【先週の不満ビッグデータ】(~2024/4/7)①新入社員の給与が高いのはいいけど、②いい感じの氷が欲しい
こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。
このnoteでの連載として「先週の不満ビッグデータ」をお届けしています。
この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週水曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Better Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きください。
先週の生活者不満(~2024/4/7)
Insight Techが運営する不満買取センターに寄せられる不満の声。注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」です。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。
先週は静岡県の川勝県知事の発言に多くの不満が寄せられました。川勝県知事の発言はその後撤回されましたが、職業差別のない世界に向け、生活者からは「知事の発言が差別を助長しかねない」との不満が多く寄せられました。
そのようななか、今週は①「新入社員」、40代女性で増加した②「氷」に注目します。
①新入社員の給与が高いのはいいけど
4月となり、多くの企業で新入社員を迎える入社式が行われました。これに伴い、不満買取センターには「新入社員」にまつわるモヤモヤ・不満が多く寄せられました。
目立ったのは、「世代が違う新入社員と付き合うことへの配慮・気遣いに関するモヤモヤ・不満」です。「歓迎会での出し物は止めた方が良い」「パワハラにならないように気を遣うので疲れる」などの声が多く寄せられました。
このような声は「先輩社員」として感じるモヤモヤと言えますが、一方で自分が新入社員だった頃も、内容や程度こそ違えど、同じように「その時の先輩社員」が配慮してくれたことを思い出し、感謝するきっかけにもできそうです。
世代間の交流は難しいかもしれませんが、それを乗り越えてこそ職場のチームワークが発揮されると信じ、フレッシャーズの成長をサポートしたいものですね。
そして、今年目立ったのは「新入社員の初任給が上がっていること」へのモヤモヤ・不満です。
採用競争が激化している中で、物価高等を考慮に入れ、特に新卒の初任給を上げる企業が目立っています。その結果、「先輩社員」からみると不公平感に繋がっているケースが多くあるようです。
このような不公平感は会社へのロイヤルティの低下を通じて働き甲斐をなくすきっかけとなってしまいます。
日本では新卒大量採用・年功序列をベースにしている企業が多いなかでこのような不均衡は先輩社員のモチベーションに影響を与えかねません。スキルや成果に基づく評価を透明性高く運用し、「世代」だけで不平等が生まれないよう配慮する必要が今まで以上に高まっていると言えます。
何はともあれ、フレッシャーズの皆さん、頑張ってください。
②いい感じの氷が欲しい
4月になり気温が高い日が続いたこともあり、不満買取センターには「氷」に関わる不満が多く寄せられました。特に40代女性での言及が増加しています。どのような不満なのか、早速見てみましょう。
まず目立ったのは「冷蔵庫で氷が出来るのが遅い」という不満です。気温が高くなり、冷たい飲み物を氷を入れて飲むことが増えたためか、冷蔵庫で自動的に作られる氷が追い付かないことへの不満です。「急速製造モードがあればいいのに」というアイデアも聞かれました。
それ以外にも意外な「氷不満」が寄せられました。それは「氷の大きさ」に関する不満です。「大きい氷をほおばりたい」「子供用には小さな氷を」と自分の好みや口の大きさに合った氷が欲しいという不満です。
冷蔵庫で自動的に氷が作られる機能が当たり前になった今、飲み物を飲むという行為において「氷の大きさ」が期待されている点は、飲むシーンの新たなインサイトと言えるかもしれません。例えば家族構成に合った大きさで氷を作ってくれる機能や氷の大きさを選ぶことができる機能などの付加価値が冷蔵庫の新価値として新たな市場を生み出すかもしれません。
また自宅だけでなく、飲食店でも「氷の大きさ」が話題になっていました。「氷を入れるかどうかを選びたい」という意見は以前から聞かれていましたが、「飲み物に入れる氷の大きさを選びたい」「大人は大きい氷で子供は小さい氷を」と「氷の大きさを選ぶ」事への期待が高まっています。
勿論コストや手間がかかる前提ですが、飲食店において「氷のあり・なし」だけでなく、「氷の大きさや砕き方」を選ぶことが出来れば、他の店舗との差異化が可能となり、新たな顧客獲得に繋がるかもしれません。
マーケティングにおいて「自分らしく」がテーマになって久しいですが、「氷の大きさ」にまでもその波が押し寄せていることは注目に値します。
「選べる」ことが価値を生む時代。どのような「選択」を生活者が望んでいるかを知ることが新たなビジネスチャンスのヒントになるかもしれません。
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Insight Tech 伊藤
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