見出し画像

【絵本感想文】このあとどうしちゃおう

このあとどうしちゃおう
ヨシタケシンスケ 作・絵
ブロンズ新社

前回の【絵本感想文】

今回は、こちらの記事でも少し触れていた
「このあとどうしちゃおう」の絵本感想文です。

ヨシタケシンスケさんにすぽっりハマるキッカケをいただいた作品で、大きなテーマは

読むと死ぬってこわいことじゃないかもしれない
そんな気持ちにもなれます。

ちょっとでも気になるな~と思ってもらえたら嬉しいです。

ストーリー

おじいちゃんが亡くなった。

おじいちゃんの部屋を掃除していたら、ベッドの下から1冊のノートが…

どうやら、おじいちゃんが書いたものらしい。

なになに?
このあとどうしちゃおう・・?

そのノートには、おじいちゃんの
「理想のこれから」が書かれていた。

震災がキッカケ

「このあとどうしちゃおう」を作るキッカケは、東日本大震災だったそう。

震災の経験からヨシタケさんは
私たちはいつ死ぬか分からない国に生きている
ということを感じ、

さらに、ご両親が亡くなられたときの記憶がリンクして「死の直前に死の話はできない」という気持ちがより強くなったんだとか。

だからこそ、普段から、日常で
人が死ぬということについて話すキッカケになる絵本があるといいかもしれないと考え「このあとどうしちゃおう」を作られたそうです。

「このあと」=「死んだあと」
だったのかぁ!って、絵本を開いてびっくり。

見ためはいつものヨシタケさんの絵本だし。
でもそこに意味があるのかもしれない

死はもれなく誰でも経験することで
特別なことじゃないもんね。

でも絵本のテーマにあえて選ぶあたりが
斬新でいいなぁと思いました。

見習いたいポジティブ思考

テーマが死でも、雰囲気は
いつものヨシタケさんで読みやすい。

例えば

●このあとのよてい(※死んだ後の予定)
ゆうれいセンター
⇩(気が済んだら)
天国1
⇩(飽きたら)
うまれかわりセンター

じゃあネコで!

●てんごくに行くときのかっこう
●てんごくってこんなとこ
●こんなお墓がいいな
●つくってほしい記念品

このあとどうしちゃおう より

とか。

死ぬことをポジティブに、楽しく考えようとする姿勢が見えるおじいちゃん。

死って「こわい」「孤独」とか、
そんなイメージでした。

でも実際、本当のことは誰も知らないわけで。
当たり前だけど、死んだことはないし。

おじいちゃんみたいにポジティブに考えられたら
気持ちがすこし楽になるかも

好きなページ

どのページも良くて選べません…

少しだけ、私のつぶやきも交えつつ紹介します。

●生まれかわったらなりたいもの
・お金持ちに飼われている猫
・宇宙飛行士
・末っ子

お金持ちに飼われている猫!普通の家ではなく。
たしかに、毎日「ちゅーる」もらってそう。

前澤さんにはみたいになれないし。
末っ子って、みんな一度は憧れるよね。

たしかにたしかに!って感じ。
が。

・トートバッグ
・コーヒーミル

このあとどうしちゃおう より

えっと、今なんの話だったっけってなりましたよね?

あらためて確認しておきましょう。
「生まれかわったらなりたいもの」です。

コーヒーミルになりたいって思ったことは
今のところないかなぁ・・笑

あと、こんなページも。

●見まもるほうほう
・つきになって
・みみかき  
・かさぶた 
・おつりの中のしわくちゃのおさつ
・ビニールぶくろ・・

このあとどうしちゃおう より

自分が死んだあと、大切な人をどうやって見守るか。

月になって見守るだなんてステキ。
みんなを明るく照らしてくれるんだね~

と思いきや
かさぶた、お札、ビニール袋…?

お別れしたらもう二度と会えなさそうだけど…

ユーモアたっぷりなおじいちゃんに
ちょっとほっこりします。

ぼくは気がつく

ノートを読みながら、ぼくは気がつきます。

おじいちゃんはほんとうは
すごいさびしくて、しぬのがこわかったのかも

このノートはしぬのがこわくなくなるように
かいたのかもしれない

このあとどうしちゃおう より

ここ泣きます。絵がなんとも言えない…
(ぜひ絵本で見てみてください!)

「大勢のなかに1人佇むご老人」というシチュエーションにもともと弱い私・・なんでかなぁ。

街中でふとそういう方を見かけると、胸がぎゅっとつかまれるような、なんとも言えない気持ちになります。

このページで感じた感覚はまさにそれでした。

ぼくは動く

ノートを読み終えて、ぼくは考えます。
「おじいちゃんのきもちはどっちだったのか」

死をこわがっていた?
それとも本当に楽しみだった?

それはおじいちゃんにしか分かりません。

ぼくは、おじいちゃんのマネをして
ノートに今やりたいことを書きだしてみたら
ぼくにはやりたいことがたくさんあった。

あとがき

私は生きています。あなたも。
いつ死ぬかは決まっていないし、
決まっているかもしれないけど知る手段はありません。

でも、もしも
出産予定日をあらかじめ教えられるように

「あなたは○○日後に死にますよ」って
あらかじめ言われるシステムがあったら

その期間を最大限生きられるように
何ができるのか、何がやりたいのか
おじいちゃんみたいにノートにあれやこれやと
書き出して、やれる限りのことをするのかな~

少なくとも、今より考えるだろうな。

でも、そもそも、明日生きている保証なんてあったけ?夜ベッドに横になったまま、明日目を覚まさないかもしれないんだが。

でも、やれる限りのことやってる?って聞かれたら、やってない…
矛盾だらけ!

なんてことを改めて考えました。

おじいちゃんの真意はどっちだったんでしょうね。私はとりあえず「毎日を大切に」ほんのりでいいから忘れずにいたいなぁと思います。

この記事が参加している募集

読書感想文

わたしの本棚

最後まで読んでくださり、ありがとうございます😊 サポートもうれしいですが、あなたからのスキが毎日の励みになります!