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【先週の生活者不満】①BBQの音・煙・臭、②自動車税が高くなる理由(~2023/5/7)

こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。

このnoteでの連載として「先週の生活者不満」をお届けしています。

この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週木曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Better Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きください。

先週の生活者不満(~2023/5/7)

注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。

先週はゴールデンウィーク真っただ中ということもあり、「高速道路」「渋滞」「観光地」などのキーワードが目立ちました。今年のゴールデンウィークは新型コロナウイルス対策の緩和に伴って4年ぶりの人出となり高速道路では渋滞が多く生まれたようです。多くの人が移動し観光を楽しんだ一方で、それに伴う不満も生まれていたことが分かります。
皆さんのゴールデンウィークはいかがでしたか?

そのような中、今週は①「バーベキュー」、②「自動車税」に注目します。これらも先週増加が目立ったキーワードです。早速どんな不満だったのか見ていきましょう。

①BBQの音・煙・臭

ゴールデンウィークの後半は晴天が続いた地域が多かったこともあり、爽やかな陽気のもとでバーベキュー(BBQ)を楽しんだ人が多いようで、これに伴う不満の声が増加しました。

どうもバーベキューを楽しんだ当事者からの不満ではなく、その周囲の方々からの不満のようです。早速見ていきましょう。

具体的な不満を見ると、多くは「自宅の庭やテラスでバーベキューをされると周囲・近所は〇〇が困る」との声のようです。

〇〇には、バーベキューの「音(含む騒ぎ声)」、「煙」、「臭い」の3要素があるようです。これにより、子供が寝付けない、洗濯物が干せない、など実影響が出ているケースもあるようです。

一軒家が密集しているエリアで夜8時を過ぎても家の前でバーベキューして大騒ぎしている家族がいたけれど、近所迷惑なのでやめて欲しい。(30代・神奈川県)

隣の家の人が夜になるとBBQをやり始める。煙が部屋に充満してしまうのに、夜や家が密集するところでやらないでほしい。(30代・愛知県)

近所の家が庭先でBBQをしていて、洗濯物に臭いが付くし、家の中にまで臭ってくるのでやめて欲しい。夜になってもずっと臭ってくる。せめてBBQ場でやってほしい。(20代・神奈川県)

住宅地域でのバーベキューを禁止にすることはしにくい一方で、周囲への配慮が求められます。「事前にお知らせして欲しい」との要望もあるようです。お互い寛容であるためにも、そんな近所の会話や気遣いがあれば「お互い様」と思えるのかもしれません

BBQをするのはいいが、洗濯物を外に干して出かけてしまったりするので、あらかじめ知らせておいてほしい。(60代・北海道)

一方で、3大要素「音・煙・臭」をミュートしてくれる機能に対する期待もあるようです。

既に「煙」を吸収してくれるホットプレートはあるようですが、音や臭いをミュートしてくれる機能を追加することで、「気兼ねなくお家時間を楽しみたい」と思う生活者の潜在ニーズを満たしてくれるかもしれません。

住宅地でBBQをすると煙の臭いと灰が舞い上がり近所迷惑になります。住宅地でする場合は、煙や灰を吸い取る吸引機機能付きのプレートでしてほしいです。(30代・広島県)

天気の良い日は自宅でバーベキューしたいのに近所迷惑になると思うとなかなかできない。煙だけでなく臭いや音も吸引・消音してくれる機能が付いたホットプレートがあればいいのに(40代・東京都)

様々な行動制約を経験したことで、他者と同じ空間でリアルに交わる時間が少なくなったこともあり他者からの影響に敏感になってしまっていることも背景にありそうです。
本来は「配慮し合いながらも寛容でありたい」と願う一方で、行動制約の影響が収束するまでの期間では、このような「ミュート」機能が色々なシーンで求められている可能性がありそうです。

②自動車税が高くなる理由

先週は「自動車税」に言及した不満も増加しました。
毎年この時期に自動車税の納付案内が自宅に届くこととなるため、自動車税を支払うことに伴う不満が増加します。実際、昨年も5月に自動車税不満が集中しており、年間不満件数の9割以上が5月に偏っています。

自動車税不満の月次推移(不満ファインダーより作成)

具体的には、「クレジットカード支払いなどで手数料が必要となる」事への不満が目立ちました。様々な決済サービスが普及し民間サービスでは手数料が必要となることがほとんどないため、決済サービスを利用する際に手数料を取られることに抵抗感を感じる生活者が多いようです。

決済手段そのものがサービス化・付加価値化していることが背景にあると考えられます。また、サービスによって手数料がかわるなどの分かりにくいさへの抵抗感もあるかもしれません。

自動車税の納付の時期になりましたが、案内書にクレジットカードで納付できると書いありましたが、手数料が250円かかるのでやめました。なぜ手数料がかかるのでしょうか?(70代・兵庫県)

自動車税の払い込みの案内書に、支払い方法が増えたと、スマホ決済などの案内があったけど、クレジットカードも含めて、コンビニと金融機関以外は手数料が必要だって。物価高なのに、手数料なんて払えないよ。(40代・東京都)

次いで目立ったのが「新車登録後13年以上乗り続けると自動車税が増税される」との自動車税の仕組みに対する不満です。

同じ総排気量でも新車登録後13年以上経過した車両には自動車税が追加課税される制度で、古い車両が排出するガスが地球温暖化などに悪影響を与えるとみられているからです。そのため、環境問題改善につながる電気自動車やハイブリッドカーなどのエコカーは、追加課税の対象から外れています。

制度の意図は理解するものの、大切に長く利用することの「ライフサイクルコスト(自動車を廃棄して製造するためのコスト)」からみたサスティナビリティの観点から疑問に感じる生活者が多いようです。また、年式だけで追加課税されるかが決まる点も矛盾を感じる点になっているようです。

普通自動車を長く大事に乗っているのに税金が高くなるのは納得いかない。改善してほしい。(50代・京都府)

しっかりメンテナンスをして、大事に丁寧に長く同じ車に乗り続けると、自動車税があがるという仕組み。意味がわからない。むしろ長く乗ったら割引にしてほしい。(20代・愛知県)

同じ車に13年以上乗り続けると自動車税が増税されることに不満。新しい車に買い替える余裕なんてないし、物を大事にするのは良いことなはずなのにおかしい。自動車税の増税制度を見直してほしい。(30代・新潟県)

社会的な意義を背景に生活者に経済的な負担をお願いする、という場合、「社会のため」と抽象化せず、「自動車を長く利用する」ことよりも「エコカーを新たに購入する」事の方が社会的に意義があることを客観的に示すことが求められています。

「WHY?」が腑に落ちた状態でないと、本来は社会的に意義がある取り組みであっても、その意義が理解されず負担だけが増える、という逆効果を招いてしまう可能性があると考えられます。それでは持続可能と言いにくいのではないでしょうか。

データで示し、納得感を高める。社会的な行動変容を期待する領域こそ求められるアプローチだと考えます。


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