にとっては「逆効果」となっているようです。
特に、コロナ禍により「家庭ゴミが出る」ことへの抵抗感が増しており、「立派なパッケージ」であることよりも「ゴミが出ない」ことが優先されるケースが増えてきている可能性があります。もちろん背景にはコロナ禍の影響だけでなく、環境問題への意識の高まりもあります。
例えば、同じ商品であっても、「台紙あり」「台紙なし」を選べるようにする。これにより、初回の利用は台紙ありのパッケージで商品の特徴を理解し、2回目以降は気に入ればその商品を「台紙なし」で購入する、など生活者の気持ちに寄り添った顧客体験が可能になると考えられます。
「良かれと思っている常識・前提」を見直すと、そこに顧客体験を高めるヒントが見つかるかもしれません。
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Insight Tech 伊藤
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