小説/『シヴィル・エンジニアの異世界復興』 4頁め
4.戦闘準備
クリンの後を歩いて行くと、遠くに小さな池が見える場所に辿り着いた。
「向こうに『アズラエル』がいるよ」
クリンは、ゆらゆらしながら、嬉しそうにシアンに話しかける。
「うーんあれかな?」
50メルト先に、動いている何かが見える。
「どんぐり?」
大きなどんぐりの形をした変異生物『アズラエル』が1匹、池のほとりに佇んでいる。
胴体下面から根のような足が生え、中央下部に目が2つ、上部からは出芽している。
出芽部には、緋色の結晶が透けている。
「シアン、まずは【ライブラ】を使ってみて」
クリンは、シアンにアドバイスをする。
シアンは、とりあえず【ライブラ】を使ってみることにした。
シアンが【ライブラ】唱えると、クエタに『アズラエル』の情報が表示される。
50メルトぐらいなら、問題ないらしい。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
基本情報
〇 種族 エイコーン(変異体)
〇 名前 ※※※
〇 形態 幼体
〇 称号 森の食糧庫
ステータス
■ L V 【 I 】
■ H P 【 I 】【■■】
■ M P 【 I 】【■■】
装備
◇武器‥ストロマ=ブレード【 I 】
◇防具‥チラコイ=シールド【 I 】
スキル
■ 食糧生産【 I 】
特殊能力
◆ 土壌改良【 I 】
土壌を植樹に適した環境に改良する。
(土壌中の有害鉱物を吸収し固定化)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「強いのかな?」
シアンが、不安そうな表情を浮かべている
と……クリンがいつも通りゆらゆらと声をかけてきた。
「クエタがあるから大丈夫だよ」
クリンはシアンが、手にしている本を見ながら言った。
「クエタにある、栞を上手く使って」
シアンは、武器【 クエタ=アーカイブ】から
栞を2対取り出した。
栞は、片翼の羽を模した形状で、色は1つが碧色、2つ目は緋色になっている。
先端には、無色透明の小さな宝石がついていた。
「これは、どうやって使うんだろう……」
「あっそうだ、あれが使えるかも」
MPのゲージが半分残っている事を確認し、再び【ライブラ】唱えてみる。
するとクエタに『栞』の情報が映し出された。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〇 武器名 クエタ=アーカイブ
■ 特性
:ライブラの自動習得
:栞(碧) 物理防御(浮遊操作可)
:栞(緋) 物理衝撃(浮遊操作可)
:※※※※※※※※※※※※※※※※※
:※※※※※※※※※※※※※※※※※
:※※※※※※※※※※※※※※※※※
〇 防具名 ナノ=ローブ
■ 特性
:自動修復機能
:栞収納可能
:※※※※※※※※※※※※※※※※※
:※※※※※※※※※※※※※※※※※
:※※※※※※※※※※※※※※※※※
:※※※※※※※※※※※※※※※※※
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
解析できた内容によると、栞を使って防御と攻撃ができるらしい……
【ライブラ】の特殊能力は、クエタの武器特性によって得られているようだ。
「とりあえず実践あるのみか……」
シアンは、『アズラエル:エイコーン』と戦う覚悟を決め、池のほとりに進んでいった。
5頁め→
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
2023.3.5(プロット修正版)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?