【先週の生活者不満】いつ停電になってもいいように/敬老の日はコトを贈りたい(~2022/9/18週)

こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。

このnoteでの連載として「先週の生活者不満」をお届けしています。

この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週木曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Better Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きください。

先週の生活者不満(~2022/9/18)

注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。

台風14号が日本列島に上陸したことにより、台風に関連した不安や不満が多く寄せられました。被害にあわれた皆様にお見舞い申し上げます。一日も早く平穏な日常が戻ることをお祈りいたします。

それ以外では、政府の新型コロナウィルスの接触確認アプリである「COCOA」のサービスを近く停止することに対して多くの声が寄せられました。「全数確認は不要であってもアプリでの接触確認は継続して欲しい」といった声が目立ちました。新型コロナ感染症への対応についてフェーズが変わる中で、どのように生活者の行動や意識を最適化するのか、という点において感染予防対策のアップデートが求められていると言えます。


そのような中で今週は①停電、②敬老の日に注目します。

いつ停電になってもいいように

台風14号によって各電力会社管内で多くの停電が発生しました。日本経済新聞の記事によると、20日午前8時半時点で、計13万5700戸に上ったとのことです。私たち「不満買取センター」にも停電に関する不満が多く寄せられました。

停電に関する不満を見ると、多くの生活者が「停電」があることを前提にした「電化製品」の新機能を期待しているようです。

具体的には、停電があってもある程度使える蓄電池付きの冷蔵庫、停電の時にも使えるペット用のミニエアコン、停電の時も外の明かりが入るような透明のシャッターなど、普段から使う家電製品等が停電時にも役に立つ、という「フェイズフリー」の発想が生活者の期待とマッチしていることが分かります。

停電時、冷蔵庫の電気は止まらないように、3日から1週間程度使える蓄電池が付いているとよいのにと思う。(50代・東京都)

停電時にエアコンが必須のペットが心配。小さい小屋に移動はさせるけど、キャンプとかのバッテリーみたいなミニエアコンがないと大変になる。(30代・大阪府)

透明な雨戸やシャッターがほしい。停電で外の光が入れば、すごく助かる。開発してほしい。(50代・鹿児島県)

停電に確りと備えるためにも、停電のシミュレーションしておきたい、という声も聞かれます。身の回りの多くが電気を使うことを前提としていることから、停電時にどのような影響が発生するのかを理解し、可能な範囲で備えをしておきたい、という意識の顕れといえます。食料や飲料を備蓄するのと同じくらいに「電気の備え」が求められていると言えます。

停電で水が使えなくなることがあるとは知らなかった。停電シュミレーション動画を発信して欲しい。(40代・宮崎県)

また、実際に停電を経験した人からは、「停電後の対応」に関する不満が聞かれました。

深夜の停電、復旧したら電気は自動で付いたけど、エアコンは切れたままだった。寝苦しかった、エアコンも自動で付いて欲しい。(30代・岡山県)

買い物に出かけていて留守にしていた時に自宅が停電になったらしく、洗濯機やその他の家電が止まっていたり初期化されていたりした。いちいちまた設定し直すの面倒なので、停電やめてほしい。(40代・埼玉県)

夜中に停電があったらしく、子供達の部屋の電気がついていた。机の電気もついていて、眩しすぎるほどでした。(40代・千葉県)

家電によって「停電の後にONになる」「停電の後にOFFのまま」がまちまちのようで、それにより不便や不快を被ったことが不満として寄せられました。家電の種類やシーンに応じて、停電後にONにする、OFFのままを選べるようにする、あるいは自動的に設定されることが、停電時の不便や不快をちょっと軽減するかもしれません。

敬老の日はコトを贈りたい

9月19日は「敬老の日」でした。
「敬老の日」について言及された不満も多く寄せられました。どのような不満が寄せられたのか、早速見てみましょう。

まず聞かれたのが、「また年寄りではない」と言われる、といった声です。親の世代などを敬おうとプレゼントや声がけをすると「自分はまだ年寄りではない」と怒られることがあるようです。

所謂「高齢者」と括られることに抵抗感がある人も多く、現に元気な方も多い中で、「敬老」という言葉が「感謝」を伝えるうえでちょっとしたネックになっている部分があるようです。

敬老の日というけれど、何歳から敬老なのか「老」という言葉がついているだけで年寄り感がすごい。70代の父母も敬っているけど、まだ年寄りじゃないと言われる。(40代・東京都)

敬老の日を祝うと、「まだ年寄りではない」という雰囲気で嫌がられるので困る。名称を変えてほしい。(50代・鳥取県)

その他には、「贈り物に困る」という声も多く寄せられました。

義理の両親に敬老の日に日頃の感謝を込めて贈り物をしたい気持ちはあるが、義母が甘いものが嫌いのため贈り物定番のお菓子などは選べない。インテリアなどもこだわりがあり勝手に送っても困るとのこと(中略)。(30代・神奈川県)

カタログギフト、敬老の日にプレゼントを考えていたが旅行だけのカタログギフトがないことが不満。グルメや雑貨ではなく種類少なくていいので旅行だけのカタログギフトを考えて欲しいです。(10代・青森県)

敬老の日のプレゼントとか、お金かかるし選ぶのも大変だから、学校や保育園で何かプレゼント出来るような制作してくれないかなぁ...じいちゃんばぁちゃんも孫が作ったもの貰えたら満足だろうし...(30代・愛知県)

共通するのは、「モノではなくコトを贈りたい」という気持ちです。両親や祖父母の世代が喜ぶような「モノ」を選ぶのは難しく、それよりも、【孫が心を込めて作ったプレゼント】や【なかなか経験できない体験】などのいわば「コト」を贈りたいという意見です。

両親や祖父母は自分たちよりも多くを経験・知っている前提で、「モノ」で感謝を示すだけでなく、家族の絆を再認識したり、これまでの人生を振り返ることができたりする「コト」のプレゼントが人生100年時代の「敬老」の在り様の一つなのかもしれません。

そう考えると、「敬老の日」は「絆の日」と読み替えることができるかも
しれませんね。

皆様の一週間が穏やかなものとなりますように!

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