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こどもだけじゃなく、まずこどもにかかわる大人全員に読んでもらいたい本


私が住む岡山でも新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、おうち時間ばっかりのGWを過ごしました。

このGWでいくつか本を読んだんですが、
「この本‥‥すごすぎる」の一冊を今日は紹介させてください。


私たちが全く習ってこなかった「自分を休ませる方法」

私がこどもの頃、習ったことと言うと…

・がんばること
・あきらめないこと
・最後までやり抜くこと
・がまんすること
・まわりの人に迷惑をかけないこと

特に昭和世代の方々はこういったことを小さい頃からたたき込まれてきたのではないかと思います。私もそのひとりです。

そんな私が激推しする本がこちら

この本は小学校高学年以上の学生さん向けの本なんですが、私的には「まず大人全員読んでみよう」と思いました。特にこどもを育てていたり、こどもに関わる仕事をしているひとはぜひ。

がんばる方法はたくさん学んできたのに、自分を休ませる方法なんて教えてもらったことなかった気がします。


がんばり昭和世代の人たちはどこかで学校も仕事も
病気やケガ以外では休んではいけない
と思っていませんか?


自分の「安全」や「健康」がおびやかされると感じる時に自分を守るために休んだ方がいい
ということ、この本を読んで改めて学びました。

そしてただ仕事や学校で休んだだけでは休めていることになるとは限らないことも。

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私が「休む」ことを初めて学んだ時のこと

私は根っからの頑張り屋さん気質で、頼まれると断れない、嫌な顔をされるくらいなら自分でやる、頼り下手。

大学卒業してからずっと2人の子どもたちの産休育休それぞれ1年ずつ以外はずっとフルタイムで働いてきました。ほぼワンオペで。

ただその私も1年半全く働かず休んでいた時期がありました。

言語聴覚士として自分のしている療育が本当にこどものためになっているか悩んでいた時期に、不登校の子のように、仕事にいけなくなってしまいました。

子どもたちを保育園に送り、仕事に行こうと園の駐車場で車に乗ると何も悲しくないのに涙が止まらなくなったり…。病んでましたね。


そのまま1ヵ月休職したのちに、結局復帰できず職場にも担当してお子さんにも迷惑をかけまくって退職することになりました。今でも申し訳ない気持ちでいっぱいです。


辞めたあと、少し心がホッとしましたが、「よし新しく何かするぞ」とはなれませんでした。

その時お世話になったお医者さんからは「好きなだけ休んで、好きなだけあそびなさい」と言われました。なんともゆるい先生だなと当時は思っていましたが、休み方を知らなかった私にとってはあの一言がなければ自分を責めて、はやく元気になって働かないとと思ってしまっていたかもしれません。


風船と女の子

休み始めた当初、やりたいことはありませんでした。好きなことも。

ただただ、体を休めて、見ていてホッとするインスタやブログを読んだりして過ごしていました。

少しずつ気持ちが落ち着いてきて、その時の楽しみは保育園の近くにあったホームセンターの100円自動販売機にあるミルクティーを毎日子どもたちを送ったあとにのんびり飲むことにすごく幸せを感じていました。

そして少しずつ心を許せる友達に会いに行ったりすることができるようになり、友達の活動のお手伝いをするようになります。

さらに息子の学童のボランティアに行ったりする中でまた働きたい気持ちがようやく湧いてきたのです。

私が1年半かかったこのストーリーは、この本に書いてあるまさに順番通りに進んでいて、がんばりたくてもひとっとびには進めませんでした。もしこの本のような「自分を休ませる方法」を知っていたら、仕事を辞めるほど限界になる前に、自分の心を休ませながら、自分の心がどうしたいのかに向き合えたかもしれないなと思います。

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この本をまず大人に読んでもらいたい理由

こんな風に私たち親世代は自分のことをどうやって休ませてあげるかの具体的な方法を知らない人が多いのではないかと思います。それでも何とかやってこれた頑張り屋さんが多いのかもしれません。

でも自分が頑張れたのだからこのくらいは「がんばって当たり前」を子どもたちに押し付けてしまうことは違うかなと思います。

昔と今は環境も全く違います。私たちが感じなくて済んだストレスを今の子どもたちは感じている可能性もあります。

この本の中で私たち親の役割は
「こどもの安全と健康を守ること」
と書かれています。

体と心の両方が守られ安心した状態でいられていること
体も心にも余計な負担がかからず、元気に生活できること

これが私たち親の役割で、私たちしか守ってあげることができません。
もし親が守ってくれないと子どもが判断した場合、子どもたちは親以外の大人を頼らなくてはいけなくなります。

何事にも一生懸命がんばれて、嫌なことでも我慢できて、大人の言うことを素直にきくことよりも、まず私たちにはこどもの安全と健康を守る役割があります。

そのためにもまず私たちが子どもたちのサインを受け取れて、必要な時には「休む選択」を受けれてあげられるようになっておけることが大切だと思います。

子育てママにも

もうひとつ大人が読んでほしい理由があります。

子育て中のママってほんと休む暇なんてないですよね。特に就学前のお子さんを育てていたり、発達凸凹のお子さんを育てているママさんは自分の時間はなかなか取れず、休む時間もなければ、方法も分からないですよね。

この本にはたくさんのワークが書かれています。

自分の心を助ける方法
気持ちの整理の仕方
リラックスするために役立つこと
ネガティブな思考に対抗するには
休むための実践ワーク


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そしてこの本の中間部分はいろんなお悩み別の対処法が書いてあります。

内容は小中学生や高校生が感じるようなお悩みが書いてあるんですが、同じような感情になることって忙しいママたちもあるよなって思うことばかりなんです。

集団生活のアレコレやSNSでのストレスなど、仕事や子供の通う園やママ友さんと関係にも通じるものがあると思います。

オマケ:思春期世代を育てる私にピピッときたひとこと

この本のお悩みの中に「親と一緒にいるとイライラする」というのがありまして、コロナ禍で在宅ワークが増えて、親との時間が増えてる子どもたちへのメッセージが書かれていました。

その中に

10代は親以外とのコミュニケーションが増えていく時期。親以外とのつながりは成長に欠かせないものでもあります。そのため、そもそも10代の心と体は親と長時間過ごすようにはデザインされていないのです。

とありましてw。

さらに

実は親の側もそっとしておくべき?こまめに声をかけるべき?などと迷っていることが多いんです。

「そうなの~」とうなづいちゃいましたw。

わが家の中2の息子には一人時間を大切にしてあげてるんですが、これまで手をかけ、ベタベタしてきたのに急にほったらかしにしちゃった感じで「子育てしてない気分」になったりして、たまに用がないのに用を作って声かけたりしたりして。

安心して、そっとしておこう、必要な時はちゃんと相談したり、声かけたりしてくれているもの、と思えてホッとしました。

私たち大人の心を守りながら、子どもたちの心に寄り添えるようになる

絵や図が多くて小中学生でも読める内容なので、サクッと読める本です。

私たち大人も自分を休める方法って知っておくことで自分の心を守ることができます。そして子どもたちの心に寄り添い、子どもたちの体と心を守ることもできます。

ここ最近読んだ本でイチオシです。


もちろん、中高生のお子さんも読みやすい本で、今の子どもたちに寄り添ってくれる内容でオススメです。


よかったらぜひぜひ読んで見てくださいね。


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