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2021年の満足は「新しい日常でのほっこり」

Insight TechでCEOをしている伊藤友博(イトウトモヒロ)です。

私たちInsight Techは「声が届く世の中を創る」ことをビジョンに掲げビジネスをしています。「サイレントマジョリティ」や「声なき声」「届かない声」という概念を意志×知性×テクノロジーでブレークスルーし、声をビジネスに活かすかすことで競争力を高め、そして生活を豊かにする、そんなループが当たり前になる世の中にしていきたいと考えています。

年に一度、満足を買い取っています。

私たちが運営する不満買取センターは、24時間365日、生活者の皆さんの不満に耳を傾け、それをAIで査定し買い取りをしています。そんな不満買取センターで年に一度、エイプリールフール(4/1)に【満足買取センター】を開催しています。この日だけは満足を買い取ります!というコンセプトです。今日は、2020年に実施した満足買取センターに寄せられた声と2021年に実施した満足買取センターに寄せられた声を比較し、2021年春の満足ってどんな気持ちなんだろう?を明らかにしていきたいと思います。

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2020年は2,631件、2021年は6,442件の満足の声・気持ちが寄せられました。そこから見える満足の変化をアイタスクラウドを活用しながら探索しました(両年での件数の違いは開催時間の長さの違いに依ります)。

どんな満足が多かったのか? 

「満足買取センター」に寄せられた「満足の声・気持ち」を文章解析AI「アイタス」で解析し、意見の対象部(何に対する意見なのか)のみを抽出し、頻度に応じた大きさで表現するワードクラウドで可視化しました。

2020年、2021年ともに「子供」が最も目立っています。「店員さん」というキーワードも両年で確認でき、日常生活のちょっとしたシーンでの満足が生活者の気持ちをあたたかくしている様子がうかがえます。


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2020年、2021年のそれぞれの特徴は?

2020年と2021年とでは満足の内容がどう違うのか。それぞれの年で目立つキーワードを「生活者満足キーワード」として見ていきます。

2020年4月は新型コロナ感染症の拡大が進み初めての緊急事態宣言を間近に控えたタイミングということもあり、「混乱と変化」のなかで生まれた満足を表現するキーワードが目立っています。

「マスク」「トイレットペーパー」など買い占め等により在庫不足となったなかで購入できたことを喜ぶ意見が目立っていました。また、「中止になったがキャンセル代を取られなかった」など、イベントや予定の「中止」にまつわる満足も目立っています。ステイホームが求められたことで「家族で家にいてゆっくりできている」など日常生活が大きく変わった中で感じた満足が多く寄せられたようです。【大きな変化のなかでの「ドキドキ」】が満足をもたらしていたと言えるのではないでしょうか。

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2021年は2020年比較すると、穏やかな日常を表現するキーワードが目立っているようです。とくに「自分」が順位を大きく上げており、自分らしさ、自分が好きなこと・時間を見つめなおすことが満足につながっている点が2020年との変化を象徴的に示しているのではないでしょうか。

それぞれのキーワードについて、具体的にどんな満足が言われているのかを以下で見ていきます。

2021年生活者満足ワードから見える生活者の想い

 「自分」をキーワードにする満足からは「自分の好きなこと・人とのつながりを大事にしたい」という想いが炙り出されます。

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「桜」をキーワードにする満足からは「コロナの影響で外出が出来なかったけれど近所の桜がこんなに素敵だったなんて」というちょっとした気づき・発見が満足につながっている状況がうかがえます。

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「買い物」からは「久々のお出かけとお買い物がやっぱり楽しい」という満足が確認できます。外出自粛が求められる中で感染予防対策をしながらのお出かけがリフレッシュになった、との満足と言えます。

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「コスパ」についても2021年らしい満足キーワードです。先行きが不透明な中で「家計の工夫が求められるけれど安ければよいというわけではない。良いものをお得に手に入れると嬉しい」という想いがにじみ出ています。

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「味」に起因する満足も2020年よりも増加しています。外食での味というよりは、ステイホームが求められるなかで新しい商品との出会いや発見が満足につながっているようです。生活様式・動線が変わったことに起因する満足もありそうです。

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「心」というキーワードも2020年よりも目立っています。「心があたたかくなった」「心が満たされた」「心が元気になった」「心が温まった」など、皆さん自分の「心」に目を向ける機会が増えているのかもしれません。ちょっとしたシーンで心がほっこりと温かくなった、という満足が多いようです。

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2020年「変化の中でのドキドキ」から2021年は「新しい日常でのほっこり」へ

 2021年の生活者満足キーワードをみると、2020年が大きな変化のなかでの「ドキドキ」だったのに対して2021年は新しい日常の中での「ほっこり」が生活者の満足をもたらしていると言えるのではないでしょうか。

 2020年の春は初めての緊急事態宣言を間近に控え世の中に強い緊張感が漂い、大きな変化が求められたタイミングでした。その中では「変化の中でのドキドキ」が満足をもたらしていました。

 一方、2021年は引き続き新型コロナ感染症への強い緊張感は必要とされながらも、新しい日常の中で生活者は工夫をしながら喜びを見いだそうとしています。自分の好きな時間、近所の探索と発見、新しい商品との出会い、何気ない助け合いのシーンなど、【新しい日常の中でちょっとした「発見」「ツナガリ」「工夫」に心がほっこりした】というのが2021年春の生活者満足の共通項と言えます。つまり「新しい日常のでのほっこり」です。

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寛容さが求められる今、「気持ちが優しくなった」満足の共通項は

 2021年の生活者満足の共通項が「新しい日常でのほっこり」である中、他方で社会的には「〇〇警察」と呼ばれるような相互警戒の風潮が強くなり、相互に寛容さが求められる時代でもあります。

 そこで、生活者がどのようなシーンで「気持ちが優しくなれた」と感じているのかをアイタスクラウドで見てみます。アイタスクラウドの「優先課題」画面を用い、どんな意見が「優しい気持ち」をもたらし満足をもたらしているのかを炙り出します。

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2021 年春に生活者が「気持ちが優しくなれた」と感じた典型的な満足シーンは以下の通りです。

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家族や地元、ペットとのつながりや季節の変化など、当たり前の平穏な日常や大切な人との関係性が優しい気持ちをもたらしていることが分かります。「大変な中、丁寧に対応してくれた」との意見もあり、新型コロナ感染症の終息が見えないなかだからこそ、お互いにおもいやり、優しい気持ちを拡げていくことが日々の満足感・自己肯定感を高めるカギになっていると言えます。

社会全体にこんな「優しいほっこり」が拡がっていくことを願ってやみません。



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