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ぴったりなおせちに出会えない「おせち難民」ほか(先週の不満:~2021/12/26)

こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。

このnoteでの連載として「先週の生活者不満」をお届けしています。

この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週木曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Better Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きくださいね。

先週の生活者不満(~2021/12/26)

注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。

先週は「クリスマス」や「年末年始」などの季節関連ワードが急増しました。年末年始のせわしない毎日を憂う声が多く寄せられていることが想像できます。
そのほか、廃棄されることが決まった「アベノマスク」やサイズがSサイズに限定されたマクドナルドの「ポテト」に対する不満が急増しました。

そのなかで今週は、①「ケーキ」、②「ストロー」、③「おせち」に注目します。

ケーキ、廃棄されてないですよね・・・

まず「ケーキ」についてどんな不満が寄せられたのか見てみましょう。

最も多いのは「クリスマスケーキが高い」という価格についての不満です。クリスマス時期以外に同等商品に付けられている値段よりも高く販売されている印象を持たれていることも背景にあるようです。例えば以下のような不満です。

クリスマスにホールケーキ(5号サイズ)1つ買いましたが、よく考えるとこれに3900円。高い気がします。来年はショートケーキにしようかな。。(40代・新潟県)

値段だけでもなく、「廃棄」についての言及も目立ちました。クリスマスに合わせて大量の商品を販売したことで余剰が生まれそれが廃棄されているのでは、という不信に起因する不満です。

例えば、

売れ残ったクリスマスケーキを販売してほしいです。
廃棄されてしまうものが多すぎてもったいないです。(30代・東京都)

クリスマスで売れ残ったケーキを当然のように廃棄しているが、安く販売した方が食品ロスが減ってSDGSにも繋がるので良いと思う。(40代・埼玉県)

クリスマスケーキやチキンは完全予約制にしてほしい。廃棄がすごい。外国では食べるものがない人がたくさんいるのに。なにか間違ってる気がする。(50代・鹿児島県)

といった声が寄せられています。
食品ロス、SDGsといったキーワードも生活者から発せられており、社会課題となっている食料廃棄に対して生活者の感度が高くなっています。完全予約制にする、売れ残らないように値段を安くするなどの対策が求められています。
社会課題に対する企業の行動に生活者が目を配らせるようになった1年を象徴する不満と言えます。


環境負荷はわかるけど紙ストローは抵抗あり

「食品ロス」と同様に社会課題である「環境負荷」に関連して「ストロー」への不満が増加しました。

一部のファストフードやカフェチェーンで紙ストローが導入されていますが、これに対する抵抗感が多く寄せられています。ハンバーガーチェーンで紙ストローの導入が発表されたことが影響しているようです。

スターバックスコーヒー。紙ストローでフラペチーノをかき混ぜると折れる。フラペチーノだけは、別のものを使用して欲しい。(40代・東京都)

マクドナルドのストローも紙ストローになるのが不満。プラスチックストローのままにしてほしい。(30代・愛知県)

「環境負荷軽減」という狙いには賛同しつつも、いざ自分が不便になると抵抗感を感じてしまう生活者のジレンマがうかがえます。

このようなジレンマに対して以下のように代替案を提案する声も寄せられました。

ドリンクのストローを紙に変更しないでほしい。紙の味がしてしまう。ストローではなく上蓋をプラスチックから紙にしたほうが良いのでは?(30代・長野県)

ファーストフード店もマイボトル持参okにすればいいのに。紙のストローのあの感じが苦手。(40代・神奈川県)

ストローは飲み物を頂くときに口を付けることもあり、これが紙になることで「行為そのもののベネフィット(便益)」に影響が大きいことが抵抗感の背景にあるようで、ストロー以外のプラスティック部分を紙にする、あるいはそもそもマイボトル持参にする、などの代替案が挙げられています。

「社会課題には関心があるが不便はちょっと困る」、というちょっとわがままな生活者が納得し前向きに賛同できる行動変容を提示できるか。
「納得感ある行動変容」

これが2022年の経営に求められるキーワードかもしれません。

ぴったりなおせちに出会えない「おせち難民」

お正月も近くなり「おせち」についての不満も急増しました。例えば、

おせち買いたかったけど、高くて手が出なかった。雰囲気を楽しみたいだけなので、安価な材料を使ってそれなりの味のお手頃おせちを提供して欲しい。(40代・栃木県)

といった不満に代表されるよう「おせちが高い」ことを憂う声が目立ちました。一方で、以下のように、自分にぴったりなおせちに出会えないことを嘆く不満も目立ちました。

おせち用の商品が単品で色々売られていますが1品1品高いので大人数が集まるわけではない2人家族用に買うには多すぎるしコストもかかってしまい買いづらいので何品かセットになっているようなおせち料理のセットも売られていると良いのになと思いました。(40代・岐阜県)

一人用おせちを販売して欲しい。
普通サイズは量が多くて食べきれない。(20代・千葉県)

単身世帯や夫婦のみ世帯が増える中で、頂く人数の面からして自分たちに合うおせちがないことを憂う声。いわば「おせち難民」
確かに帰省を自粛する世帯が多く、且つ世帯人員が縮小傾向にあることを踏まえると、おひとり様、おふたり様専用のおせちがもっと増えてもいいのかもしれません。

その他にも、

おせちのパッケージを水で溶けたら小さくなったりするものにしてほしいです。年末はゴミがたまって大変です。(40代・大阪府)

自分の重箱に詰めてもらえるおせちサービスがほしい。
ゴミが捨てられないのにすごい量になる。(40代・大阪府)

のように、購入したおせち料理から大量のゴミが出てしまうことが不満だとする意見も目立ちました。
年末年始はゴミの収集が休止しますし、在宅の日が多くなったことでゴミの量がそもそも増えていることから、「おせちによって生まれるゴミ」に対する感度が高くなっていることがうかがえます。

ゴミフリーおせち、来年はそんなおせちが生まれるかもしれませんね。

先週の不満として今回は①ケーキ、②ストロー、③おせちに注目しました。皆さまが穏やかな気持ちでお正月を迎えられるよう、お祈り申し上げます。

※2021年を象徴する不満ワードをリリース。宜しければご覧下さい。

皆さんの不満がポジティブに変換され素敵な毎日が送れますように。
では、皆様、良いお年をお迎えくださいませ。

伊藤


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