[travel note #39]天空プリアヴィヒア
アンコールワット周辺の遺跡群を見て回ったら、他に地雷博物館など少し遠方の郊外にまで足を運んで観光をした。
僕が旅した2012年は関係の悪かったタイとの国境情勢が安定化していて、今まで行くことのできなかったプリアヴィヒアという丘の上に立つ遺跡にも行けるようになっていた。
僕は、タケオゲストハウス、またその周辺のゲストハウスに泊まっている日本人と、一緒にプリアヴィヒアへ行く旅人を集めた。
なぜなら、バンを貸し切っていくのだが、マックス15人まで乗れて、一人で行こうが15人で行こうが料金が変わらなかったので、最大15人でいけばみんなで料金を割ることができたので安く行けたからだ。
当日、マックスまで人を集めることができ、僕達は一人当たり一番安い料金でみんなでプリアヴィヒアに行くことができた。
シェムリアップの町を離れてまた田舎町をひたすらと進む。
これだけ旅行者が一緒になると話は尽きることなく、みんなで楽しく向かうことができた。
途中からは2台の4WDに分かれて山を登り、さらに4WDでも進めない先は自分たちの足で丘を登った。
登った先にかなり古びた遺跡が立っていて、その遺跡の裏手に回ってみると、丘の上から開かれた大地が現れた。
見渡す限り平野が広がり、地平線まで続くと空と繋がっていた。
人生で初めてみるような景色に僕も、またここにいた仲間もみんな見惚れてしまった。
崖には柵なんかもなく、みんな思い思いの場所に腰掛けて、このだだっ広い自然だけの世界を眺めて過ごした。
頂上には僕達だけかと思いきや、遺跡付近には現地の女性が物売りもしていた。
ここを訪れる観光客のためにジュースやお菓子を平地の何倍もの価格で売っていた。
また、その女性達が連れてきた子供達が人懐っこく、彼らと遊んで楽しいひとときを過ごすこともできた。
そうして自然と子供から元気をもらって僕達はプリアヴィヒアを後にした。
帰りのバンの中ではみんな疲れ切っていたのか、誰も話をする者はおらず、みんな眠りこんでしまった。
世界に出てきてから、初めてこんな広大な景色を望んだが、多分これから先ももっとたくさんの素晴らしい景色を見ることができるのだろうと思うと、旅に出て本当に良かったと僕は思った。
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