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ユーザーの声(VoC)活用は”ネクストステージ”へ

Insight Tech で代表をしている伊藤です。

Insight Techは「声が届く世の中を創る」をVISONに掲げており、不満買取センターに集まる4,000万件超の「不(ペイン)」のビッグデータの活用はもとより、各社がお持ちのVoC(Voice of Csutomer)データの活用もご支援するVoC活用のプロフェッショナルチームです。

このnoteでは、「VoC活用に関わる潮目が変わった」ことについて皆様と認識を共有できればと思います。

ここのところ、大企業のキーマンの方々とお話しする中で「VoC活用が次の重要テーマである」と仰って頂ける機会が増えており、その背景を私なりに紐解いていきたいと思います。

1.まずVoCデータとはなにか

VoC。一般的にはVoice of Customer(顧客の声)の略とされます。私たちInsight Techではこれに加えて、Voice of Client(クライアントの声)、Voice of Citizen(市民、生活者の声)もVoCと捉えています。

このVoCが表現されたデータがVoCデータ。つまり、VoCデータとは「生活者・ユーザーの気持ちがが表現されたデータ」と言えます。

上図にある通り、VoCデータにはその代表的なものとして「自社のカスタマーセンターに届く声」がありますが、それ以外にも「SNSで語られる声」「満足度調査やNPS調査に記された自由回答」「レビューサイトに集まる評価の意見」などもVoCデータです。不満買取センターのデータもVoCデータと言えます。

ここまで読んでいただければ、「VoCデータはテキストデータだからなんか扱いにくそう」というお気持ちになったのではないでしょうか。その「扱いにくさ」がまさにVoC活用を阻害している一因となっています。

2.VoC活用のギアチェンジ

一方で一部の先進企業ではVoC活用を重要なビジネステーマと位置付けてギアチェンジをされています。

「これまで」のVoC活用はいわゆる【付帯業務】として位置付けられ、トラブルの種に対応し、効率化の対象業務として扱われてきました。

これを【コア業務】として変革させようとするギアチェンジです。
VoC活用はお客様一人一人のお問合せに対応することはもちろんですが、これに加え、企業としてのイノベーションの種を見つけ出すクリエイティブな仕事であり、付加価値を生み出す創造活動であると位置づけるギアチェンジです。

VoC活用をコア業務として捉えることが企業競争力を高めるカギの一つになりつつあり、そう考える先行企業ではすでにこのマインドチェンジを行動に移しています。

3.ギアチェンジを実践する先進企業

例えばコンビニエンスチェーンを展開する株式会社ローソンでは2022年、社長直下にVoC活用業務を集約する組織改編を実施しました。コンタクトセンター統括と消費者調査機能を統合し「CS推進室」として社長直轄に配置したのです。まさにVoC活用の一元化&経営レベルとの連携強化を狙った取り組みと言えそうです。

株式会社良品計画は生業としてVoC活用を実践されています。同社が運営するIDEA PARKで声を集めカタチにする仕組みを作り運営されています。ユーザーからのリクエストをカタチにしフィードバックすることで次のファンを育てる好循環を実現されています。

また、味の素株式会社では「マーケティングデザインセンター」を新設、マーケティングリサーチ機能やコミュニケーション機能などを集約し、事業部との連携を強めるなかでVoCなどのマーケティングデータから新しいアイデアや企画・コミュニケーションを生み出すという従来の商品開発プロセスを一変する取り組みを推進されています。


このような先進企業の取り組みに共通する成功要因は二つです。

一つは経営レベルの関与です。これまでVoC活用というと現場での分析業務、という位置づけでしたが、これを経営レベルの意志決定に繋げよう、と業務・組織デザインがなされている点です。

もう一つは仕組み化。VoC活用というと「属人的に読み込んで定性的に解釈する」という業務となっているが故に、意志決定の根拠データとして活用しづらかった側面があります。これを型化しながら仕組みにすることでVoCデータを意志決定の根拠として活用していこうとする点です。

これら二つの成功要因を支えているのが、自然言語処理技術を中心としたデータサイエンスです。

私たちInsight TechはVoC活用に特化した文章解析AIを独自に構築しており、こうしたテクノロジーにより、仕組み化が可能となり、その結果、VoCデータが経営レベルの意志決定に活用できるようになっているのです。

VoC活用はテキストデータで扱いが難しい、はもはや言い訳にできない時代になったのです。

4.なぜギアチェンジが必要なのか

文章解析AIを中心としたテクノロジーでVoCデータが活用しやすくなったという変化はあるとして、なぜVoC活用が重要なビジネステーマなのか

一言で言えば「生活者と企業の関係が劇的に変化しているから」

つまり企業側だけでは答えが見つけられない時代で、むしろ多様化した生活者の気持ちの中に答えがある。だとすると、生活者の想いに耳を傾ける必要性が高まっているのでは、との背景です。

スモールマス化が進む中で様々な情報が生活者の中でシェアされる時代。
更に非対面化が進む中で見えているお客様からのご意見だけでは見誤る可能性がある時代。

こんな環境変化があるからこそ、幅広くVoCを客観的に活用しこれをスピーディにビジネスに活かす必要性が高まっているし、これからますます重要になると考えます。

5.まとめ

ここまで見た通り、企業と生活者との関係性の変化を敏感に察知した企業が、文章解析AIなどのテクノロジーを活用しながら仕組み化に挑戦しており、結果として経営レベルの意志決定にVoCを活用し始めています。

つまり「VoC活用の意味合いが劇的に変わり始めており、この変化にいち早く対応できるかが企業の競争力を大きく左右しつつある」というのが「今」であり先進企業のキーマンはそのことに気付き始めている。

私自身、決して我田引水ではなく、多くのキーマンとお話しする中でそう感じるのです。

企業と生活者の関係は「需要者・供給者の関係」から「価値共創のパートナーシップ」へ昇華させる必要がある。これに対応する手法としてVoC活用が注目されていると言えるのではないでしょうか。

ここまで読んでいただければ「VoC活用に関わる潮目が変わった」との感覚を共有頂けたと思います。
まさにVoC活用は”ネクストステージ”に進みつつあるのです。

6.Insight TechはVoC活用の伴走者でありたい

”ネクストステージ”に進んだ「VoC活用」。

とはいえ、VoCを活用することは決して消費者の意見に迎合する事ではありません。ファクトに基づいて戦略的に意志決定する必要があるビジネステーマです。

だからこそ、VoCデータに隠れた”答え”を客観的・スピーディに捉えることが肝要となります。

まさにこれが「仕組み化」が必要な背景であり、Insight Techは不満ファインダーアイタスクラウドなどの独自の仕組みを活かしたコンサルティングを通じて「VoCデータは活用しにくい」という課題をブレークスルーするパートナーでありたいと考えています。

VoCが活用されることで「声が届く世の中を創る」ことができれば、企業だけでなく、生活者にとっても喜びが大きいのは言うまでもありません。

さあ、VoC活用をご一緒に始めましょう。
Insight Techがプロフェッショナルとして伴走します。


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