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【先週の生活者不満】①外食が心配/②豆まき、もったいない(~2023/2/5)

こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。

このnoteでの連載として「先週の生活者不満」をお届けしています。

この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週木曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Better Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きください。

先週の生活者不満(~2023/2/5)

注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。

先週は回転寿司チェーン店での迷惑行為を撮影した動画が拡散したことが話題となり、これに関する不満が増加しました。迷惑行為によって外食をすることが心配になったとの声がたくさん寄せられています。

そのような中で今週は①「外食」、②「豆まき」に注目します。
これらも先週増加が目立ったキーワードです。早速どんな不満だったのか見ていきましょう。

①外食が心配

回転寿司チェーン店での迷惑行為が話題になったことで、「動画」「迷惑行為」だけでなく「外食」への「不安」の声が多く寄せられました

具体的には、「外食店での迷惑動画が次々と出てきて心配」「外食に行きづらくなった」との声が多数寄せられました。行動制限がなくなったことで外食を楽しむ機会が増えつつある中で、「心配だから行きたくない」という抵抗感が生まれています。

調理している様子も見せてほしい、といった声も寄せられており、これまでよりも更に「透明性」「安心感」が求められています。利用客による迷惑行為は問題外ですが、これを契機に、外食店側にも利用客に「安心」を提供するための仕掛けが求められそうです。

飲食店の迷惑動画が次々と出てきて、色んなことが心配になってしまい外食が嫌になってきた。精神的に暫く行けそうもないなぁ。迷惑行為をしたらどうなるのか、とことんみんなが知るべきだと思う。(40代・神奈川県)

外食で不快な思いを防ぐために、裏側でも安心して調理してるのを見せる事(店内調理カメラずっと公開ではなく30分おきに切り替わるなど)により、お客側も安心して来店できるのではないか?(30代・兵庫県)

コロナ禍によって生活者の衛生意識が全体として高くなっている中で、外食店が衛生的でないかもしれない、との懸念は外食業界にとって大きなダメージとなりかねません。

AIカメラによる行動検知などのテクノロジーを活用して利用客の迷惑行為を抑止しつつ、例えばライブキッチン形式で自分が頼んだ料理を席で動画で見られる、などのサービスを提供すると、安心感だけでなく、待ち時間の楽しさを提供する事にもつながるかもしれません。

また、そのほかにも、外食店に対して様々な期待が寄せられています。
子連れが快適に食事を楽しめるサポート、おひとり様を迎える工夫など、利用するユーザーの気持ちに寄り添った”おもてなし”のサービスが期待されているようです。

加えて、食の嗜好やアレルギーなどへの対応をきめ細かくできるようメニューを拡充したり、柔軟に対応して欲しいとの声も寄せられています。

小さい子供ができると外食などが全くできなくなります。数分だけでも良いので子供を見ていただける空間を作って欲しいです。預けたい方が予約をして、ある人数集まると保育士さんがその時間見てくださるとか...逆にこの時間帯だと保育士さんが居てくれてるとか...(30代・静岡県)

1人で外食をしたいので、おりとり様でも入りやすい店がもっとあったらいいのにと思う。1人だったら席が空いているかなど心配なので店の外に(お一人様席空いてます)(空いてません)とかの札とかあったらもっと入りやすい。
おひとり様押しの店のアピールももっと欲しい。(40代・大阪府)

ベジタリアンです。日本はベジタリアンに厳しすぎる。どの飲食店も肉や魚を使った料理がメインで肉や魚抜きで注文しようとすると、そういったことは出来ない!などと言われる飲食店も多く、外食が極めて難しい。ベジタリアン対応のメニューもひとつくらいは用意してほしい。(30代・山口県)

もっと世の中が、食物アレルギーに対応してくれたら嬉しいです。子供に重度の食物アレルギーがあります。子供が小さい間は、親が見れるが、成長に伴いずっーと何もかも見守ることはできない。世の中に、外食やコンビニにも低アレルギーのメニューが増えたりしてくれたら嬉しい。アレルギーの人がもうすこし暮らしやすいようになれば嬉しいです。(30代・愛媛県)

これらの付加価値は、効率よく店舗を運営しようとする側からするとコストになる可能性があります。一方で、一定水準のサービスはどの店舗でも提供されつつあります。

そうしたことを踏まえると、「透明性」「安心感」を提供しながらも、ターゲットとするユーザーを意識した特徴的な付加価値サービスを展開することが、生活者の期待に応えることに繋がりそうです。

②豆まき、もったいない

2月3日は節分でした。これに伴い、「豆まき」の不満が増加しました。具体的にどんな不満が寄せられたのか、見てみましょう。

「豆まきの後の掃除が大変」との意見が目立ったのは例年どおりですが、これ以外で目立った意見のまとまりとして「豆まきの後にその豆を捨てるのがもったいない」という不満です。

値上げラッシュもあり、また、SDGsに関する認知・理解浸透もあり、「食べ物を粗末にしたくない」という想いがこれまでにない不満のかたまりを生み出しているようです。

節分で豆を投げるという文化、SDGsと逆行してるようにしか思えない。
食べ物を粗末にしているようであまり好きな文化ではない。(30代・東京都)

節分の豆食べたいが味に飽きて豆まきのあとそのまま捨ててしまう。もったいないので何か再利用出来る方法を教えてほしい。(40代・兵庫県)

節分の豆まきを食べ物の豆じゃなくて、おもちゃの豆をまきたい。
食べられる豆だと、もったいないし踏んだりしたら、掃除が大変だから
フェルトで出来てるとか、固くない物がいいと思う。(40代・群馬県)

豆まき用の豆、まいた後に捨てるのがもったいない。拾うのも大変なので個包装で少量のものをもっと売って欲しい。(40代・東京都)

確かに、既に個別包装の豆も販売されていますが、取り扱う店舗が少ないのか、このような不満を解消するには至っていないようです。

食に関わる嗜好の変化ではなく、社会的な背景も影響して求められる商品の姿が変わっていくことがよく分かる事例と言えそうです。

もう一つの特徴的な不満のまとまりとして「外に巻いた豆も片付けてほしい不満」がありました。家の中は片付けるが確かに「鬼は外!」と外に投げた豆を片付けるケースは少ないのかもしれません。それにより、ただ汚れるだけでなく、色々な影響がもたらされている事への不満です。

節分の翌日犬の散歩に行ったら道に大豆が沢山落ちてて愛犬が食べてしまい家に帰って吐いてしまったのが不満。豆まきは良いが外に投げた豆はきちんと掃除して欲しい。(50代・千葉県)

外に向かって豆まきしたなら、ほうきで掃き掃除して欲しいです!車や人に踏まれて潰れた豆で道路が汚い。生き物も集まってくるし汚いから止めて欲しい。細い道だから人の家の前になるしほんと非常識。(40代・神奈川県)

節分の翌日 玄関前の道路が豆まきの後で豆が散らかっているのが不満。踏んだらよけい汚くなるし 鳥もよってくる。自分で撒いた豆くらいは掃除してほしい(40代・大阪府)

「確かに」と思わせる不満の意見と言え、「鬼は外!」と鬼を外に追い払ったとしても、その後の豆の行方について考えを巡らせる必要がありそうですね。

迷惑行為の動画拡散の件も合わせると、先週の不満は、マーケティングのヒントだけでなく、「自分の行動が周囲にどんな影響をもたらすのかを想像することが大切」というであることを気づかせてくれるものだったと言えそうです。

皆さんにとって穏やかな一週間となりますように。

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Insight Tech 伊藤

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